ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「官邸は今、本気で朝日を潰しにかかっている。産経・読売に吉田調書を流したのは官邸だ」官邸担当記者

2014年09月14日 | 日本とわたし
もう一件、同じく『LITERA』に掲載されていた別記事を、紹介されていただきます。

今回もまた『吉田調書』についてのお話です。
ただ、今回のものは、朝日の誤報についての問題ではなく、一報道機関の誤報よりも、もっと恐ろしいことが進行していることへの警告です。

そもそもの『吉田調書』は、本人の遺志で非公開にされていた、などという話になっていました。
けれども、朝日新聞の誤報も含めたスクープで、公開の方向に流れが変わっていき、政府がそのすべてを公開します、ということになったらしいのですが…。

政府から公開された吉田調書は、国の安全や個人情報、第三者の権利・利益等に係る部分は非公開。
で、当然のごとく、堂々と、黒塗りだらけの文章になっています。
日本政府の得意技です。

さらに今日、ツィッターで、黒田さんという方が、
『昨日話題の「吉田調書デジタル版」、多数の隠蔽があるね。
例えば、吉田氏の「補助冷却装置が造られていればこんな状況にはならなかった・・」という部分は、削除されているよ。
第一次安倍政権下で、安倍ちゃんが却下した、補助冷却装置の重要問題を隠蔽ね。
自民党に都合の悪い部分は、すべて削除してるよ』
という内容を、ツィートしておられました。

読売新聞や産経新聞は、こんな代物でも完全公開だー!とハシャイでいます。
新聞とはいったい、どういうことを仕事としなければならないのでしょう?
こんなふうに、手に手をとって、非難合戦をしている場合なんでしょうか?
吉田証言に書かれていたことは、ただの昔の、終った話なんでしょうか?
新聞社をはじめとする日本のマスコミが、きちんと調べ、検証し、伝えていかなければならないことが何なのか、
今この時に、この騒動をきっかけに、マスコミ全体が真摯に考え直さなければならない時なのではないのでしょうか?


上記の、黒田さんのツィートの中にもあった、補助冷却装置の設置を無用と断言した、第一次安倍政権下での、世にも浅はかで無責任な態度でもって、質問に答えていた安倍氏の答弁を、
もう一度、ここにも載せておきたいと思います。

2006年12月13日 衆議院議員 吉井英勝
巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm

2006年12月22日 内閣総理大臣 安倍晋三
巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm

1-4
Q(吉井英勝):海外では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか
A(安倍晋三):海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない
1-6
Q(吉井英勝):冷却系が完全に沈黙した場合の復旧シナリオは考えてあるのか
A(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない
1-7
Q(吉井英勝):冷却に失敗し各燃料棒が焼損した場合の復旧シナリオは考えてあるのか
A(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない
2-1
Q(吉井英勝):原子炉が破壊し放射性物質が拡散した場合の被害予測や復旧シナリオは考えてあるのか
A(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない

この『そうならないよう万全の態勢を整えているので、復旧シナリオは考えていない』と、
オウムのように繰り返している姿を、ビデオで観た時は心底呆れ、その果てしないまでの無責任さに、強い怒りを感じました。


日本の原発は、日本のみならず、世界にまたがる利権集団、核兵器の推進亡者など、とてつもなく大きな利権にしがみつく権力者たちの思惑を、
官僚や政府が言いなりになったり、自ら率先したりして、当たり前のように、どんな手口を使ってでも、カネを湯水のように使いながら建て続けられてしまいました。
そのカネは、我々市民の、働いても働いても一向に楽にならない生活の中から、コツコツと払っている税金や電気代でした。
安全だ、安いのだと、ウソ八百を並べ立て、それをさも本当のように、広告会社と新聞テレビラジオが繰り返して垂れ流す。
それの舵取りを先頭に立ってやってたのが、自民党だったのです。

その自民党が今、長い長い間目指していたシステムの仕上げに、躍起になっています。
その様は実に異様で浅ましく、底なしの恐ろしさを感じます。

『一報道機関の誤報よりも、もっと恐ろしい事態が進行していることに、なぜ誰も気づかないのだろうか』
と締めくくられているこの記事を、ぜひ読んでいただきたいと思います。
↓↓↓
朝日誤報問題は目くらましだ!
マスコミが隠す吉田調書の恐ろしい本質

引用元:
http://lite-ra.com/2014/09/post-425.html

『周知のように、産経、読売は、何十年も前から、自民党政権とともに、原発導入の旗ふり役をつとめ、福島原発の事故後も、原発再稼働を叫んできた。
まさに、原発シンジケートの一角をなしている2 つのメディアが、
同じく、原発再稼働をもくろむ安倍政権と、ともに仕掛けた情報誘導――それが今起きている、吉田調書騒動の本質
なのだ』

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11 コメント

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Unknown (かまどがま)
2014-09-15 10:05:27
今回吉田調書が公開され新たにわかった事のように書かれていますが、12年の11月にすでに『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』というルポルタージュが発売され、調書と云うかたちでは無いけれど、官邸とのやり取りなど、吉田所長の立場から見た事実が時系列に知る事ができました。
混乱の中、東電の動き、官邸の動きなどどこもパニックで、日本の1/3が回復不能の汚染状態に陥ったと云う認識の下、何が本来の発言だかそれぞれの立場から違った見解が出ていた様子も伺われます。
あくまでも吉田所長の立場から見解なので、全てが真実だったとは言い切れない部分も多々ありますが、すでにほとんど出版されて明らかになっていたものが何故吉田調書として今鬼の首を取ったように朝日叩きに利用されているのかを見失ってはいけないと感じます。
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かまどがまさんへ (まうみ)
2014-09-15 10:32:51
このルポタージュの存在を失念していました。

今のこの異常さを、異常であると認識できる人が、日本の社会にたくさんおられることを、祈りたいような気持ちです。

いずれにせよ、今官邸が公開し始めたものも、公開主が主だけに、読む際の心構えが必要ではないかと思っています。
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本末転倒 (桃ちゃん)
2014-09-15 21:18:39
 安倍首相、「朝日は吉田清治氏の証言を事実として報道し、事実として世界に伝わった。世界に向かって取り消すことが求められている」と。そして稲田朋美政調会長は「単に(報道の)訂正ではなく、日本の名誉を回復するために何をするかを発信すべきだ」と指摘する。
 しかしながら、本当の問題の所在は、慰安婦問題については、日本政府の埋もれた事実の真摯な掘り出しである(現在でも無いとされている証拠文書が発見されている)。
 更に原発事故に付いても、原因解明等への執拗な追求が必要であり、其の経過を国民に速やかに情報開示し、説明をすることが肝心な点なのだ。そして国民の批判を浴びるべきなのだ。
 社会の木鐸とはいえ私的企業を楯に取り、本来政府が為すべき第一義を忘却したのでは筋違いである。日本国政府こそが「世界に向かって」朝日問題を超えて説明すべき事柄なのだ。
 個々の誤りが、日本国(政府)のあり方を正当化するものではないのだ。合成の誤謬を思えである。

(引用:中日新聞 2014/09/15)
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桃ちゃんさんへ (まうみ)
2014-09-16 11:11:56
ありがとうございました。
この、中日新聞の論説を、わたしは支持します。

この引用を、ブログ記事に転載させていただきたいと思うのですが、最近特に、著作権について厳しくなってきているので、少し調べてみようと思います。

良い記事を教えてくださり、本当にありがとうございました。
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何が恐ろしい事態なんだか・・・ (そちらには届かないでしょうけれど)
2014-09-17 15:25:36
官邸の意図は、はなからわかっていることで今更感。朝日がこんなことで潰れないことも先刻承知。

原発事故の深刻さは、事故調の報告を見れば、きちんと証言がとりあげられているわけで、この点を吉田証言でやたらとさわぐのも、為にする議論でしかない。

中日新聞が困って矛先を変えようとするのもわかる。つらいのだろう。ただ中日新聞はもう少し深刻に朝日の不祥事を受け止めた方がいいと思う。同じ穴のムジナなので。
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アサヒ (Taka)
2014-09-17 16:01:21
朝日新聞は、なぜそのことを
第一に報道しなかったのでしょう?
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Unknown (まうみ)
2014-09-18 00:48:45
今さら政府が報道がと、騒ぐことは、遅過ぎると言う人がいます。
もうすっかり出来上がってしまった社会のシステムの中で、生き延びていくしかないと言う人がいます。
このわたし自身も、そんなふうに自分に言い聞かせて、身の回りの世界を整え、他人様に迷惑をかけないように気をつけながら生きてきました。

無駄でも、叶わないように思えても、少しでもマシな社会にして、それを次の世代に受け継いでもらえるようにする。
これを信念にして残された日々を生きていこうと決めました。
だからひとつずつ、一歩ずつ、至ることができなくても、おかしいなと感じたことを記していきたいと思います。
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引用と転載について (LITERA関係者)
2014-09-18 04:39:38
少しでもマシな社会にするためにまうみさんが出来る第一歩は、
著作権について理解を深めることではないでしょうか?
元記事を丸ごとコピーしてきた文で構成されるこの記事は、
引用ではなく転載にあたり、明確な著作権違反行為です。

まうみさんが転載したLITERAの記事の真偽は私にはわかりません。
しかし、まうみさんの転載行為で、本来、LITERAに入るべき広告収入が奪われ、
記者に支払うお金が奪われ、結局、まうみさんが欲しい情報もまわりまわって奪われるのです。

問題提起のご立派さ、LITERAの閲覧は感謝します。
しかし、著作権違反に苦しめられている人にも気を配っていただけることを望みます。

http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/etc/copyright.html
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Unknown (名無し)
2014-09-18 08:20:05
吉田調書は誤報(まちがい)というより捏造。裏を取らず、現場作業員の証言なしに都合の良いように報道(吉田調書に限っては、なんと会員登録制にして個人情報入手)。国益を考えれば、従軍慰安婦問題含めると潰すのは妥当では?

東日本壊滅の危機に立ち向かった地元の作業員が命を懸けたことと、原発の危険性を知ること、安易に新聞報道を信用しないこと、9・11に朝日叩きがあったことを国民は注意する必要がありそうですね。
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LITERA関係者さんへ (まうみ)
2014-09-18 09:42:06
教えてくださった『インターネット著作権についての問題点』を、たった今プリントアウトして、目の前に貼りました。

記事を丸ごと転載させていただく場合には、そのご本人に連絡をし、許可を得てから行っていたのですが、
今回、『LITERA』の画面上に、著作権についての注意書きが見当たらなかったので、転載は自由なのかなと勘違いをしてしまいました。

ただ今から、引用の法的基準を満たした書き方で、書き直してみます。

教えてくださり、ありがとうございました。
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