
西の鯖街道を高浜から京都への一気歩きを計画しています。その為のテストウォークを4月23・24日に行いました。昔歩かれた街道を出来るだけ忠実に歩こうというものです。この企画を呼びかけたところ4人の方に参加して頂きました。何時もゼミナールハウスの西の鯖街道講座に参加頂いているHさんとUさんご夫婦に今回は福井はあわら市からTさんにも参加頂きました。
まず23日朝、二条駅までH・Uさん夫婦を迎えに行き、高浜へ向かいました。ここでTさんと合流です。ちょっとしたアクシデントでゼミの出発が遅れてしまい、早朝に駅に着かれていたTさんを更に待たせてしまいました。ごめんなさい。
高浜港を11:15に出発という歩き行事としてはきわめて遅いスタートとなってしまいました。まずはすぐ近くにお住まいの舘太さん宅に立ち寄りご挨拶して歓迎して貰いました。立て直して頂いた石碑をちゃんと見て来ますよ言って、佐伎治神社への本道を歩き、更に南下、浄化ランドへと向かいました。
福谷坂をめざす

田には既に水が張られているのもあり、田植えの準備が進んでいます。
当初は福谷坂を越え福谷で昼食をと計画を立てていたのですが、腹時計が催促していますのでここで、お山カフェの玄米お握り弁当での昼食です。ここ浄化ランドには「もう一つの鯖街道」の銅像が建てられています。その横には西の鯖街道が風景街道に選定されたことを記念して椿が植樹されていました。

さて福谷坂越えを目指します。県道から昔のバス道へ入りしばらく歩いてヘヤピンを廻ると取り付きです。以前ぶら下げておいた案内板はちゃんと残っていました。ここは崩壊しやすい箇所で以前に作った道は完全に無くなっていました。ずるずると滑りやすい坂をよじ登って貰いました。
福谷坂の取り付き

ここから峠までの道は以前倒木を整理したのですが、その後も殆ど歩かれていない雰囲気を感じます。しかし峠に近づくに従い、まさに古道の雰囲気が感じられる様に変化してきます。まもなく峠へ到着すると、以前倒れていた江戸時代の道標やお地蔵さんが道の反対側の安定したところに移されてきれいに立て直されていました。これについては昨年2011-11-04にこのブログでもふれましたので覗いて見てください。
西の鯖街道・「福谷坂」石碑復旧を伝える福井新聞の記事
http://blog.goo.ne.jp/mfujino_1945/e/ab491367e3b605c1079f66c7431fbe8f
この峠を越え、更に幾つもの峠を越え、海産物を都まで運ばれた昔の人の気概を高浜の人達は体感して欲しいし、もっと遡れば大陸からの当時の先進文化を京の都へと伝達した先人に思いを馳せて欲しいものです。原発という国に政策だけに翻弄されることなく何かを掴んで欲しいという思いもあります。昔は京の都へでしたが、今は世界の市場へという発想をさせてくれる峠だと思います。実際今当地の資源を発掘して商品を復活しておられる人もあり更に頑張って欲しいという思いや節にという心境させてくれます。
福谷坂の峠

峠から古道の雰囲気を味わいながら20分も下ると福谷へと出ました。
ここはおおい町の勇壮な夏の火祭り「大火勢(おおがせ)」の地元です。田植えの準備も始まっていました。
福谷の里

ここから高速道方面へと向かい進んだ石山の里に入ると「通り堂」があります。道中の安全を祈願したのでしょうか、それとも関所として存在したのでしょうか?関所があるということは、また道中安全祈願としても、この通り堂は人の往来すなわち街道を考えるに重要な意味をもつでしょう。京への道だけでなく、若狭と綾部方面への往来も考えないといけなようです。また石山城の存在も。
通り堂

高速道のガードを潜り、石山峠への登に入ります。ここからは県道沿いに登るのですが、ループ道を架けたりの大工事が進んでいます。工事前に通った車道も形を変えていましてルートファインディングで少し苦労しました。
水上勉さんの「おもんの谷」の雰囲気とはまるで違う雰囲気の交通の要衝になるでしょう。
現在進行中の高度を稼ぎつつスムースに走れる道路の作るべく進行中の架橋工事などの箇所を終えると、かの若狭富士、青葉山の双頭峯の姿が見え始めると峠は近く、登り初めて40分ぐらいで峠のトンネルに到着です。昔の石山峠も探し出したく大体見当は付けているのですが、まだ実見出来ていません。
さてここからは県道をだらだらと下ります。もう少しすると卯の花が咲き誇る季節となりますが、周囲の山は笑い始める直前という雰囲気で、所々ミツバツツジの花が顔を覗かせています。
約8kmの道のりですが、そろそろ疲れが出始め、HさんやTさんに自分のペースでどんどん歩いて貰いました。Uさんご夫婦と一緒に歩いて後を追いますが、ご主人のUさんは途中周囲の風景や歩く姿を撮影したりしながらもすぐに追いつかれます。奥様も元気な足取りです。口坂本へ到着したときには10分程遅れてしまいました。先行のお二人は約6km/hというペースというところでしょう。さて本番ではどういうペースでと計画すべきか、いろいろ考えます。
水上さんの故郷、おおい町、先月若州一滴文庫に二回行きまして、そのうち一回は竹人形浄瑠璃「はなれ瞽女おりん」を鑑賞してきました。
今は高浜の内浦方面のことも舞台に小説を書かれていますね。