宇宙のめいぐると

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さらばハリー・キャラハン

2009年05月18日 00時19分10秒 | CINEMA
早くも今年2作目のイーストウッド作品「グラン・トリノ」です。
しかも久しぶりの主演作!!
なにやら今作で俳優業から引退するという噂も・・・。


妻に先立たれたウォルトは朝鮮戦争に従軍した経験のある偏屈オヤジ。
口が悪く、干渉されるのが大嫌い。
身内のする事はいちいち気に食わない。
ある日、隣にアジア人家族が引っ越してくる。
差別主義的な彼だったが、
少年をギャングから救った事で微妙な変化が・・・。

前作「チェンジリング」でも度肝を抜きましたが、
今作はそれを上回る出来!!
これはいわば贖罪の物語であり、
一人の男が次の世代にバトンを渡す物語。
そして別の視点からいうと、
少年が男になる通過儀礼の物語でもある。

まずウォルトのキャラクターの造形が見事。
正に「ダーティー・ハリー」のハリーが
そのまま年を取ったらこうなるだろうという感じ。
馴染みのイタリア系の主人が経営する床屋での
愛情のこもった罵り合い。
戦争体験の傷を一生背負ったまま
同じ過ちを繰り返すまいと若い世代に託す想いは、
深い感動を呼び起こします。

そして監督自身作曲のメインテーマもこれまた良い!!
エンディングには「さよなら。いつかわかること」でも
組んだジェイミー・カラムをボーカルに起用、
染み入るような余韻を我々に与えてくれます。

舞台としては家の周りだけで起こっている物語なのに
ここまで深い感動を呼び起こすストーリーテリングには
ただ感嘆するしかありませんね。
引退するなんて言わず次作も是非若いモンに
説教かまして欲しいと思います。



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