戦争に行ったアメリカ兵の告発!
「本当の敵はアメリカ国内にいた!」
「これはお国のためなんだ!」
と言い聞かせて、辛くても胸を張ってやってきた。
だけど、後悔の念だけが残った。
この占領の実態を目の前にすれば、人種差別なんて言葉じゃ、もう騙せやしない。
彼らは獣じゃなかった…同じ人間なんだ!
その時から、年寄りを見ると、いつも心が痛むようになった。
歩けない年寄りを、担架にゴロンと寝かせ、イラク警察に連れて行けと命令するたびに…。
子を連れた母親を見るたびに、胸が痛む。
嫌がる母親を、外に連れ出す我々に、
「何すんのいったい!あんたら、サダム・フセイン以下じゃない!」
と、喚き散らしたのを思い出してしまう。
若い娘を見ると、胸が痛む。
俺が、腕を鷲掴みにして、車道へと引きずり込んだんだと…。
テロリストたちが相手だ、と聞かされていた。
しかし、実際のテロリストは自分たちであって、この占領自体がテロそのものだ、と悟った。
軍隊の中にあって、人種差別を悪とする思想は、他国に対する破壊や占領の口実にできる、今なお使える重要手段のひとつだ。
その思想を利用して、他国の民を殺害、隷属、拷問しても良い、口実にしてきた。
人種差別という思想は、この政府が重宝する、手段のひとつなのだ。
この思想は、ライフル銃や、戦車や、爆撃機や、戦艦を使うよりも、もっと重要な手段だ。
砲弾、バンカーバスター、トマホーク巡航ミサイルよりも、破壊力がある。
このような兵器を、今のこの政府が、製造、保持してはいるが、使おうとする人々がいなければ害はない。
我々を戦場に送っている連中は、銃で撃ったり、迫撃砲を放つなんてことはしない。
連中は、命がけで戦う、なんて頭にない。
連中にとって、戦争は商売でしかない!
連中が必要としているのは、兵士たちを、危険な戦場に、「はい、どうぞ」と送り出す大衆だ!
連中に必要なのは、殺すことも殺されることも「はい、どうぞ」と、オカシイと思わない兵士たちなのだ!
何百万ドルという金を、爆弾一発に注ぎ込む。
その爆弾は、上からの「使え」との命令に、
「はい、わかりました!」と従う軍高官たちの気持ちがあって初めて、武器に変わる。
連中は、生き残った兵士たちを、この地球上ならどこにでも、送ることができる。
しかし、兵士たちが、「はい、わかりました!」と言って初めて、戦争になる。
支配層にいる、人の不幸につけ込んで儲ける大金持ち連中は、世界経済を操って、私腹を肥やすことしか頭に無い。
「戦争、抑圧、搾取が、我々の関心事であり、そう我々に信じ込ませる」という能力の中にこそ、
連中の力が隠されている、ということを理解してほしい。
我々が、人殺しや死ぬことを覚悟させる決め手は、
「やっぱ俺たちは優秀なんだぜ」と、我々に思い込ませる能力が、連中にあるかないかだ。
陸海空の兵士たちが、この占領で得るものなど、何も無い!
米国で暮らしている大部分の人々が、この占領で得るものなど、何も無い!
得るものが無い、なんてもんじゃない。
それが原因で、もっと苦しんでいる!というのが事実だ。
我々は、手足を失い、後遺症に悩み、そして命を断つ…。
家族の者たちは、国旗を掛けた棺が地中に降ろされるのを、じっと見ることになる。
健康保険も無く、就職先も無く、教育も受けられない、
この国の何百万という人々は、この占領で、政府が、4億5000万ドル以上の金を、たった1日で浪費しているのを、
指をくわえて見てることしかできていない。
この国の、貧しい生活をしている人々は、よその国の、同じように貧しい生活をしている人々を殺すために送られ、
金持ちたちを、さらに金持ちにしていく。
差別思想が無ければ、兵士たちは、自分たちを戦争に送った大金持ちたちよりも、
イラクの人々に、多くの共通点があることに気づいただろう。
イラクでは、多くの家族の住み家を奪ってきた。
帰還して目にしたものは、惨めで意味のない差し押さえの仕打ちを受け、住み家を奪われた多くの家族の姿だ。
悲しい…。
目を覚まそう!!
我々の本当の敵は、遠いところにいるんじゃない!
名前だって、文化だって、聞いたこと見たことが無いっていう連中じゃない!
どんな敵なのか、みんなよく知っている、ハッキリしている!
その敵とは、カネになるから戦争をやらかす、という組織。
その敵とは、儲かるとなれば、スパッとクビ切りする企業経営者たち。
儲かるとなれば、健康保険をガンとして受け付けない保険会社。
儲かるとなれば、住んでいる家をサッと取り上げる銀行。
敵は、5千マイルも離れたところにいるわけじゃない!
目と鼻の先にいる!
みんなで、賢く手を組み戦えば、こんな戦争は阻止できる!
この政府は阻止できる!
そして、もっと良い世界をつくることは可能だ!