ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「「私一人くらい」という考え…それを世界中の人がすれば一発で地球はだめになる」『地球の秘密』後書より

2014年05月26日 | 日本とわたし
昨日の畑作りの際に、歩美ちゃんが持ってきた『愛媛AIちゃん』という液体。
写真を撮り忘れてしまいましたが、ペットボトルの中のそれは、プクプクと小さな泡をたてていました。
色はコーヒー牛乳色。
わざわざ陽の当たる所に置いてあるので、妙だな~と思いながら見ていると、

「これは『愛媛のAIちゃん』っつって、万能液なんです」と歩美ちゃん。

今日送ってきてくれたメールで、もう少し詳しく教えてくれたので、それをこちらで紹介させていただこうと思います。

『この万能菌さん配合は、以下のブログから(超簡単!)
http://koubouneko.blog87.fc2.com/blog-entry-1040.html

これを開発した愛媛県職員の曽我部さんは、『地球の秘密』という漫画を描いてその夜に、脳内出血で亡くなってしまった、わずか12歳の坪田愛華さんにちなんで、
『AI』と名を付け、特許も取らず、「地球のために皆に広がる」ことにしたそうです。
(特許取りまくりのモンサントとはわけが違うわ!)

ということで、その『地球の秘密』という漫画を検索してみました。

あなたはこの絵本から、なにを感じるでしょうか。

『地球の秘密』 坪田愛華ちゃん作の絵本


『地球の秘密』 坪田愛華ちゃん作

おそらくは世界で一番、地球の環境問題において影響力を持った、小学生の少女の存在を、先日、知りました。
その女の子の名前は、坪田愛華ちゃん。
彼女は今も、そしてこれからもずーっと、12歳のままです。
1991年12月27日、一冊の絵本を残して、すでにこの世を去っています。
 
お母さんの揚子さんが、「愛華は、これを描くために生まれてきたのだと思う」と語るその絵本のタイトルは、『地球の秘密』です。

 
漫画を描くのが得意だった愛華ちゃんが、学校で出された研究課題にと、一所懸命に描いたものでした。愛華ちゃんは、その力作を完成させた数時間後、脳内出血で倒れ、その翌日、短い生涯を閉じました。
 
悲しみの中、お母さんは、愛華ちゃんの遺作となったその絵本を、学校の校長先生に渡しました。
それが、校長室を訪れた国連の関係者の方の目に止まり、出版される運びとなったのです。

現在、『地球の秘密』は、8カ国語に翻訳され、世界中の子供たちの元へ届けられる、大ベストセラーになっています。



単に「森林伐採反対」と言うのではなく、森林資源を糧に生活している人たちのことも思いやられている。
 『地球の秘密』では、私たちが直面している様々な環境問題に触れられ、のみならず、その解決の方向性まで指し示されています。 

 
小学生の女の子に、こんな広い視野を持った子がいるのか、と驚かされます。
が、特に印象的なのは、一方的に「環境破壊反対!」と言うのではなく、
止むに止まれず環境破壊を招いてしまう、貧しい国々の人たちの生活を心配して、
恵まれた国に住む自分たちが何とかしなければと、綴られているところです。
 


環境破壊をくい止めるための、具体的な方法や条約なども紹介されている。


物質的豊かさを追い求めるあまり、他者への思いやりを忘れた現代人の心に、幾つもの礫を投げかける一冊ではないでしょうか。

そしてまた、込められた思いが、強く深ければ、時を越え場所を越えて、多くの人の心を動かすことが出来るのだということを、教えてくれていると思います。

若い世代だけでなく、多くの方に読んでいただきたいと思います。 



「地球の秘密」あとがき
坪田愛華(12才)

この本を作って、私はアフリカや東南アジアの人のことを考えました。
東南アジアなどでは、私より年下ぐらいの子でも働いています。
勉強もできなくてかわいそうです。
そういうことがなくなるには、戦争をなくすことが必要だと思います。
私は学校へ行って勉強できるし、帰る家があって幸せです。
私はもっと勉強して、富める国と貧しい国の差をなくしたいです。
私は医者になって、いろいろな人の命を助けたいと思います。
環境については、「私一人くらい」という考えはやめようと思います。
それを世界中の人がすれば、一発で地球はだめになると思います。
みんなが協力し合って、美しい地球ができればいいです。


このあとがきを残して、1991年12月27日、愛華ちゃんは脳内出血で、短い生涯を終えました。
このことは、世界中に大きな衝撃を与え、『地球の秘密』は今、世界中で読まれるようになりました。
この本は、多くの人に、地球が今、大変な状態にあること、それを改めるのは、それに気付いた自分であること、
自分の実践を通じて、多くの人に知らせていくことだ、ということを気付かせてくれます。

1993年 、国連環境計画 (UNEP)より、世界で環境問題に著しい貢献をした人に贈られる、「グローバル500賞 」を受賞しました。

↑以上、転載おわり


愛華ちゃんが生きていたら、今頃どんな漫画を書いていたでしょうか。
生まれ変わってまた、漫画を書いてくれているのでしょうか。
今の地球は、大勢の大人たちの『私一人くらい』のせいで、とても痛めつけられてしまっています。
わたしたちはそろそろ、というか早急に、『私一人くらい』から抜け出して、『私一人でも』という気持ちに切り替えないといけないと思います。

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2 コメント

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Unknown (ひろみ)
2014-05-27 06:14:08
素敵なお話をありがとうございます。
この本、探してみます!読みたいです。

今日は、朝から、人間が地球に存在しているわけ、地球に対して何が貢献できるか、という内容のブログ記事に出会ったの、3回めです。すごいシンクロ率・・・♪

それに、最近たまに夕方お散歩する人たちとも、同じような内容を話しています。
一人は、森の中の一軒家に電気も水道もない生活しているし・・・。

世界は確実に変わってきているなぁ~と感じる今日この頃です。(まだまだ小さな変化ですけれどね・・・)
ひろみさんへ (まうみ)
2014-05-28 00:47:52
わたし一人くらい、とは思ってないと言いたいところですが、それに近い思いをもって長い間暮らしてきたので、彼女の遺志には本当に胸を打たれました。

周りに、実際に実践しておられるすてきな、そして勇気と強い意志をお持ちの方がいらっしゃるのですね。
わたしの周りにも、見習いたい人がいます。
我欲に囚われず、宇宙の中のひとつの象限としての自分に気づけたらいいなと思っています。

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