ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

WRH→「だからほんとうに危機を感じないといけないのは、国民の意識の低さ!お前たちのことだ!」

2017年12月18日 | 日本とわたし
【ある界隈で大絶賛されてると話題】ウーマンラッシュアワーのネタが政治的過ぎる


今朝、この漫才を聞いて驚きました。
すごく早口なので、何度か止めて聞き直したりしましたが、彼らが何を言っているのかを全部聞いてからは、別の意味でまた何度も聞き直しました。

原発問題、沖縄の基地問題、そして北朝鮮問題…。
地元の人たち、問題に苦しめられている当事者の人たちが、泣きながら笑ってくれたという漫才。
そしてその人たちに、この漫才を東京で、全国ネットのテレビ番組で演るからと、約束して帰った彼ら。

彼らは一体何者なのか。
この怒涛の漫才を演じた彼らのことを、いち早く書いてくださった『LITERA』の記事を紹介させてもらいます。

ウーマンラッシュアワーが『THE MANZAI』で怒涛の政治批判連発!
原発、沖縄基地問題、コメンテーター芸人への皮肉も

【LITERA】2017年12月18日
http://lite-ra.com/2017/12/post-3665.html

まさに「圧巻」の5分30秒だった。
昨晩放送された、フジテレビの恒例演芸番組『THE MANZAI 2017』に登場した、ウーマンラッシュアワーの漫才のことだ。
 
ウーマンラッシュアワーの村本大輔といえば、8月に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)で、
「安倍さんは戦争の臭いがプンプンする人」
「核の抑止力っていうのはほんとうに意味がない」
などと、物怖じすることなくはっきり意見を口にし、
北朝鮮問題にも、「対話」の努力を政治家に求め、その上、日本が侵略した過去にまで言及
終戦記念日には、〈僕は国よりも自分のことが好きなので、絶対に戦争が起きても行きません〉とツイートし、本サイトでは「最強反戦芸人」としてこの話題を取り上げた。
 
だが昨晩は、ウーマンラッシュアワーという芸人として、こうした政治批判を、なんと漫才のネタに見事に昇華し、披露してみせたのだ。
 
まず、村本は、初っ端から、
「ニュースのコメンテーターやってるのも吉本の芸人」
「ニュースを読むのも芸人、犯罪を犯してニュースに出るのも芸人ですね!」
と言い、所属する吉本を含めた芸人の不祥事・スキャンダルを立てつづけに紹介。

まあ、ここまでは、ナイツや爆笑問題といった時事ネタ系漫才コンビも、話のタネに使うものだ。
 
だが、続いてもちだしたネタは、なんと原発。
まず、村本は、
「福井県出身なんですよ」
「よかったら、きょうは福井県の場所だけでも覚えて帰って下さい。いいですか?北朝鮮の向かい側!」
と言うと、相方の中川パラダイスとこんな掛け合いをはじめる。

村本
「福井県の大飯町、知っていますか?大飯原発がある大飯町です」
中川
「あー、ニュースであるよねー」
村本
「原発の町、大飯町です。
 大飯町の隣は高浜町・高浜原発。
 その隣は美浜町・美浜原発。
 その隣は敦賀のもんじゅ。
 小さい地域に原発が4基あるんです!! 
 しかし、大飯町には、夜の7時以降にやっている店がないんです! 
 夜の7時になったら、町が真っ暗になるんです! 
 これだけ言わせてください! 
 電気はどこへゆく〜!!!」

 
漫才がはじまって早々にぶっ込んできたのが、テレビタブーである原発ネタ。
しかも、村本の超高速、かつ「立て板に水」の語り口の迫力もあって、観覧席も大爆笑だ。
 
しかし、ここからがすごかった。
「福井に住ませてください」という中川に、福井に「愛」をもっているか否か、次々に村本が質問を浴びせ、最終的に「ようこそ福井へ!」と歓迎する。
そのスタイルを、ほかの土地にも当てはめてゆくのだが、福井につづいて東京を俎上に載せて、小池百合子を「自分ファースト」と揶揄したかと思えば、次にテーマにしたのは、沖縄だった。


◼️沖縄への基地押し付け、思いやり予算、対米追従も批判

彼らの漫才の命でもあるリズム感、スピード感を伝えきれないことの野暮さは百も承知だが、ぜひ見逃した人にも知ってもらいたいので、以下に書き起こしたい。
村本
「現在、沖縄が抱えている問題は?」
中川
「米軍基地の辺野古移設問題」
村本
「あとは?」
中川
「高江のヘリパッド問題」
村本
「それらは沖縄だけの問題か?」
中川
「いや日本全体の問題」
村本
「東京でおこなわれるオリンピックは?」
中川
「日本全体が盛り上がる」
村本
「沖縄の基地問題は?」
中川
「沖縄だけに押し付ける」
村本
「楽しいことは?」
中川
「日本全体のことにして」
村本
「面倒臭いことは?」
中川
「見て見ぬふりをする」
村本
「在日米軍に払っている金額は?」
中川
「9465億円」
村本
「そういった予算は何という?」
中川
「思いやり予算」
村本
「アメリカに思いやりをもつ前に──」
中川
「沖縄に思いやりをもて!!!」
 
一気呵成に畳みかけられてゆく、事実と正論。
次に取り上げたのは、熊本だ。
ここでふたりは、いまなお仮設住宅に暮らしている人が、熊本で4万7000人、東北では8万2000人もいること、
一方で、新国立競技場の建設費が、1500億円もかかることを掛け合い


「国民はオリンピックが見たいんじゃなくて」
「自分の家で安心してオリンピックが見たいだけ」
「だから豪華な競技場建てる前に」
「被災地に家を建てろ!!!」
と展開したのである。
 
さらに、次にぶち込んだのは、アメリカと日本の関係だ。

村本
「現在アメリカといちばん仲がいい国は?」
中川
「日本」
村本
「その仲がいい国は何をしてくれる?」
中川
「たくさんミサイルを買ってくれる」
村本
「あとは?」
中川
「たくさん戦闘機を買ってくれる」
村本
「あとは?」
中川
「たくさん軍艦を買ってくれる」
村本
「それはもう仲がいい国ではなくて──」
中川
「都合のいい国!!!」


◼️最後は国民に、「意識の低さ」という問題を突きつける!

安倍首相が、完全に「トランプの犬」に成り下がっていることは、すでに世界が知っていることだが、
日本のメディアだけがそこから目を逸らし、日米関係の強化を後押し

だが、武器の爆買いをネタにして、そんなのおかしいだろう、と吠えたのだ。
 
そして、極めつきが、この応酬だ。

村本
「現在日本が抱えている問題は?」
中川
「被災地の復興問題」
村本
「あとは?」
中川
「原発問題」
村本
「あとは?」
中川
「沖縄の基地問題」
村本
「あとは?」
中川
「北朝鮮のミサイル問題」
村本
「でも結局ニュースになっているのは?」
中川
「議員の暴言」
村本
「あとは?」
中川
「議員の不倫」
村本
「あとは?」
中川
「芸能人の不倫」
村本
「それはほんとうに大事なニュースか?」
中川
「いや表面的な問題」
村本
「でもなぜそれがニュースになる?」
中川
「数字が取れるから」
村本
「なぜ数字が取れる?」
中川
「それを見たい人がたくさんいるから」
村本
「だからほんとうに危機を感じないといけないのは?」
中川
「被災地の問題よりも」
村本
「原発問題よりも」
中川
「基地の問題よりも」
村本
「北朝鮮問題よりも」
中川
「国民の意識の低さ!!!」
 
言葉の勢いは増し、息をつかせぬまま、最後に突きつけられる「国民の意識」という問題。
社会や政治の出来事を風刺する、旧来の漫才ネタではなく、情報の多さとスピード感で見る者を引きつけながら、言葉の力で圧倒させる。
しかも、毒舌芸人として鳴らす村本らしく、最後はマイクに向かって、「お前たちのことだ!」と言い放ち、ステージを去った
それは、まったく見事な、新しい「漫才」だった。


◼️ 村本「コメンテーターなんて情報集め、センターマイクの前で吐き出す」

「政治ネタはNG」、という空気が蔓延するテレビ界に迎合せず、しかもきっちりと「話芸」というかたちに落としこんだその技量は、素晴らしいものだ。
事実、ツイッターでは、ウーマンラッシュアワーの話題が急上昇、多くの人が2人を称えた。
 
そして、印象的だったのは、ネタを終えた村本の一言だ。
番組のエンディングで流れた映像では、ステージ袖の村本は、
「ただコメンテーターで終わる芸人と、いっしょにしないでほしい」とカメラの前で述べた。
また、ツイッターでも、
〈コメンテーターなんか情報集めにしか過ぎなくて、おれがほんとに吐き出す場は、センターマイクの前だけ〉とつぶやいた。
 
奇しくも、先週金曜日、安倍首相に誘われ、焼肉を囲んだ松本人志
同日には、米軍ヘリ窓落下事故を受けて、沖縄県の翁長雄志知事が、官邸で米軍機の飛行中止を求めたが、
安倍首相は面会もせず、そのくせ、松本や指原莉乃らといった面子と会食

一方、松本は、自身の番組『ワイドナショー』(フジテレビ)で、安倍首相を平身低頭で迎え、無批判に擁護を繰り返し、ついには“メシ友”に成り下がった
これぞ、地に落ちた「コメンテーター」の姿だろう。
 
だが、『ワイドナショー』にも、コメンテーターとしてたびたび出演してきた村本は、
安倍政権を刺激することを恐れて、テレビが取り上げようとしない原発や沖縄の基地問題を、漫才というかたちにして、「これでいいのか」と視聴者に投げかけた。

〈ほんとに吐き出す場はセンターマイクの前だけ〉という、芸人としての矜持と、権力や空気に巻かれないという覚悟。

──もしかすると今後、テレビ界には、村本は使いづらいという空気が流れるかもしれないが、視聴者は彼らの笑いにビビットに反応したということを、よく覚えていてほしい。
視聴者が見たいものは、予定調和のコメントでも、ましてや権力の犬となった芸人ではないのだ。
(編集部


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上記の記事の最後に書かれている松本人志と安倍首相のオトモダチ会食の件に関して、村本さんはこんなツイートしています。


彼はそして、自分は「言いたいことを言いたいだけ」、と言っています。


『言いたいことを言いたい』

このことがどんどん難しくなってくるような世の中にならないよう、わたしも言いたいことを言い続けていきたいです。

*おまけ*

独演会があるそうです。


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