2:45~内容を文字起こししました。
志位和夫・日本共産党委員長:
戦後の日本は、1945年8月、ポツダム宣言を受諾して始まりました。
ポツダム宣言では、日本の戦争についての認識を、二つの項目で明らかにしております。
ひとつは第6項で、日本国国民を欺瞞し、これをして世界征服の挙に出ずるの過誤、犯した勢力を永久に取り除く、と述べております。
日本の戦争について、世界征服のための戦争だったと、明瞭に判定しております。
日本がドイツと組んで、アジアとヨーロッパで、世界征服の戦争に乗り出したことへの厳しい批判であります。
今ひとつ、ポツダム宣言は、第8項で、カイロ宣言の条項は履行せらるべく、と述べています。
カイロ宣言とは、1943年、米英中3国によって発せられた、対日戦争目的(?)を述べた宣言でありますが、
そこでは、三大同盟国は日本国の侵略を制止し罰するため、今時の戦争を行っている日本の戦争について、『侵略』と明瞭に規定するとともに、
日本が暴力と強欲によって奪った地域の変換を求めています。
こうしてポツダム宣言は、日本の戦争について、第6項と第8項のふたつの項で、
“間違った戦争”だという認識を明確に示しております。
総理にお尋ねします。
総理は、ポツダム宣言のこの認識を、お認めにならないんですか?
端的にお答えください。
安倍総理:
まあこのポツダム宣言、をですね、我々は受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。
そして今、えー私も、詳らかに承知をしているわけではございませんが、ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、
日本が世界征服を企んでいたということ等も、今ご紹介になられました。
私はまだ、その部分を、おー、詳らかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、
今ここで直ちに、それに対して論評をすることは差し控えたいと思いますが、
いずれにせよ、まさに、先の大戦の痛切な反省によって、今日の歩みがあるわけでありまして、我々はそのことを忘れてはならないと、このように思っております。
志位和夫・日本共産党委員長:
私が聞いたのは、ポツダム宣言の認識を認めるのか認めないのか、です。
はっきりお答えください。
安倍総理:
えー今まあ申し上げましたようにですね、えーまさにポツダム宣言を私たちは受け入れて、ま、これが、まさに戦争を終結させる、えー道であったと、いうことであります。
この我々が受け入れることによって、終戦を、おー、えー、迎え、そして、えー、まさに、えー日本は、平和国家としての道を、その後歩き始めることになった、ということではないかと思います。
志位和夫・日本共産党委員長:
私はポツダム宣言が認定している”間違った戦争“という認識を、認めないのかと聞いたんですけれど、「認める」とおっしゃらない。
これ、非常に重大な発言であります。
戦後の国際秩序というのは、日独伊三国の戦争は『侵略戦争』だったと、いう判定の上に成り立っております。
ところが総理はですね、侵略戦争はおろか、間違った戦争だとも、お認めにならない。
総理が今進めようとしている『集団的自衛権の行使』とは、
日本に対する武力攻撃が無くても、アメリカが世界のどこであれ、戦争に乗り出した際に、その戦争に自衛隊を参戦させるというものであります。
しかし、米国の戦争の善悪の判断が、総理にできますか?
日本が過去にやった、自らの戦争の善悪の判断もできない総理に、米国の戦争の善悪の判断、できるわけないじゃないですか。
戦争の善悪の判断ができない、善悪の区別がつかない、そういう総理がですね、日本を海外で戦争ができる国に作り変える『戦争法案』を出す資格はありません。
撤回を強く求めて終わります。
◾️ポツダム宣言原文
http://www.ndl.go.jp/constitution/e/etc/c06.html
Potsdam Declaration
Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender
Issued, at Potsdam, July 26, 1945
1.
We-the President of the United States, the President of the National Government of the Republic of China, and the Prime Minister of Great Britain, representing the hundreds of millions of our countrymen, have conferred and agree that Japan shall be given an opportunity to end this war.
2.
The prodigious land, sea and air forces of the United States, the British Empire and of China, many times reinforced by their armies and air fleets from the west, are poised to strike the final blows upon Japan. This military power is sustained and inspired by the determination of all the Allied Nations to prosecute the war against Japan until she ceases to resist.
3.
The result of the futile and senseless German resistance to the might of the aroused free peoples of the world stands forth in awful clarity as an example to the people of Japan. The might that now converges on Japan is immeasurably greater than that which, when applied to the resisting Nazis, necessarily laid waste to the lands, the industry and the method of life of the whole German people. The full application of our military power, backed by our resolve, will mean the inevitable and complete destruction of the Japanese armed forces and just as inevitably the utter devastation of the Japanese homeland.
4.
The time has come for Japan to decide whether she will continue to be controlled by those self-willed militaristic advisers whose unintelligent calculations have brought the Empire of Japan to the threshold of annihilation, or whether she will follow the path of reason.
5.
Following are our terms. We will not deviate from them. There are no alternatives. We shall brook no delay.
6.
There must be eliminated for all time the authority and influence of those who have deceived and misled the people of Japan into embarking on world conquest, for we insist that a new order of peace, security and justice will be impossible until irresponsible militarism is driven from the world.
7.
Until such a new order is established and until there is convincing proof that Japan's war-making power is destroyed, points in Japanese territory to be designated by the Allies shall be occupied to secure the achievement of the basic objectives we are here setting forth.
8.
The terms of the Cairo Declaration shall be carried out and Japanese sovereignty shall be limited to the islands of Honshu, Hokkaido, Kyushu, Shikoku and such minor islands as we determine.
9.
The Japanese military forces, after being completely disarmed, shall be permitted to return to their homes with the opportunity to lead peaceful and productive lives.
10.
We do not intend that the Japanese shall be enslaved as a race or destroyed as a nation, but stern justice shall be meted out to all war criminals, including those who have visited cruelties upon our prisoners. The Japanese Government shall remove all obstacles to the revival and strengthening of democratic tendencies among the Japanese people. Freedom of speech, of religion, and of thought, as well as respect for the fundamental human rights shall be established.
11.
Japan shall be permitted to maintain such industries as will sustain her economy and permit the exaction of just reparations in kind, but not those which would enable her to re-arm for war. To this end, access to, as distinguished from control of, raw materials shall be permitted. Eventual Japanese participation in world trade relations shall be permitted.
12.
The occupying forces of the Allies shall be withdrawn from Japan as soon as these objectives have been accomplished and there has been established in accordance with the freely expressed will of the Japanese people a peacefully inclined and responsible government.
13.
We call upon the government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction.
(The Ministry of Foreign Affairs "Nihon Gaiko Nenpyo Narabini Shuyo Bunsho : 1840-1945" vol.2, 1966)
そしてこれ↓が、今なお日本においての公式訳文です。公式文書ということになります。
◾️ポツダム宣言外務省仮訳
http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html
ポツダム宣言
千九百四十五年七月二十六日
米、英、支三国宣言
(千九百四十五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ)
一、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及「グレート・ブリテン」国総理大臣ハ吾等ノ数億ノ国民ヲ代表シ協議ノ上日本国ニ対シ今次ノ戦争ヲ終結スルノ機会ヲ与フルコトニ意見一致セリ
二、合衆国、英帝国及中華民国ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自国ノ陸軍及空軍ニ依ル数倍ノ増強ヲ受ケ日本国ニ対シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本国カ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同国ニ対シ戦争ヲ遂行スルノ一切ノ連合国ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ
三、蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ対スル「ドイツ」国ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本国国民ニ対スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本国ニ対シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ対シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」国人民ノ土地、産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廃ニ帰セシメタル力ニ比シ測リ知レサル程更ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本国軍隊ノ不可避且完全ナル壊滅ヲ意味スヘク又同様必然的ニ日本国本土ノ完全ナル破壊ヲ意味スヘシ
四、無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者ニ依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国カ履ムヘキカヲ日本国カ決意スヘキ時期ハ到来セリ
五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
六、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
七、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ聯合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ
八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
九、日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ
十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ
十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ
十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
十三、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス
(出典:外務省編『日本外交年表並主要文書』下巻 1966年刊)
何度読み直しても、本当にわかりにくい、というか、わからない文章で、これだと英語で読んだ方がどれほどわかりやすいか…。
このどうしようもないままに放置されている公式訳文を読んで、憤りを感じ、原文の英文の全訳に取り組まれた方がおられます。
ここにその記事のURLを記しておきますので、ぜひみなさんもお読みになっていただければと思います。
<参考資料> ポツダム宣言 全訳
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/potsudam.htm#potudam
『Ⅳ.ポツダム宣言と投下前夜』
http://www.inaco.co.jp/isaac/back/008/008.htm
2006年1月27日
一部引用させていただきます。
↓引用はじめ
『ポツダム宣言の英文原文はインターネットでどこからでも手にはいるが、日本語の訳文がなかなか手に入らない。
唯一公式の訳文が、以下である。
(外務省仮訳)ちょっと見て欲しい。
(http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html)
この文章を理解できる日本人が何人いるか?
少なくとも私は分からない。
英語の原文を読んではじめて、何を言っているのかを知ることができる。
ポツダム宣言は、日本が戦後再出発することになる基本文書だ。
日本人全員が戦後の歴史の大前提条件の一つとして、共通認識を持っておくべき文書だ。
この宣言を受け入れることによって、連合国との戦争は終結したのだから。
ところが、今なお、この公式訳文の状態で止めておくと云うことは、日本政府は宣言の内容を、日本国民に知らせたくないのではないかと邪推したくもなる』
↑引用おわり
一事が万事、とまでは言いませんが、このような誤魔化しやいい加減なままの放置が多いこと、そしてその物事はどれも、非常に重要で知っておかなければならないことだということに気づきました。
気づくということは、大変でもあり、清々しくもあり、悲しくもあり、悔しくもあり、そして立ち上がって声を上げるエネルギーでもあります。
などと言うわたしは、自分のことでいっぱいいっぱいの時もあり、落ち込んでしまっている時もあり、先がなかなか見えてこない現実にため息をつく時もあります。
でも、気づいた。気づくことができた。気づいてしまった。
無資格で憲法違反の男を、総理という立場から引きずり下ろさなければなりません。
野党のみなさんが、一丸となって、連帯して頑張る時です。
そして有権者のみなさんは、そんな議員さんたちを支えたり、叱咤激励をする時です。
ポツダム宣言。
たった13項の文章を、詳らかに読んだことがないので承知していない。
なんというチンピラ…なんという無恥…なんという情けなさ…。
こんなドがつく阿呆が、政治の頂点でふんぞり返っているなんて…放置している場合ではありません。
自分ながらに吹き出してしまいました。
でも、とっても大事なことです。間違いを教えてくださり、本当にありがとうございました!