編プロ メディアクルーの日々

東京都目黒区で雑誌や書籍などの編集をやっています。
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ホンダ「ハイネスCB350」が刺さる

2020-10-15 20:53:13 | モノ・グッズ

1年間、バイク雑誌『サイクル・ワールド』の編集部に在籍していた(日本版はとっくに廃刊。英語のサイトはありますね)。
その後、ずっとバイクとの縁が切れることはなく……なんてことはなく、撮影で鎌倉や横浜をまわるのに便利だからと、安いオフロードバイクを買ったのが15年以上前。バイクに乗らなかった期間は6~7年あったはずだ。

仕事以外で乗ることはないので、撮影で使わなくなったジェベル200(スズキ)はとっくにバッテリーもあがっている。セル付きだが、始動はキックオンリー。1年以上乗らなくても、キック2~3発でエンジンがかかる孝行息子だ。キャリアが付いており、大型のカメラバッグも載せられる。

最近、また仕事で使い始めたが、こんなに高速道路がつらいバイクだったか……。久しぶりでスピードを出すことが怖いのもあるが、エンジンがうなって80キロぐらいしか出す気になれない。60キロぐらいでもちょっとエンジンの回転数が高すぎる感じ。あと1段、上のギアがほしい。

慣れると少しましになるが、シートが細いので尻が痛くなるのも困る。

で、ホンダインディアが発表して一部で話題になっている「ハイネスCB350」である。現地価格は26万8000円からということらしい。
「インドから日本まで輸送費なんて2~3万円。ホンダさえその気になったら35万円くらいで売ることが出来るだろう」と、自動車評論家の国沢光宏氏はブログで書いている。

このバイクで高速走行はどうなのだろうか。馬力は22 ps足らずで、ジェベルの20psと大差ない。ジェベルよりも車重があるため絶対的な加速性能は期待できないが、プラス150ccの排気量分だけトルクはあるので、100キロ以上で巡航できるかと期待。シートの出来も良さそうだ。

……というのはまあどうでもよくて、最後に買う「上がり」のバイクとしてどうかと思っているのだ。
いつから持っているイメージなのか定かでないのだが、350ccのどっしりとしたバイクで、なぜか50センチぐらいの草をかきわけながら海に向かって走るというのが、私が思い描くバイク走行の原点で、ハイネスはこのイメージ中のバイクに近いのである。ハンドルの高さやステップ位置はオーソドックスで、燃料タンクは15リットル以上入る大きさがいい。

マフラー2本というのも個人的「原点」のイメージにあるのだが、ハイネスは単気筒である。そのエンジン音が聴ける動画を見ると、ロングストロークの単気筒ならではの鼓動感は悪くなかった。2気筒では出せない音かもしれぬ。

ジェベルのスピードメーターは140キロまで、ハイネスは160キロまで刻まれている。ジェベルではメーター読みで120キロがせいぜいだったが、ハイネスはもう少し出るのだろうか。馬力というより、ギア比の設定で出るかもしれない。

復古調のローテクバイクに見えるのに、トラクションコントロールやABSのほか、上級モデルはスマートフォン接続システムも搭載するという意外性もいい。

トコトコ走る上がりのバイクか……。一方で150psとか200psのエンジンをぶん回して最高速300キロオーバーというモデルもあるわけで、こちらの世界を知らずに人生を終えるのも寂しい気がする。だが、買えたとしても大型のバイクを所有し続けるのは無理。買ってもすぐ乗らなくなってしまうはずだ、たぶん。

バイクで通勤していたこともある。毎日のように乗ったので、一度飽きてしまったのだ。大昔、車とTZR250を所有していたこともあるが、TZRはほこりをかぶっていた。要するに私は「バイク乗り」ではないのだ。なので、100万、200万をバイクにつぎ込むことはできないが、30万円台のバイクで夢を見るぐらいは許されよう。

※所有したことのあるバイクでは、RZ250が上がりのバイクのイメージに近いなと思ってとあるサイトをのぞいてみたら、100万円以上の中古が並んでいてびっくり。途中からダートになった道を仕方なく走ったり、高速で秋田まで帰ったりと思い出深いバイクだが、そんな人気だとは。


高橋伸和
/旅行、車、アウトドア、情報、ビジネスなど、主に男性向けコンテンツを担当

日本リクルートセンター(のちのリクルート→リクルートホールディングス)などを経て編集プロダクションへ。バイク誌、旅行ガイドなどの編集を経験し、フリーの編集・カメラマンとして活動中。

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