ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『8月』と『死』

2015年08月06日 | ひとりごと
1週間、家を空けます。
空と海は、もう何やらイヤ~な予感がしているのか、ずいぶんと落ち着きがありません。
毎年のように行っては、かたつむり時間を過ごす、カナダの湖畔です。

同じ場所の同じ風景なので、代わり映えのしないものになること必至ですが、また懲りずに写真をカシャカシャ撮ってこようと思っています。
なにしろ、インターネットはもちろん、電話もテレビも一切使えない、フランス語のラジオ放送ぐらい、というところなので…。


蚊帳の中から世界を見ると、




今年の夏も大活躍!



台所の、10年以上も前にガレージセールで買ったテーブルが、夏の湿気でネトネトするのがとても気になっていました。
先日の夏の大掃除中に、いつ買ったのかも覚えていない、多分これもガレージセールで手に入れたテーブルクロスがひょっこり現れたので、ちょっと試しに使ってみることにしました。



白い生地が、みんなの気持ちを引き締めるのか、食べ汚しがいつもよりう~んと減りました。
めでたしめでたし。


湖畔には、今回は夫の弟も西海岸からやって来ることになっていて、カナダ人の友人夫婦と一緒ににぎやかに過ごせそうです。
友人夫婦は、つい先日、12年一緒に暮らした愛犬バートを喪うという、とても辛いことがあったので、
その悲しみが少しでも癒せるよう、彼らの話をたくさん聞こうと思っています。
バートはとてもでっかくて、優しくて、たくさん走って、泳ぎも上手で、ひょうきんで、甘えん坊で、それはそれは愛しい犬でした。
去年の夏はわたしたちが、15年と半年、日本から一緒に来て生きてくれたショーティを亡くしました。
彼女のお墓の紫陽花が、ひっそりと咲いています。


夏は、『死』を特によく思います。
死は常に、わたしのすぐ隣にいるけれども、それでもやはり夏は、その存在を強く感じます。

今日は広島に、そして明々後日の9日は長崎に、空から世にも恐ろしい爆弾が投下されました。
わたしたちは、その行為に対する謝罪を求め、罪を問わなければなりません。
決しておざなりにしてはなりません。
何年かかろうと、何十年かかろうと、戦争という行為が地球から無くなるまで、
戦争を起こそうとする者たちを許すこと、放置すること、無視することをせず、
暮らしの中で、自分のできることを模索し、どういうことなら、どういうふうなら続けていけるかを考え、実行に移さなければなりません。
不買でもいい、解約でもいい、投書でも電話でもファックスでもいい。
プラカードのデザインでも、作曲でも、朗読でも、詩や物語を作るのでもいい。
いや、そんなたいそうなことではなくても、日常のそこここにあるものでもいい。
わたしなどには思いつかない、もっともっといろんなことがあることを確信しています。
そのアイディアの豊富さは、日本人なればこそのものだと思います。

戦争はなにも、軍隊だけがやっているのではありません。
戦争にどんなものがまとわりついているのか、それを考えると、実に様々な、複雑なつながりが見えてきます。
すました顔で、とても良い物を生産し売っている企業や、ボランティアやチャリティなどで、困った人たちを助けている銀行なども、強いつながりを持っています。
原発も然り。
根っこは同じです。

戦争を無くす。
そう決めたら、この世から姿を消さなければならないものが続々と出てきます。
戦争が消えた世界を見ることはできないかもしれないけれど、そんな世界がきっとやってくることを信じて、バトンを渡せる大人でこの世を去りたい。
そんなことを、8月は考えます。

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4 コメント

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Unknown (sarah)
2015-08-06 23:13:14
8月は、
お盆があって、
広島、長崎、終戦の日があって、
日航機事故も、あった・・・。

「死」というものを、他のどの月よりも考えます。

そして、
9月になると、9・11が・・・。

テロや自然災害もあって、
何が起きても不思議ではない世界で、
生きて明日を迎えることは奇跡なのかもしれません。
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8月は (田安)
2015-08-10 12:11:35
お隣に、ある日5歳位の少女が連れて来られました。奥様の姪にあたられるとか。その子は広島で被爆し、一人生き残り壊れた水道管からちょろちょろと水が垂れてるところに居たのを兵隊に行つていた父が見つけ自分の姉さんの所に預けたのでした。その子は髪は抜け表情はなく、その姿に近所中が涙しました。今も鮮明に覚えております。貴ブログで長崎での死んでる弟を背にした裸足の少年の写真を見ましたとき、お隣の少女とダブりしばらく涙しました。私事ですが兄が戦死してます、今でも涙が出ます。戦争は国家の悪事です。
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sarahちゃんへ (まうみ)
2015-08-13 09:48:46
sarahちゃん、何が起きても不思議ではない世界の、カナダとアメリカの往復を、無事に戻ってくることができました。感謝!

幼い頃から、8月というのは、原爆と敗戦の月ということで、ずいぶんと死のことについて考えてきました。
留守にしている間にまた、国会ではトンデモな発言があったり、原発が再稼働されてしまったりしましたが、市民としてはコツコツしぶとく行動し続けることが大事なので、心身ともに力をつけなくちゃね!
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田安さんへ (まうみ)
2015-08-13 09:58:41
貴重な思い出を話してくださり、本当にありがとうございました。
たった5才で、どんなに心細く怖かったことか…。でも、お父様のような心ある方に見つけてもらえたことが、せめてもの救いだと思わざるを得ません。

国家というものは、生き物の命をこれほどまでに蔑ろにするのだと、これまでも事ある毎に思い知らされてきました。
戦争は、その国家というものが起こす悪事の中でも、最悪の類に入るものだとわたしも考えています。
金のなる木である戦争を、なんとかして起こしたいと躍起になる人間が後を絶ちません。
こんな世の中であるからこそ、日本が平和の実践国としてお手本にならなければならないと思っています。
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