あすなろ

塾長日記

モラトリアムパンツ

2010-05-29 16:23:48 | Weblog
何を言っているんでしょうかね
第一章 倒産

金曜日は、4年も、引きこもりの少女のために家庭教師に行っていた。自分も年でさ。冬の夜トボトボ帰るのは特にこの頃はつらかった。しかもその女の子のお父さんがリストラされていて、僕が行くと帰り、いつの間にか、待っていて、毎回、飲むようになった。別にもう僕はサラリーマンじゃないんだから人とイチイチ飲まなくても話は出来た。
『ここだけの話なんだけれど』とか
『本音を言えば』とかいう話はいらなかった
  金曜日、こうして僕は家で録りだめしていたDVDと撮りだめしていた写真を見ながらうつらうつらしていたら、携帯が鳴った。緊急だと思って出てしまったら、そのお父さんで先週何回電話しても出なかったけどと言っていた。そう確かに出ませんでした。もう生徒じゃない子のお父さんと飲んだところで家で寝ていたほうがいいじゃないかと思っておりましたからね。『お子さんは』と聞くと
あれほど家から出なかった子が毎日元気に大学へ行っているそうです。僕は随分努力しましたよ。結局そのお父さんは実は僕の前に勤めていた会社の上司で、どこか僕を部下に仕事を頼んでいる意識があったのでしょうね。
そのことで感謝の言葉も聞いたことがありませんでした。そして言うのです。
『あの会社がつぶれた』と。