ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

未亡人製造機『オスプレイ』が露呈した、『日米地位協定』の不平等性と、影の政府『日米合同委員会』の正体

2016年12月14日 | 日本とわたし
『日米地位協定』の実施に伴う、航空法の特例に関する法律により、日本国内では、米軍機は、航空法の最低安全高度の規制を受けない

航空法での最低安全高度が500フィート(150メートル)でいいのは、人、又は家屋のない地域のみですが、日米合意では、どこでも500フィートでオッケー?!
さらに、
「ただし、MV-22(オスプレイのことです)の運用の安全性を確保するために、その高度を下回る飛行をせざるを得ないこともある」というオマケが付いています。
結局は、制限無し、ということです。
航空法が定める最低安全高度は、人口密集地で300メートル、それ以外で150メートルです。
沖縄の住民の方々がよく言われている、乗員の姿がよく見えるというほどの低空(高度60メートル)での飛行は、これを大幅に下回っています。
こんなものが、2020年までに、横田基地へ10機、佐賀空港へ新設される新駐屯地へ17機配備されることになっているそうです。
沖縄24機 VS 本土27機。
基地負担の軽減に貢献する、とでも言わんばかりに…。





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沖縄だけじゃない オスプレイ墜落の恐怖は全国に拡大する
【日刊ゲンダイ】2016年12月14日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195787/1

米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機オスプレイが13日夜、沖縄本島東方の海岸付近に墜落
機体はバラバラに壊れ、海中に沈んだ。
これがもし市街地だったらと思うと、背筋が寒くなる。

オスプレイは、開発段階から事故が相次ぎ、犠牲者は40人近くに上るため、「ウイドーメーカー」(未亡人製造機)と呼ばれている
オスプレイが普天間基地に配備された2012年以降も、モロッコや米フロリダ州、ノースカロライナ州、ハワイ州、カリフォルニア州で、墜落や不時着するトラブルを起こしている。

普天間基地には、現在24機が配備されており、今月に入って、宜野座村の民家の上空で、物資の吊り下げ訓練を行い、地元住民が抗議したばかり。
今回の事故に、地元住民からは、
「市街地に墜落していたら大惨事だった」
「オスプレイ配備を受け入れた日本政府の責任は大きい」などと、怒りの声が上がっている。


■日本各地の米軍基地に飛来

だが、オスプレイ墜落の恐怖は、沖縄県に限ったことではない。
年明け早々には、米軍のオスプレイの定期整備を、陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)で行うことが決まっている。
定期整備のたびに、首都圏上空を、オスプレイが飛び回ることになる。

さらに、防衛省は昨年5月、オスプレイ17機を、約30億ドル(当時のレートで約3570億円)で購入することを決め、
19年度から、陸上自衛隊が、佐賀空港(佐賀県佐賀市)で順次配備する計画だ。

また、米軍は、17年に、オスプレイ3機を東京都の横田基地に配備し、21年までに10機を常駐させると発表した。
オスプレイはこれまでも、沖縄以外に、山口県の岩国、横田、静岡県のキャンプ富士、神奈川県の厚木の、各米軍基地に飛来している。

このままでは、日本中どこにいても、オスプレイ墜落の恐怖が付きまとうことになる。

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普天間飛行場に胴体着陸=事故機と別のオスプレイ-不安と反発一段と・沖縄
【JIJI.COM】2016.12.14
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121400684&g=soc

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の、米海兵隊の新型輸送機オスプレイが不時着した事故で、
事故機とは別のオスプレイが、13日夜に、普天間飛行場に胴体着陸していたことが14日、在日米軍への取材で分かった。
 
普天間飛行場は、住宅密集地に囲まれ、小学校や中学校にも隣接
「世界一危険な飛行場」と呼ばれるオスプレイは、24機配備されており、名護市沿岸での不時着事故に続いて事故が発覚したことで、住民の不安と反発が一段と高まるのは必至だ。
 
在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は、14日の記者会見で、「装置に問題があったが、安全に着陸した」と述べた。
 
在日米軍によると、機体の不具合で前輪が出ず、胴体着陸になったという。
在沖米軍が、詳しい原因を調べている。
 
宜野湾市によると、同飛行場に着陸した機体の装置に、不具合があったことについては、
防衛省沖縄防衛局から14日に、「前輪が壊れた機体が1機ある」と連絡があったという。
重大事故につながりかねないトラブルだけに、日米両政府は、情報開示の面でも批判を浴びそうだ
 
隣接する同市立普天間中学校の仲村美恵子教頭は、胴体着陸について知らされてなかったといい、取材に「本当ですか」と絶句
13日は、夕方には生徒全員が下校したが、一歩間違えば、危険が及ぶ可能性もあった。

「米軍は、しっかりと情報を伝えてくれないと、子供たちの安全を守れない」と憤った。
 
普天間飛行場では、授業中も、航空機が離着陸を繰り返し、屋外では教師の声が聞き取れないこともあるという。
「その状況に慣れてしまっている、子供たちがかわいそう。静かな環境で勉強させてあげたい」とこぼした。(2016/12/14-19:33)

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この事故を受け、オスプレイの飛行停止と、配備撤回を求める抗議文を、在沖米軍海兵隊トップのニコルソン四軍調整官に手渡した安慶田副知事。
安慶田副知事によると、面会した際に、ニコルソン氏は興奮した面持ちで、
「パイロットの判断は正しかったし、機能に落ち度は無かった」
「このことを政治問題にするつもりか」
「パイロットは、機能不能に陥った機内の中で、的確な判断をし、同乗者の命と沖縄の住民の命を守った」
「住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきことだ」

などと述べたということですが、

一体どうして、このような事故が起きたかというと、
その夜、事故を起こしたオスプレイは、沖縄県の東の海上で空中給油訓練をしていたそうですが、
オスプレイのローターブレードが、空中給油機から伸びた給油ホースと接触し(切れ)、不具合が起き、基地へ帰るにも住宅地の上は飛べないとの判断で、海に不時着を試みたと。
夜間の空中給油訓練というのは、難度が高い訓練なので、不具合や事故が生じた際にも市街地に墜落しないよう、海上で行われるのだそうです。

このオスプレイ、2012年の10月から普天間飛行場(宜野湾市)への配備が始まり、この4年の間に、24機ものオスプレイが配備されているようです。
県や宜野湾市などは一貫して、配備撤回を求めていますので、今回のこの事故を受け、安慶田副知事は『オスプレイの飛行停止と配備撤回を求める抗議文』をニコルソン氏に手渡しました。
その対応の際に、上記にも書いたような言葉が口を突いて出た、と報道されています。
いやもうこれは、日米地位協定の正体を晒したと言えるのではないでしょうか。

以下は、つい先ほど、IWJから送っていただいた『日刊IWJガイド』の中に書かれていた、原佑介記者の記事です。
わかりやすくまとめてくださっているので、ここに転載させていただきます。
 
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おはようございます。
ものすごい屈辱感に震えている、IWJ記者の原佑介です。

オスプレイの墜落事故を受け、昨夜、岩上さんの指示で急遽、沖縄入りしました。
名護のホテルで、この原稿を書いています。

米軍普天間飛行場所属のMV22-オスプレイが、一昨日12月13日夜10時頃、名護市の海岸に近い浅瀬に墜落し、大破しました
搭乗員5人は米軍に救助され、2人が怪我をしたということです。

死者が出なかったこと、そして、地元住民に被害がなかったことは、不幸中の幸いとしか言いようがありません…が、
米軍側の言い草は到底、看過できません。

オスプレイの墜落事故をめぐり、安慶田光男(あげだみつお)副知事は昨日14日、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官に抗議。
その際、安慶田副知事はニコルソン氏から、
「県民や住宅への被害がなかったことは感謝されるべきだ、と言われた」と明らかにしました。
抗議されたことに、ニコルソン四軍調整官は立腹していたそうです。
なぜ、沖縄の副知事が、駐日米軍幹部から怒られ、「感謝しろ」などと不届きなことを言われなくてはならないのでしょうか!?

オスプレイの危険性は、かねてより指摘されていました。
米国では、その事故率の高さから、「空飛ぶ恥」「未亡人製造機」と呼ばれ、米国内での訓練は厳しく制限されています
オスプレイがいかに危険なものかは、「岩上安身のIWJ特報!」で、詳しく解説しています。

※ 強行配備された「空飛ぶ恥」オスプレイ ~普天間ゲート完全封鎖してまで沖縄県民が阻止したかった理由
【IWJ特報 58号 2012.10.28+67号 2013.01.15】2015.5.19
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/64626

オスプレイの構造的欠陥については、岩上さんが、沖縄在住の、建築家の真喜志好一氏さんにインタビューをしています。
オスプレイの模型を使って、とてもわかりやすく説明してくださっているので、ぜひご覧ください!

※「攻撃力無しに『抑止論』当該せず」オスプレイ、ヘリと飛行機の「いいとこ取り」不可能 ~真喜志好一氏が岩上安身のインタビューで指摘
【2012.9.20】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/154169

※ オスプレイ配備の欺瞞 ~米中間のパワーゲームに翻弄される日本~ 真喜志好一氏インタビュー
【IWJ特報 55号 + 2012/10/26 IWJ特報 56号2012.10.29】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/64614

沖縄県民は、そんな危険なオスプレイの強行配備に、強く反対し、当時、普天間飛行場のすべてのゲートを封鎖するほどの、猛抗議を展開しました。
これも、IWJが現地から生中継でお伝えし、「岩上安身のIWJ特報!」でルポ化しています。
これらの記事は、IWJサポート会員であれば、無料でお読みいただけますので、ぜひ、サポート会員への登録・お切り替えをご検討ください。

「国防」は「国土」を守ることか、「国民」を守ることか ~普天間基地オスプレイ配備抵抗の現場から
【IWJ特報 57号 2012.10.31】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/64621

※ サポート会員への登録、お切り替えはこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 
話を戻しますが、「そんな危険な機体を配備するな!」と言い続けてきた県民が、なぜ、米軍に「海に落ちてくれてありがとう!」などと言わなければならないのでしょうか?
恐れていたことが現実となり、怒りや不安を感じることはあっても、感謝すべき点はなにひとつありません。

沖縄タイムスによると、ニコルソン氏は、県の抗議に対し怒りをあらわにし、
「抗議書に、パイロットへの気遣いがあってもいいのではないか」などと反発。
机を叩く場面もあった
、と言われています。
副知事は、
「植民地意識が丸出しで、とんでもない感覚だ」と強調したといいますが、
ニコルソン氏の発言は、まさに沖縄を「植民地」としか思っていないという「本音」が、露見したといえます
こんな屈辱的なことはありません。

※ 沖縄米軍トップ「感謝されるべき」 オスプレイ事故、抗議に反発
【沖縄タイムス】
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75739

日本が、とりわけ沖縄が、なぜ、いまだに、米国の植民地的な状況に陥っているのか
今月4日に、岩上さんがインタビューした琉球新報・新垣毅記者と、鹿児島大・木村朗教授のインタビューを、ぜひご覧ください。
1879年の「琉球処分」から、沖縄が、いかに「捨て石」として犠牲を強いられ、それが今も続いているか、詳細に紐解いてくださっています。

※国際法違反の「琉球処分」はアジア侵略の礎だった!『沖縄の自己決定権』に迫る!
「東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会」鹿児島大・木村朗教授と琉球新報・新垣毅編集委員に岩上安身が訊く!

【2016.12.4】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/349501

ちなみに、今回のオスプレイ墜落事故について、琉球新報、沖縄タイムスを除くほとんどのメディアが、
「墜落」という表現でなく、防衛省発表の、「不時着」という表現をそのまま使い、事故を過小評価する流れに加担しています

菅官房長官は事故について、「パイロットの意思で着水した」ことから、「不時着水」だとの見解を強調しました

※米、オスプレイ当面運用停止へ 菅氏「不時着水」を強調
【琉球新報】
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-411619.html

米軍の準機関紙「星条旗新聞」でさえ、「crashes=墜落」と伝えているというのに、なぜ日本政府やメディアは、米軍をかばうかのように、「不時着です」などと言い張るのか
宗主国を慮って必死に庇う、「奴隷根性」が丸出しです。

※ Osprey crashes off Okinawa, crew safe
【星条旗新聞】
https://www.stripes.com/news/osprey-crashes-off-okinawa-crew-safe-1.444190

また、事故現場には、米軍と警察の規制線が敷かれ、地元の稲嶺進名護市長さえも立ち入れなかった、と言われています。



『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』
(「戦後再発見」双書)の著者で、沖縄国際大学の前泊博盛教授は、かつてのIWJの取材に、
日米地位協定第3条では、米軍が事故を起こしても、その中身については、米国側が開示する情報しか受け取ることができない
日本側が開示請求しても、米国側が“好意的”に対応しなければ、事実を知ることもできない、ということになる」と応えています。

※ 日本が米軍の占領下にある決定的証拠―相模原基地の爆発事故から検証する「日米地位協定」と米軍機事故の歴史
【IWJブログ】2015.8.27
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/260051

日米地位協定の不平等性は、前泊氏が、岩上さんのインタビューを受けて、詳しく語ってくれています。
日本が独立国でないことが、痛いほど自覚できてしまうので、現実を直視できない方もいるとは思いますが、グッと堪えて、ぜひご覧ください。

※ 岩上安身による『日米地位協定入門』著者 前泊博盛氏インタビュー
【IWJ日米地位協定スペシャルVol.1】2013.3.5
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/63401

12月2日には、「日米合同委員会」の謎について、ジャーナリストの吉田敏浩・立教大学特任教授に、岩上さんがインタビューを行いました。
これも、オスプレイ問題を語る上で、避けては通れないテーマです。
オスプレイの国内配備や、沖縄の基地問題、米兵の事件の扱いなど、数々の重要な日米間の合意が、この日米合同委員会で決定されているのです。

なぜ、在日米軍兵士は、正当に裁かれないのか
そしてなぜ、日本の空は、今も米軍に支配されているのか
その謎を解く鍵は、
「日米合同委員会」にありました


日米地位協定を運用するために、在日米軍の幹部と、日本の各官庁の幹部が、顔を付き合わせて、秘密裏に重要なことを決めてしまい、国民に公表しないばかりか、国会にも報告しない
「影の政府」のような役割を果たしているのです。

戦後日本の、最大のタブーに迫る必見のインタビュー!
今なら、動画全編公開中ですので、ぜひ、ご視聴ください!

「米軍の占領体制は今も継続されている」―謎の権力機関「日米合同委員会」の、知られざる実像とは!?
「戦後最大のタブー」について、岩上安身が、ジャーナリスト・吉田敏浩氏に訊く!

2016.12.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/349136

僕は、本日から、オスプレイの事故現場周辺を動き回り、現地の状況を、随時お伝えしていきたいと思います!
早ければ、この日刊IWJガイドが届く頃(朝8時頃)には、現地から中継できるかもしれません。
沖縄の出張取材には、飛行機代、レンタカー代、宿泊費などなど、とても多くの費用がかかります!

※ IWJ沖縄チャンネル
http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1

IWJは現在、本当に厳しい経営難に直面しています。
このままだと、今期は最悪、3000万円の赤字も見込まれますし、すでに岩上さんが、自身の貯金を切り崩して、スタッフへの給料に充てたりもしています
そんな苦しい中ですが、伝えるべきことは伝えなければ、IWJが存在している意味がありません。
大手メディアが報じないような実態を、現地からどんどん発信していきたいと思っていますので、どうかIWJの取材活動をご支援ください!
よろしくお願いします!

※ ご寄付・カンパのお願い
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

また、翁長雄志沖縄県知事は今日、官邸と防衛省、外務省を訪ねて、直接抗議する意向です。
東京のほうでも、何かアクションがあると思いますが、その時は、IWJも現場に駆けつけ、生中継で報じたいと思いますので、追ってお知らせします!

重ねてのお願いになりますが、どうか、IWJへのご支援を、よろしくお願いします。
IWJは、会員を募集しています!
会員登録していただき、安定的にご支援いただきたく思います!
よろしくお願いします!

>※会員登録はこちら!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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