寒くなりました。今週、唯一かもしれない秋晴れに恵まれた昨日(18日)、浜松モザイカルチャー世界博2009を観たいという両親を連れて行ってきました。あと数日で終わってしまうんですよね。うっかり見逃すところ でした。
モザイカルチャー(立体園芸)というのは最初は西欧版盆栽?ぐらいにしか思ってなかったのですが、2004年の浜名湖花博のとき、そのスケールの大きさや芸術性にビックリし、それ専門の国際博覧会もあると知り、その後、浜松フラワーパークのテクニカルアドバイザーを務めておられた樹木医の塚本こなみ先生から、浜松で開催されるかもしれないとうかがい、長いこと関心を持っていました。
04年の花博は半年間の開催でしたから、春・夏・秋それぞれの花も楽しめるスケールの大きな博覧会。今回の立体花博はそれに比べると開催期間約2カ 月と短く、会場も浜松フラワーパーク内とコンパクトな博覧会です。さらに昨年来の景気悪化で出展者や協賛企業を集めるのはさぞ大変だったと思います。
04年花博と比べちゃ悪いよな…と思いつつ、実際に会場へ行ってみると、来場者からは「規模が小さいねぇ」「前の花博のほうが見応えあったなぁ」なんて声が漏れ聞こえてきます。・・・似たような博覧会が近い場所で立て続けに開かれたわけですから、比較するなというのが無理なんでしょうね。
私自身は、モザイカルチャーの造形美や、植栽の技術、管理の難しさ等、園芸の観賞ポイントに新たなファクターが加わって、とても興味深く観賞できました。
とくに北京市の「燕京鹿鳴」、モントリオール市の「木を植えた男」、静岡県出展の「紅 雲の雪景富士」などは、立体ならではの迫力とデザインの完成度からいって、本当にお金を払って観た甲斐があった!と感動モノでした。
中小さまざまな作品も、ただ作りっぱなしでなく、期間中、枯らさないように、形状が崩れないようにと、多くの園芸職人たちが、最後まで完璧な仕事をしようとしている、そんなプロ意識が感じられ、この博覧会は、観た目のスケールや規模では図れないものがあるなぁと実感しました。
モザイカルチャー自体は、地味な色彩が多かったのですが、途中で見つけた皇帝ダリア(ツリーダリア)の清楚な花が青空に映え、ひときわ印象に残りました。おかげでひとつ花の名前を覚えました。
浜松フラワーパークは、この博覧会開催で得たスキルを大いに活かして、今後もモザイカルチャーパークとしての強みを発揮してほしいし、家庭でも植物をこんなカタチで楽しむ文化を地元に根付かせ、舘山寺一帯で、街角に必ずモ ザイカルチャーのサインを置いたり、各家の玄関に表札がわりのモザイカルチャーを飾ったり・・・なんて発展すれば、面白い地域おこしになるのでは、と思います。とにかく一過性のイベントで終わってほしくないですね!
浜松モザイカルチャー世界博2009は、11月23日(月・祝)が最終日です。明日20日から最終日までは9時~21時まで観られますから、未見の方はお見逃しなく!