ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

IPPNW→「単なるスクリーニング効果だけで説明がつけられない憂慮すべき現象。全国でもっと上昇する」

2015年10月04日 | 日本とわたし
わたしは昭和のど真ん中の32年、1957年生まれです。
ちょうどその頃は、核実験が頻繁に、まるで当たり前のように、罪の意識など全く持たずに行われていました。
1954年というと生まれる3年前のことですが、3月1日に、ブラックジョークのような名前の『ブラボー実験』が、米軍によって行われました。
広島型原子爆弾約1,000個分の爆発力(15Mt)の、水素爆弾が炸裂しました。
海底に直径約2キロメートル、深さ73メートルのクレーターが形成されたのだそうです。
このとき、日本のマグロ漁船・第五福竜丸をはじめ、約1,000隻以上の漁船が、死の灰を浴びて被ばくしました
そしてやっと、日本の中で、核に対する恐怖と怒りが湧き上がり、抗議活動へと発展したのでした。


第五福竜丸の被ばく事件
ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/第五福竜丸

第五福竜丸が、アメリカ軍による水爆実験に巻き込まれて被爆した出来事は、日本国内で反核運動が萌芽する動機になった
反核運動が反米運動へと転化することを恐れたアメリカ政府は、日本政府との間で被爆者補償の交渉を急いだ
一方の日本政府も、復興のために、アメリカ経済に依存せざるを得ない状況であり、
かつ平和的利用の為に、原子力技術をアメリカから導入できる可能性も出てきた時期でもあったことから、
アメリカを刺激したくないという思惑もあった
結果、両者は、「日本政府はアメリカ政府の責任を追及しない」確約のもと、事件の決着を図った
1955年に200万ドル(当時約7億2000万円)が支払われたが、連合国による占領からの主権回復後間もなかったこともあり、
賠償金でなく、「好意による (ex gratia)」見舞金として支払われた

また、事件が一般に報道されると、焼津では、「放射能マグロ」による風評被害が発生した

これに対してアメリカ政府は、第五福竜丸の被爆を矮小化するために
4月22日の時点で、アメリカの国家安全保障会議作戦調整委員会(英語版) (OCB) は、
「水爆や関連する開発への、日本人の好ましくない態度を相殺するための、アメリカ政府の行動リスト」を起草し、
科学的対策として、
「日本人患者の発病の原因は、放射能よりも、むしろサンゴの塵の化学的影響とする」と、嘘の内容を明記し、
「放射線の影響を受けた日本の漁師が死んだ場合、日米合同の病理解剖や、死因についての共同声明の発表の準備も含め、非常事態対策案を練る」と決めていた。
実際、同年9月に、久保山無線長が死亡した際に、日本人医師団は、死因を「放射能症」と発表したが、
アメリカ政府は現在まで、「放射線が直接の原因ではない」との見解を取り続けており、また、この件に対する明確な謝罪も行っていない

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ずっとこんなふうに、倫理や正義のかけらもない態度で、核というものは存在してきました。
核にとり憑かれた人間もまた、その罪の深さを無視して、生き物そのもの、生態系、文化や町や村を破壊し続けてきました。
核兵器(もちろん生物化学兵器やその他従来のものも含めて)を開発研究する人は、その仕事に就いていることが犯罪です。
それを製作している人、流通している人、そして売買に直接かかわっている人、使用する人、その人たちも犯罪人です。
人を殺し、広大な環境を破壊し、深刻な汚染を生み出し、長年に渡って苦しめることの罪。
それを全く負わずに済ませることができる社会は、ぜったいに間違っています。
さらに、理不尽な苦しみを受けた、あるいは受け続けていかなければならない人々は、謝罪と救済をきちんと受ける権利があります。
世界中のわたしたち市民が手を取り合って、新たな国際法を作るときが来ています。

『戦争を仕掛けた者は必ず、政治家であろうと財閥であろうと学者であろうと軍人であろうと、一人残らず、執行猶予無し、情状酌量も無し、減刑も無しの終身刑を言い渡す』

わたしはこんな法律を、地球に作りたい!

↓以下の見解は、核戦争防止国際医師会議IPPNWから、先日出された声明です。
子どもたちは傷つき、恐れ、痛めつけられています。
政府(国)ははじめから、無視を決め込んでいます。
現実を知ってください。
そして、子どもたちの心に、思いを馳せてください。
甲状腺がんは、簡単なものではありません。
首にざっくりと一本線の傷跡がつき、一生飲み続けていかなければならない薬は、不快感をもたらします。
夫の姉は、40歳を過ぎるまで発症しませんでしたが、そんな大人になっていても、とても傷つき辛い思いをしました。
あんなことが、まだ小さな子どもや、思春期の子どもたちの身の上に起こっていることを考えると、本当に胸が痛みます。

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核戦争防止国際医師会議『IPPNW(International Physicians for the Prevention of Nuclear War)とは、
核戦争を医療関係者の立場から防止する活動を行うための国際組織で、1980年に設立された。
本部は、マサチューセッツ州サマービル。
各国に支部があり、日本支部の事務局は広島県医師会内にある。
米国のバーナード・ラウンと、ソ連のエーゲニィー・チャゾフが提唱した。
1981年以来、現在は隔年で、世界会議と地域会議を開催している。
83カ国、約20万の医師が参加している。
1985年にノーベル平和賞を受賞。
2012年に開催された20回目の世界大会は、23年ぶりに日本で行われた。

ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/核戦争防止国際医師会議

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私たちは、電離放射線による健康影響や、原子力災害が及ぼす影響、すべての核連鎖によって誘発される計り知れない危害
そして、民間原子力産業と軍事核産業との間の、切り離せない密接な関係(参照:http://chikyuza.net/archives/52594)について熟知しています。

私たちは、核兵器、および原子力に関する問題が、多くの国々において非常に政治的なものであること、
また、これらの核問題については、さまざまな政党や政治団体が、それぞれ多様な見解を持っている、ということを認識しています。
フクシマ原子力災害による健康影響や、原子力の民間使用、または核連鎖における他の部門について論じるとき、
私たちはあくまでも、影響を受けた人々の健康状態を懸念する医師として、また科学者として論じています

ドイツ支部から発信される出版物や声明文は、個人、団体を含めた誰もが利用できますし、私たちがそのことを禁止することはできません。
また、禁止するつもりもありません。
しかし、私たちは、これらの出版物や声明文を、自らの政治的利益のために利用しようとするような試みには、一切関わりたくないことを明言します。
私たちは、IPPNW ドイツ支部が、いかなる政治団体や政党とも提携していない医師団体であることを言明します。

私たちは、原子力、そして核兵器のない世界を目指して努力されている、世界中の全ての団体、および全ての方々の協力を歓迎いたします



福島の小児甲状腺がん症例数が100件以上に
22,000人以上の子どもたちに見つかった新たな嚢胞と結節

http://www.fukushima-disaster.de/information-in-japanese.html
2015年6月10日

2015年5月18日、福島県の甲状腺検査の、最新結果データが公表された。
その間、急速に成長した腫瘍や、または、転移が見られた甲状腺がん症例のある計103人の子どもたちが、手術を受けなければならなかった

それに付け加えて23人に、甲状腺がんの〝強い疑い〟がある、との診断が下されている
ここで懸念されることは、過去2年間の間に、解明が必要とされるような検査結果が、さらに増えているということである。
最初のスクリーニング(先行検査)においては、まだ何の甲状腺異常も検出されなかった22,837人の子どもたちに
今回の2巡目のスクリーニング (本格検査)で、嚢胞や結節が確認されたのである。

しかも、その内の235人に見つかった嚢胞/結節のサイズが、非常に大きかったため、さらなる解明が緊急に必要とされたのだった。
これまでの時点で、5人に新しいがん腫が見つかり、手術が行われた
これはもう、単なる「スクリーニング効果」だけで説明がつけられない、憂慮すべき現象である。

そして更に、日本全国で、甲状腺がん症例数がもっと上昇することが、予測されなければならない。
2013年のUNSCEAR報告書には、フクシマ原子力事故により日本国民が受ける甲状腺の集団預託実効線量は、【112,000人・シーベルト】になるであろうと推計されている。
この数値にしたがい、BEIR-VII報告のリスク係数【0.009/人・グレイ】を用いて算定すると、
およそ1,000件の甲状腺がん症例数を、予測しなければならなくなる
しかしながら、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)によって示された集団線量は、システマティックな過小評価に関わる数値であろうから、
おそらく、もっとはるかに高い症例数を、予測しなければならないだろう。


IPPNWドイツ支部は福島第1原発事故で数千人癌になり死亡すると報告した。

IPPNWのドイツ支部は、福島第1原発事故について3月3日に、ベルリンで記者会見を行い、
福島原発事故4年後に、福島の被災者達は、放射腺の原因で健康への影響が現れ始めた、と述べた。

福島第1原発事故の放射線の影響を調査する国連の科学委員会(UNSCEAR)は、日本で16000人が癌になる、と報告しているが、
放射腺が原因で、将来さらに9000人が癌になり死亡する、とIPPNWのドイツ支部は報告した

IPPNWドイツ支部は、UNSCEARの報告書での福島第1原発事故の放射腺の放出量は、日本原子力研究開発機構が提供したデータに基づいて計算しており
政府に影響されない独立した機関が計算した放射腺の放出量は、UNSCEARの報告書より高い量だと報告した。

IPPNWドイツ支部は、東電が、福島第1原発で働く労働者の内部被爆の放射腺線量について、信頼できない計算をしていることを、非常に懸念すると述べた。

IPPNWドイツ支部は、甲状腺癌は、放射腺による健康被害の小さい部分である、と報告した。
福島の子供達の、甲状腺の1次検査で、109人の子供達が甲状腺癌である、と確定した
109人の内87人の子供達は、手術をしている

IPPNWのドイツ支部は、福島の子供達の甲状腺癌は、予想した以上に高い状態であると述べた。
福島医大は、スクリーニング検査の効果で、甲状腺癌を多く発見したと述べた

2014年12月の、スクリーニングの1次検査で、福島の子供達の48.5パーセントに、結節や嚢胞が発見された。
2次検査では、57.8パーセントもの子供達に、結節や嚢胞が発見された。
12,000人の福島の子供たちのスクリーニングの1次検査では、甲状腺の嚢胞や結節が発見されなかったが、2次検査で、多くの嚢胞や結節が発見された。
11人の子供達の、甲状腺組織の針検査を行ったところ、8人の子供達が、急性の甲状腺癌になる疑いがある
この2年間で進行した甲状腺癌である。

甲状腺癌の発見は、もはや、スクリーニング検査の効果であると説明することはできないと、IPPNWドイツ支部は述べた。
スクリーニング検査は、福島県だけに限定されている

IPPNWのドイツ支部のAlex Rosen博士は、福島県の子供達の、甲状腺のスクリーニング検査の2次検査の結果は、非常に心配な状態であると述べている。

福島県の周辺の県は、甲状腺の検査は全く行われていない
福島県周辺の汚染された県は、多数の甲状腺癌が出る可能性があると、Alex Rosen博士は述べた。

Alex Rosen博士は、福島第1原発事故による長期的な健康への影響を評価するのは、時期的に早すぎると述べた。
なぜなら、原発事故の健康被害の結果は、少ししか出ていないからと述べた。
チェルノブイリの原発事故の経験に基づいて、今後数年間で、福島の子供達の甲状腺がんの数はより増加すると、Alex Rosen博士は説明している。
Alex Rosen博士は、福島の子供達の甲状腺癌は、放射腺被爆による健康被害の小さな部分であり
過去の原発事故の経験に基づき、白血病、リンパ線腫瘍、他の組織の腫瘍や心臓疾患、ホルモン異常や精神障害の発生率が増加する、と述べた。

Alex Rosen博士はまた、福島県や日本政府が、被災者達に真実を報道せずに、被災者達を放置しているので、将来に、被災者達の心理的な病気が出てくると述べた。