ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

市民の力の見せ所は数!攻めるのではなく、やめる、買わない、使わない!家に居ながらにして闘える!

2014年06月10日 | 日本とわたし
三鷹市市民協働センター、第2会議室で行われた、樋口健二さんの講演会のことを、幸雄さんのフェイスブックで知りました。







なんとも力強い笑顔を拝見しているうちに、いったいどんなことを話されたのだろうかと、知りたくなりました。

『黒木町日記』というブログを書かれている光さんが、その講演会の内容を、光さんご自身が聞き漏らしたくないと感じられた部分を、書き取ってくださっていました。

↓以下、転載はじめ

樋口健二さん講演会 於 三鷹市民協働センター 2014.6.7

―――
樋口さんを知ったのは、DAYS JAPANの紙面および、その企画ボランティアに携わって、彼の写真に出会ったことがきっかけである。
50年以上もの長い間、公害被害者、原発従事者の写真を撮り続けた氏の言葉は、様々な弱い人々の代弁者としても、非常に貴重なものである。
―――

(以下は、講演内容のメモです。私が聞き漏らしたくないと思った部分だけの書き取りですので、抜け多数です。)

売れない写真家がこれまで生き延びたのは、出版社、新聞社のおかげである。
70年代、80年代は、すべての原発推進体制・メディア側との、対峙の歴史であった。
しかし、人間には良識がある
311後、現在は、多くの人々が賛同してくれるようになった。

日本のトップリーダーは、財界の番頭になって、原発を全世界に売り込んでいる
一つのプロジェクトで3000億4000億という規模は、原発のほかにはない
40年間に渡り、これまで誰も取らなかったことを撮り続けたことで、様々な日本の暗部が見えてきた。
駄目になっていく過程が、そこにある

四日市コンビナートは、石油化学の最先端であった。
ここが国家最先端になることで、全国の犠牲になり、多数の公害被害者が出た
東京はこの結果、巨大な墓標が立ち並んだ結果となった。
日本には、決して先はないと思っている。
なぜ、
原発があるからである。

真実を追究したから、現在は注目されるようになったきた。

現在のジャーナリストは、ただ事実を流すだけで、真実を追究しようとしない
本来は、国民に奉仕する仕事であり、真実を追究することが本旨である。
単なるサラリーマンであるのをおだて上げたから、そういった存在にのぼせ上がった
写真家は嘘がつけない
嘘を撮っていたらひっくり返される。

取材拒否の病院の空気清浄室に足を運び、罵声を浴びせられながら、隔離されている撮影協力者を撮り続けた。
6年間撮り続けた。
彼に言われた。

「これから写真を撮るならば、我慢するしかないんだ。」

40年後に、「始まりの場所」という本を出したが、そのときには何も変わっていなかった。
一酸化炭素は、40年前から 吐き出されるものにレベルの差はなかった。
亜硫酸ガスは減っていたけども、それは一種のまやかしに過ぎなかった。

私がこのように、みなさんにかたり掛け続け、期待するのは、
どんなに絶望的なことがあっても未来がある、ということである。

好きこのんで、悲しい写真を撮り続けたわけではない。
ほかのどの写真家も、ジャーナリストも、撮らなかった。
自分は頭が悪く、儲かる仕事だけをやる計算ができなかった。

四日市の、汚水水垂れ流しを告発した田尻さんは、ばかにされ、徹底的に勉強した。
その結果、勝訴を勝ち取った。
美濃部都政でも、公害改善の責任者として抜擢された。


3.11以後、マスコミに火をつけたのは、ニューヨークタイムズである。
彼らは、原発現場に、発電機修復のための労働者を、大量に突っ込んだことを報じた
それをきっかけに、私のところにも、マスコミが駆けつけた。
ほとんどが、週刊誌の連中だった。
原発労働者を知る第一人者として。
3.12の朝、広瀬隆氏から、原発労働者をみんな逃がせ、と電話が入った


◎日本のエネルギー産業
石炭→石油→原子力(ウラン)→プルトニューム
明治維新→1960年代~1966.7.25(東海村稼働)

原発は、エネルギーから入っていったからこそ、抜け出せなくなってしまっている

政、財、官学、マスコミ、司法、暴力団が、原発七族
エネルギーと言っていれば、簡単にだませる
原発は、一基作ると、5000億から6000億の金が動く

◎原発輸入経路
ゼネラルエレクトリック(沸騰水型)→三井物産→東芝・日立
ウエスチングハウス(加圧水型)→三菱商事→三菱重工


◎世界的に再編された原発メーカーの系列
東芝→(買収)→ウエスチングハウス
日立→(提携)→ゼネラルエレクトリック
三菱重工→(提携)→アレバ(フランス)


◎原発労働形態
原発(電力メーカー)→元請け(三井、三菱、日立)つまり「連合」→下請け→孫請け→ひ孫請け→人出業(親方)→
様々な末端労働者・・・未組織労働者群


原発は、差別の上に成り立っている。(現代資本主義社会の構図)
原発メーカーから(5万円)→人出業時点(3万円)→労働者手元(8千円程度)……40年前から変わっていない

◎下請け労働者の作業内容
放射能除染作業、ランドリー(洗濯)、パイプ補修、パイプ掃除、スラッジ(ヘドロ)出し、核廃棄物処理・運搬、機械類運搬、サンダー掛け、溶接作業他300種以上の雑役
現在、原発総労働者数は、200万人
そのうち、40万人から50万人の被爆者が、登録されている


日本の報道写真家は、絶滅危惧種であるが、世界報道写真家ギルドなど、世界からの評価は全く別である。

「日本は、広島長崎があって、核の問題にはアレルギーを持っているのではないか?」

アイルランドで、写真展の際に、現地の人々に質問された。
政府やマスコミを挙げて、原発安全神話を煽った国であるので、
国民も知らないで、原発間近で平然と泳いでいる
、と答えた。

日本では、外部被曝を問題にしているが、内部被曝は全く問題にしていない
これが計算されないでいるのが、2014年の日本である。

広島長崎でも、放射能汚染された被爆者は、差別され続けた。
原発労働者も、同じように被爆することによって、差別されることを免れ得ない。

出稼ぎをしなくて済む、原発行けば倍の金をくれる
という言葉を、浪江町の農民から聞いたときには、本当にがっかりした

しかし、彼らは現在、どうしているのだろうか。

底辺労働者の無知を利用して、「倍のお金をもらえる」
そうやって、原発労働者に仕立て上げられた


石井さんは、常磐炭坑の労働者だった。
閉山に伴い、原発労働者となった。
沢山の人々が、放射能の害によって、身体を壊した。

労働者の写真を撮るために、福井まで、東京から何度も足を運んだ。
断れ続けた。
そのうちに、もう何でも撮っていい、と声をかけてもらった。
家族からも。
真実を報道することが、どれだけ大切なことか、それをわかってほしい
ただ一枚の写真を世に出すことが、どれだけ大切なことなのか

マスクを外して働いた、原発労働者の多くが、長年に渡って、放射能によって受けた害によって、苦しんで死んでいった
自衛隊に属していた父親が、子供に辛抱を迫った結果の、白血病による死だった

欧米に、原発労働者を追った取材者がいなかったのは、全世界で原発が推進された時期が、同じだったからである。
だから、あまり問題視しなかった。
その結果、私が、世界でも注目を集めた。
現在も、原発内部に入った写真は皆無だから、世界中のメディアが私のところを訪れる。

私は、ただ自らの見てきた現実を、写真や言葉によって伝えることしかできない。
実際に、その現実を変化させるのは、反対運動を行ったりする皆様たちでしかない
餅は餅屋でやっていくしかない。

↑以上、転載おわり


そしてこの記事に対し、弓場さんとおっしゃる、元柏崎刈羽原発で働いておられた方が、このようなコメントを書かれていました。

↓以下、転載はじめ

ご丁寧な講演の内容の説明、ありがとうございます。
私は元、柏崎刈羽原発で働いていた作業員ですが、「樋口健二」さんの講演会には、今回(三鷹)で7回参加させていただいております。内容的には、ほぼ、どの講演も同じですが、新鮮差があります。

そこで、原発労働者の労働形態と作業内容について、少し補足させていただきますが、
原発においては、管理区域、保全区域、周辺監視区域と、三つの区域に分かれていて、それぞれの区域で、作業形態と内容が違ってきます。
樋口さんの場合は、最も重要な区域である管理区域での、末端労働者の内容を示されておりますので、これで良いと思いますが、作業内容は、少し広範囲になります。

さて、他の保全区域と周辺監視区域ですが、労働形態は、管理区域とほぼ同様ですが、これも、広範囲の作業内容があります。
建設(建築)、設備、電工、土木、環境、雑工事などに分かれるわけですが、おのおのに下請け構造があります
また、働く環境も違ってきます。
例えば、周辺監視区域などには、公園と同じような、樹木や草花を管理するための作業もあります
これには、同じく、末端で働く作業員もいるわけですが、女性もいます。

さて、私の場合ですが、私は、管理区域という場所ではなく、保全区域と周辺監視区域で働いていたわけですが、
放射線防護教育も、管理区域で作業する人と、少し違ってきます。
私が主に作業をしていたのは、福島第一でも取り上げられている、トレンチ(地下洞道)と呼ばれるところで、
職種としては、電工(地中)の下請け作業員でした。
作業内容は、タービン建屋で発電された電気を、敷地内にある変圧所まで送電する高圧ケーブルの新敷設や、古いケーブルの引き抜きなどで、トレンチ内で従事していました。
これらのことは、東京新聞が数回に渡り、私が投稿したものを取り上げて書いてくれていますので、参考にされてみてください。

余談として、コメントの最後になりますが、現在私は、心不全の治療を行っています。
これは、原発での作業環境で、放射性物質を含んだホコリ(ホットパーティクル)を多量に吸い込んだためと、最近になって分かってきました。
私が、最初に心疾患の指摘を受けたのは、原発の仕事が終わり、派遣会社に戻ってからの健康診断によってですが、それにより、解雇されてもいます

↑以上、転載おわり


そして、弓場さんの『疲労困憊したおじさんのブログ』から、
まさに日本の未来をぶち壊す可能性を持つ原発を、なにがなんでも再稼働させようとしている人間どもへの怒りを込めて書かれた記事を、紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

原発日誌(200)核爆弾80発分の隠蔽工作



原発再稼動のために「核爆弾80発分 680キロ」を隠蔽した、と考えざるを得ないこの報告漏れは、どのように言い訳するのか。

原子力委員会は、「炉内にある燃料は使用中と見なし、以前から報告対象外」と言うが、
どこが使用中なんだ?

隠蔽工作のため、あるいは欺くため、騙すために、使ってないから燃料プールに移動貯蔵したんだろう。

誰が考えたって、とんでもない屁理屈だ。
次はまたもや、IAEAとつるんで、世界の人々を騙すのか……。

「日本の原子力技術は、福島事故を経験したから最高水準……云々」

どこがだ?
国民を死に晒すつもりか……。
滅ぼすつもりか……。




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2 コメント

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ご紹介ありがとうございました。 (じょうご ひかる)
2014-06-11 17:59:36
色付けおよび弓場さんのコメントご紹介ありがとうございます。
多くの人に、樋口健二さんの想いが伝われば幸甚です。
返信する
ひかるさんへ (まうみ)
2014-06-12 09:51:47
こちらこそ、記事の転載を許可してくださり、本当にありがとうございました。
微力にもほどがありますが、とにかく伝え続けていこうと思っています。

これからもよろしくお願いします。
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