杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

祝!『カミハテ商店』静岡公開

2012-11-30 10:27:46 | 映画

 当ブログでも再三ご紹介した山本起也監督の『カミハテ商店』が、12月2日(日)、JR静岡駅前の静岡シネギャラリー・サールナートホールにて特別先行上映されます。年明け1月5日から静岡シネギャラリーにて公開になります。

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『カミハテ商店』特別先行上映会 (くわしくはこちら

◇場所  静岡シネギャラリー(サールナートホール) JR静岡駅前

◇時間  10時・13時・15時30分・18時35分

◇毎回舞台挨拶あり/山本起也(監督・脚本)、高橋伴明(プロデューサー)、水上竜土(脚本・出演) 

 

 

 私はすでに東京で観ており、今週末は京都に行くので2日の上映会は行けませんが、山本監督から送っていただいた資料の中で、惹かれた部分をご紹介します。2日は4回上映されますので、ぜひご都合のいい時間にお運びください! 

 

『カミハテ商店』山本起也監督インタビュー

 

■映画の立ち上がり

 2009年、私が専任を務めている京都造形芸術大学映画学科“北白川派”第3弾(注)をやらないかというお話を、現学科長の高橋伴明監督からいただきました。(中略)伴明監督から、学生が授業の中で書いた映画の企画を何本か渡されました。そこで一番気になったのが、日當遥と山口奈都美という2人の学生が書いたオリジナルストーリー『カミハテ商店』でした。

 隠れ自殺の名所となった断崖の近くで、寂れた商店を営むひとりの老女。訪れた自殺者は何故か商店に立ち寄り、アンパンと牛乳を買い求めます。しかし老女は自殺者を引き止める訳でもなく、ただ見送ります。しかも、翌朝断崖に行き、自殺者が残した靴を回収して来るのです。

 2人の学生が生み出した、千代という名の奇妙な老女に、私は何故か強く魅かれました。また、そこに込められた“人間はちょっとした人と人との心のつながりで変わる”というテーマに共感したのです。

 まず2010年2月に学生参加型のシナリオ合宿をやりました。そこで出た学生のアイディアを取り入れたり、共同脚本の水上竜土さんとも相談しながら脚本を煮詰めていきました。脚本と平行しながら撮影の準備を行い、2011年2月に撮影を開始しました。

 

 

■映画に描かれる自殺について

 脚本を作成している段階でさまざまなリサーチを行いました。中でも福井県・東尋坊で自殺防止活動をされている茂幸雄さんのお話は、映画に登場する人物の心理を描く上でとても参考になりました。

 いっぽうで、自殺者がなぜ自殺をするのか、その心理を追及することを作品の核とするのはやめました。むしろ、生きることについての映画を作りたいと考えました。何かをあきらめたり絶望している人間が、その人にとっての神様に出会い、変わってゆく。そんな話を作りたかったのです。『カミハテ商店』は、この映画をご覧になるひとりひとりの心の中にあるのだと思います。そういう意味では、この映画はファンタジーなのかもしれません。

 

 

■ヒロイン千代について

 千代はトルストイの短編『Where Love is,There is God.(愛あるところに神はまします)』の中に出てくるお話「靴屋のマルティン」の主人公を参考にしました。靴屋のマルティンが、日常生活の中でむしろ蔑んだり見下している人間こそが自分の神様だったと気づくお話です。千代にとっての神様は、牛乳配達の青年だったり、無口なバスの運転手だったと思います。企画のテーマである“ちょっとした心のつながりで人は変わる”ということを、自分なりにそのように解釈した、というわけです。

 

 

 なお、(注)北白川派とは、映画を通して新たな芸術運動の狼煙を上げるため、京都造形芸術大学映画学科から立ち上がったプロジェクト。学科が一丸となり、その全機能を駆使しながらプロと学生が共同で毎年1本の劇場公開作品を完成させ、発表していくものです。第2弾作品からは学生が配給・宣伝にも参加しているそうです。

 

●第1弾 『黄金花 秘すれば花 死すれば蝶』(08年公開) 木村威夫監督、原田芳雄・松坂慶子主演

●第2弾 『MADE IN JAPAN こらッ』(11年公開) 高橋伴明監督、松田美由紀主演

●第3弾 『カミハテ商店』(12年公開) 山本起也監督、高橋惠子・寺島進主演

●第4弾 『弥勒』(13年公開予定) 林海象監督、永瀬正敏・井浦新主演

●第5弾 福岡芳穂監督作品(14年公開予定)企画進行中


静岡県ニュービジネスフォーラムin静岡新聞

2012-11-29 14:12:20 | ニュービジネス協議会

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 本日(11月29日)付け静岡新聞朝刊15面に、8日開催の静岡県ニュービジネスフォーラムIN浜松の特集記事を載せました。当日の様子はこちらの記事でも紹介済みですが、今日の紙面では新たに基調講演の山口徹さんのお話を紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 山口さんは、千葉県の「柏の葉キャンパスシティのプロデュースを手がけたスマートシティのプロフェショナル。「エコ」やら「スマート」やらが持て囃される昨今、日本のトップ企業を取りまとめての街づくり大実験、というスケールの大きなお話でした。私自身は、ニュービジネス協議会の現地視察会に参加できず、聞き書き程度の理解しかないんですが、世界最先端のスマートシティづくりをオールジャパンで実現し、海外にまで売り込んでいくという、今まで聞いたこともない威勢のいい話に、胸沸き踊る心地がしました。

 

 

 

 

 

 利害の生じやすい民間企業を一つのベクトルに束ねていくのは至難の業だと思います。山口さんのようなプロデューサーの手腕に拠るところも大きいでしょう。今の政治もそうですね。日本人が本来持っていたはずの〈調整し、束ねていくチカラ〉が、今、本当に必要なんだと思います。

 

 

 

 山口さんの講演部分(抜粋)を再掲します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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戦略としての企業連携が求められるスマートシティ構想

山口 徹氏(イーソリューションズ㈱スマートシティ事業特別顧問)

 

 

 

 

世界の人口は現在約70億人。30年後には90億人になると言われています。そして世界的な流れで地方から都市部へと人口は集中し、生活水準はどんどん向上しつつある。中国では人口100万人都市が毎年15ヶ所も誕生している。電力需要とCO2の排出量は増加の一途です。なんとかしなければなりません。

 

日本は今、エコ技術の先端を走っていますが、携帯電話、液晶パネル、DRAMメモリ、ソーラー発電装置等のように世界シェアを失う可能性は高い。企業がバラバラではだめで、国家戦略として取り組む必要があります。

 

当社が手がける千葉県柏の葉キャンパスシティでは25社のトップ企業がジョイントベンチャーを組んでいます。目指すは、世界市場で戦えるオールジャパンのスマートシティ。①不動産開発、②基礎インフラ、③スマートインフラ、④生活サービス、⑤生活スタイル・文化・芸術という5層のパッケージで街の魅力を醸成します。

 

世界の都市開発は①に力点を置いていますが、実は④や⑤が重要です。ここをしっかり見せないと街の魅力は発信できません。ディズニーランドのように不動産会社の開発ながら、世界から誘致されるようなソフトを持たなければならないのです。

 

現在、当社のチームは国のバックアップを得て、ロシアの第二の都市サントペテルブルクのスマートシティプロジェクトを受注しました。オールジャパンの力を蓄えるには海外に進出するのも一つの手だと思っています。

 

東日本大震災の被災地・宮城県気仙沼の赤岩港エコ水産加工団地プロジェクトにも取り組んでいます。被災地はいまだに割れたガラス窓が放置されたビルや、裏庭に軽自動車がひっくり返ったままの家もある。神戸の復興は10年かかり、10年遅れの街になってしまった。被災後、どういう街を創るのかを平時から考えておくのも肝要です。

 


花と酒

2012-11-26 17:20:58 | 地酒

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 11月も最終週。今月は編集モノの締め切りがいくつかあってバタバタしてました。取材中に撮った、仕事では使わない写真の中に、いくつか捨てがたいカットがあったので、備忘録がわりにUPします。取材先の名前は、掲載前なので伏せさせてください。ごめんなさい。

 

 

 

 花の取材で某フラワーショップでのひとコマ。花って自然にこういう色になるんだから、本当にすごいですね・・・。

 

 

 

 

 

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 こちらは県内のトルコギキョウ生産者のハウス内。バラみたいだけどトルコギキョウの一種「オーブピンクフラッシュ」です。

 

 今、トルコギキョウは静岡県で、バラ、カーネーション、キクに次いで第4の生産量を誇ります。日持ちするし花の形や色もバリエーション豊富で、値段も安定していることから、県でも力を入れていくみたいです。

 

 

 

 

 

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 こちらはバラの生産者。ちょうど取材中、東京の皇居Imgp0911_2
前にある某有名ホテルから注文コール。すごいな~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トルコギキョウからバラのハウスへ移動中、時間が出来たので、途中にある『小夜衣』の蔵Imgp0883
元・森本酒造の陣中見舞いに。

 

 

 

 「ちょうどいいところに来たなあ」と、いきなり、釜場の掃除と洗濯を手伝う羽目に。蔵元杜氏の森本均さんが一人で造ってる小さな蔵で、(今年、県内の蔵元杜氏・ともに50歳前後が2人亡くなったので)森本さんの体力がとにかく心配でしたが、相変わらずと強がり口調&マイペースぶりに少しホッとしました。

 

 

 

 

 

 

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 森本酒造には、『もったいない卸し』『熱燗用・火の用心』『速廃仕立て~自作流速醸やめてみた』『絶対生厳守』等など、ユニークな期間限定酒がいっぱい。一度に呑み比べできないのが残念ですが、空瓶をこうして眺めているだけでも、酒呑みのハートを上手に釣る森本さんの”人たらし”ぶりが炸裂してますね(笑)。

 


東京新聞『暮らすめいと』久能山特集

2012-11-22 07:57:21 | 地酒

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 東京新聞の首都圏購読者40万世帯に配布されるタブロイド新聞『暮らすめいと』2012年12月号が発行されました。久しぶりに巻頭見開きの特集・鉄道の旅コーナーを担当し、久能山東照宮と生まれ故郷清水の見どころを紹介させてもらいました。

 

 

 

 

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 久能山東照宮をじっくり取材したのは、2007年の映画『朝鮮通信使』のロケ以来。案内してくれた権禰宜さんに当時の事を話したら、「覚えています、寒い日でしたよね~」と懐かしんでくれました。本殿内で、御神体の家康公に報告する・・・という趣旨で、林隆三さんに通信使の日記を朗読していただいたんです!

 

 

 あれから本殿の塗り替え作業があり、国宝指定となり、参拝客の増加はもちろん、最近ではスペイン国王から贈られた家康の洋時計が話題沸騰中。ロケ当時とは一味違う、華やいだ雰囲気に包まれていました。洋時計のこと、家康の外交実績の一例として映画で取り上げてもよかったな・・・と今になって反省しています。洋時計についてはこちらの記事もご参照を。

 

 

 グルメコーナーでは、どの店を取り上げるか本当に悩みました。今回取り上げた日本平~久能山~三保~清水エリアには県外観光客向けの新しいグルメスポットが数多くあり、甲乙つけがたいところ。最終的には、申し訳ないくらい趣味と独断で、JR清水駅近くの河良(かわよし)さんを選びました。夜しかやっていないし、ご存知の方はお解かりだと思いますが、店主の河本さんは、どちらかといえば職人気質で一本気で、隅々まで行き届いた接客サービスができる・・・というタイプではありません(河本さんゴメンナサイ)。

 

 

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 それでも、彼が提供する料理の素晴らしさと静岡の酒に対する深い愛情は、私が知る限り、“静岡県代表”として首都圏読者に情報提供するのに最適だと判断しました。加えて、店の紹介写真の中に、静岡の酒瓶をズラリ並べることで、酒のPRにもなるし、首都圏のこだわり酒徒ならばラインナップを見て興味を示す可能性大!・・・と目論んだわけです(河良の詳しい紹介はこちらを)。

 東京新聞の購読者しか読めない情報紙ですが、お知り合いに購読者がいたらぜひよろしくお願いします!

 

以下、本文(ノーカット版)を再掲します。

 

 

 

 

 

風景をアートにしたホテル、徳川家康が眠る国宝・久能山東照宮へ<o:p></o:p>

 

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 JR東静岡駅から日本平ホテル・ロープウエイ行きのバスに乗り、約20分。まずは今年9月にリニューアルオープンした日本平ホテルのラウンジで長時間移動の疲れをほぐした。ロビー真正面のテラスラウンジは、全面ガラス張りの向こうに富士山と清水港の絶景が広がる。まるで風景画のような美しさに息を呑む。それも道理で、ホテルは”風景美術館=日本平“をコンセプトにした設計とのこと。風景を楽しむだけでも価値がある。◇日本平ホテルTEL054-335-1131<o:p></o:p>

 

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日本平山頂と久能山東照宮を結ぶロープウエイで5分足らず。今回の旅のお目当てである久能山東照宮へ到着した。<o:p></o:p>

 

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東照宮といえば首都圏では日光東照宮だが、久能山東照宮は日光よりも19年前に建立された。1616年4月、静岡・駿府城で75年の生涯を閉じた徳川家康は「遺体を駿河の久能山に葬り、葬礼は江戸増上寺で行い、位牌は三河の大樹寺に立て、一周忌を過ぎたら下野の日光山に勧請して関八州の鎮守となる」と言い遺した。これを受け、二代将軍秀忠の命で宰相頼将卿を総奉行、名工・中井大和守正清を大工棟梁としてわずか1年7ヶ月という短期間で造営された。桃山時代の技法を取り入れた権現造、総漆塗、極彩色の社殿は江戸初期の代表的な建造物として知られ、400年余の今も創建当時の堂々たる姿を伝える。

名古屋城、二条城、仁和寺など中井大和守正清が手がけた建造物の多くが国宝に指定されており、また久能山東照宮が中井の生前最後の作品であることから、平成2212月、静岡県内の建造物では初めて国宝に指定された。御神体は家康本人、両脇に鎮座する相殿はなんと豊臣秀吉と織田信長。やはり歴史を動かしたこの三傑か・・・と感慨深かった。<o:p></o:p>

 

国宝指定を機に参拝客も激増した。取材に訪れた日も平日ながら団体客で賑わっていた。09年の富士山静岡空港の開港で、家康人気の高い中国・韓国の観光客も増えたという。拝殿の際は、先般の領土問題が長引かなければ、と祈らずにはいられなかった。◇拝殿参拝料大人500円<o:p></o:p>

 

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家康の洋時計が伝える海を越えた国際親善<o:p></o:p>

 

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 久能山東照宮社殿の奥には、神廟(家康の墓)がある。埋葬時はこじんまりしたほこらだったが、3代将軍家光が高さ5・5m、外回り8mの堂々とした石塔に造り替えた。廟は家康の遺言により、生まれ故郷の岡崎や京都のある西を向いている。

 

楼門まで戻り、脇にある久能山東照宮博物館を見学した。徳川歴代将軍ゆかりの宝物2千余点を有する日本屈指の歴史博物館。中でも話題になっているのが、徳川家康がスペイン国王フェリペ三世から贈られた洋時計である。

江戸幕府成立間もない1610年、スペイン領フィリピンの提督が乗った船が千葉県御宿海岸沖で遭難し、地元漁民が献身的に救護した。助かった乗組員は家康が三浦按針に作らせた帆船でメキシコまで送り届けた。その返礼に贈られたものである。家康はこの時計を大名お抱えの職人たちに見せ、これがきっかけで日本のからくり歯車の技術が発展したともいPhoto_4
われる。

 

今年5月、イギリス大英博物館の古時計専門家に鑑定してもらったところ、制作当事(1581年)のほぼ原型のまま、今も鐘の音が鳴る世界でも類のない時計であることが判明。ヨーロッパ技術発展史における貴重な遺産であると太鼓判を押された。博物館ではいつでも見られるので、東照宮を訪ねた際は必見である。

 

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 博物館を後にし、岐路は、久能海岸まで1159段の石段を下った。海に面した一ノ門は、元旦の初日の出スポットとして地元でも有名だ。明るい日差しと潮風を全身に受けると、ここを安住の地に選んだ家康公の、泰平を願う真摯な気持ちが理解できた気がした。

 

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温泉<o:p></o:p>

 

三保はごろも温泉天女の湯<o:p></o:p>

 

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日本平と並ぶ富士山の景勝地三保半島の名旅館『三保園ホテル』で、地区では初めて、2006年に天然温泉が開湯した。自家源泉掛け流し。海に近いため、塩分やミネラル分が豊富。入浴と昼食がセットになった日帰りコース(3500円・4200円)も人気がある。ホテルのすぐそばにある羽衣の松も必見。■日帰り入浴/大人500円(タオル別料金)■受付時間11時~21時■静岡県静岡市清水区三保2108 三保園ホテル内■TEL054‐334‐0111<o:p></o:p>

 

http:.//www.mihoen.jp■交通/JR清水駅よりバス「三保本町」下車、ホテルより送迎あり。<o:p></o:p>

 

■温泉データ<o:p></o:p>

 

○泉質/ナトリウム塩化物強塩温泉○泉温26・5℃○適応症/神経痛、筋肉痛、五十肩、冷え症、慢性消化器病、疲労回復。<o:p></o:p>

 

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味彩<o:p></o:p>

 

割烹居酒屋『河良(かわよし)』<o:p></o:p>

 

 

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JR清水駅から徒歩7~8分、清水税務署の裏手にある小さな割烹居酒屋。主人が駿河湾の桜海老、黒鯛、清水両河内の里の味など地元食材を手間隙かけて本格的な会席一品に仕上げ、しかもほとんどが500~800円というリーズナブルさ。料理に合わせて自慢の静岡の酒をチョイスしてくれる。筆者は日本酒の取材を続けて25年になるが、酒と料理の食べ合わせに関しては日本屈指の店といってよい。<o:p></o:p>

 

■静岡県静岡市清水区江尻東1丁目5-6 TEL054-367-9990 1730分~2330分 日曜定休 *予約すれば日中や日曜もOK<o:p></o:p>

 

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おみやげ<o:p></o:p>

 

久能山東照宮謹製 東照公の遺訓扇<o:p></o:p>

 

Photo_7「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し・・・」で名高い家康の遺訓が書かれた扇。2000円●久能山東照宮社務所/TEL054‐237-2438<o:p></o:p>

 

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国宝久能山東照宮献上米・JA御殿場こしひかり<o:p></o:p>

 富士山のお膝元御殿場は静岡県屈指の米どころ。久能山東照宮の国宝指定記念にJA御殿場から限定発売された。450g500円●久能山東照宮社務所/TEL054‐237-2438<o:p></o:p>

 

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万年青(おもと)Photo_9<o:p></o:p>

 久能山東照宮の社殿装飾にも描かれた日本の伝統的な観葉植物。万年青々として縁起が良いことから、家康公は江戸入城の際にも持参したという。社務所前に日本おもと協会の展示即売コーナーがある。一鉢1000円~●久能山東照宮社務所/TEL054‐237-2438<o:p></o:p>

 

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河良の特製桜えびおにぎり

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割烹居酒屋河良の隠れ人気メニュー。衣を着けて繊細に揚げた桜えびをごはんに混ぜ、ひと口大に握った。土産用は8個750円●河良/TEL054-367-9990<o:p></o:p>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交通費(品川―東静岡(清水)往復5880円<o:p></o:p>

首都圏から静岡方面までJRの在来線を利用する際は熱海で乗り換えとなる。接続はスムーズだ。JR東静岡駅から日本平方面へのバスは本数が少ないので事前に問い合わせを。なお日本平ロープウエイは1210日から23日まで設備点検で運休となるため、久能山東照宮にはJR清水駅からバスで久能山下まで行き、1159段の石段を登る。◇しずてつジャストライン(バス)0120―012―990。◇日本平ロープウエイ054―334―2026<o:p></o:p>

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久能山東照宮博物館<o:p></o:p>

久能山東照宮が所蔵するすべての宝物類を保存展示。徳川歴代将軍の鎧、兜、刀剣、書画類など500件2千余点を数え、国宝・重要文化財185件を有する。なお平成25年2月20日から9月30日まで改築工事で休館となるので要注意。○9時~16時○入館料一般400円(社殿参拝共通券800円)○無休○久能山東照宮社務所電話054‐237‐2438<o:p></o:p>

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龍華寺<o:p></o:p>

久能山東照宮よりバスかタクシーで約10分、家康の側室お万の猶子・日近大僧都が開いた日蓮宗の寺。富士山を愛した僧都らしい観富の庭で知られる。「滝口入道」の文豪高山樗牛もこの地に眠る。庭園の大蘇鉄と大サボテンは国の天然記念物。○拝観料300円○TEL054‐334‐2858<o:p></o:p>

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鉄舟寺<o:p></o:p>

飛鳥時代に藤原家出身の久能忠仁が久能山に建立。奈良時代に行基が久能寺と号して栄えたが、武田信玄が久能山に築城するために移転し、江戸後期以降は衰退。明治になり、静岡藩に勤めた旧幕臣の山岡鉄舟が再興し、鉄舟寺と改めた。龍華寺から歩いて10分○拝観料300円○TEL054-334-1203<o:p></o:p>

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祝大臣賞!掛川城南茶業組合の出品茶づくり

2012-11-19 09:01:53 | 農業

 11月17~18日と掛川で『第66回全国お茶まつり』が開催されました。私は17日の大会式典と研究報告・パネルディスカッション・鼎談の取材に行きました。あいにくの悪天候で他の会場の催事をはしごする時間もなく、式典会場の掛川市生涯学習センターにまる一日缶詰状態でしたが、単独品目で66回も全国大会が開かれる「お茶」という農産物の大きさをあらためて実感しました。数ある農産物の中で、生産者の全国組織があるのは20数品目しかないそのうちのひとつで、戦後の昭和22年から全国大会が始まって、ちゃんと続いているというのは「お茶」だけなんですね。

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 午前中の大会式典のハイライトは、全国茶品評会の褒章授与式です。茶産地21都府県から833点が出品され、20名の審査員が8月27~31日に静岡茶市場にて審査を行いました。

 

 

 すでに結果は報道されていますが、個人的には、品評会審査のひと月ほど前に、県広報誌ふじのくに(電子版はこちらを)で取材した掛川城南茶業組合が、深蒸し煎茶の部で農林水産大臣賞(最高賞)を受賞されたことがひときわ感動的でした。日本酒と同様、お茶もコンテストに出品するためには特別仕様で手間と労力がかかるんですね。産地としては規模の小さい城南茶業組合は、以前は流通業者さんが言うがままのお茶づくりだったところ、品質を上げ、ブランド力をつけようと、産地一丸となって出品茶づくりに挑戦しました。それは、静岡酵母で酒質向上に努めた静岡酒の歴史を聞いているようでした。

 

 以下、『ふじのくに』用に書いた拙文を再掲します。

 

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健康情報番組で火が付いた深蒸し茶ブーム<o:p></o:p>

 

 2011年1月にNHKの情報番組で「人口10万人以上の市町でがん死亡率が全国一低い」「医療費が全国平均の4分の3」「その理由はお茶を良く飲むこと」と紹介された掛川市。地元で作られる深蒸し茶が俄然注目を集め、緑茶の持つ優れた効能にも改めてスポットがあたった。

 

深蒸し茶は、製茶工程において、茶葉の蒸し時間が通常よりも2~3倍長くする。長く蒸すことによって生茶葉のエキスが多く抽出され、濃厚な香りや甘味、深く鮮やかな緑色が楽しめる。カテキン等の有効成分もより豊富に取り込めるというわけだ。この深蒸し製法は明治期に牧之原で手揉み製法の一環として生まれ、昭和30年代に牧之原台地とその周辺一帯に広まり、掛川でもさかんに作られている。

 

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小さな産地の大きな挑戦<o:p></o:p>

 

掛川市南部の上内田地区。なめらかな丘陵地に広がる茶畑で、12名の農家が質の良い深蒸し茶づくりに励んでいる。小さな産地の生き残りをかけ、1990年、農事組合法人掛川城南茶業組合を結成し、共同製茶工場を設立。2003年には県知事より環境保全型農業=エコファーマーの認定を受けた。代表理事の鈴木勇さんは「エコ栽培は生産量が落ちるが、消費者への信頼に応えることができる。産地としての姿勢を示したい」と組合員全員の取得を実現させた。

 

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2009年には初めて組合として茶の品評会に出品。いきなり関東ブロック茶の共進会で農林水産大臣賞、静岡県茶品評会で県知事賞を受賞した。翌2010年には関東ブロック茶の共進会で2年連続大臣賞受賞に加え、奈良県の平城遷都1300年祭会場で行われた全国茶品評会でも見事、農林水産大臣賞を受賞した。 2011年には産地化に向けた取り組みや運営が高く評価され、農林水産祭の蚕糸・地域特産部門で内閣総理大臣賞に輝く。品評会に出品を始めてわずか3年での快挙に、関係者は大いに沸いた。

 

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品評会受賞で証明された茶づくりの技<o:p></o:p>

 

すべて手摘みで製茶工程にも気を抜けない出品茶づくりは、人手の少ないこの地区の農家には負担が大きい。「茶商からも“出品茶づくりに労力をかけるより、その分出荷に回してほしい”と言われ、品評会とは無縁の茶づくりを続けてきた」と振り返る鈴木さん。掛川地区は新茶の出荷時期が県内他地域よりも若干速く、その分、値崩れも早いため、新茶の時期は出荷に全力投球せざるをえないという地域の特性もあった。

しかしながら、茶の消費低迷や産地間競争の激化等茶を取り巻く環境の変化を受け、茶商からも理解と声援を得て、組合として出品する茶を専用に栽培する畑を設け、一丸となって臨んだ品評会。「長年、産地を上げて出品茶づくりに努力する生産者がいる中、中途参入の我々がそう簡単に取れるとは思わなかった」と言う鈴木さんだが、短期間での連続受賞に、この地で長年培ってきた深蒸し茶づくりへのゆるぎない自信を実感した。

 

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 組合工場から少し離れた出品茶専用の茶畑で、茶樹の状態を確認する鈴木さん。「実際に出品茶にするのは、この茶畑全体の1割程度。ぜいたくかもしれないが、出品する以上は上位入賞できる茶にしなければ意味がない」と競技者のような目になった。

 

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小さな産地が自主自立を目指し、エコファーマー認定や出品茶づくりに果敢に挑戦し、期待以上の結果が付いてきた。そして思いがけない“深蒸し茶ブーム”。掛川茶を支えているのは、彼らのようなアグレッシブな生産者集団である。

 

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◆鈴木勇さん(掛川城南茶業組合理事長)<o:p></o:p>

 

 

「よい深蒸し茶にするには、茶芽の数をあえて減らし、茶樹を太くたくましく育てる。葉肉の厚い健康的な茶葉をみるいうちに(注)採って蒸すと、ものすごく美味い茶になります。エコファーマーによる上質の深蒸し茶は、健康飲料としての自信をもっておすすめできます」

 

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農事組合法人掛川城南茶業組合 静岡県掛川市板沢1147 TEL・FAX 0537‐23‐6227 <o:p></o:p>

 (注)みるい=静岡の方言で、若く未熟で柔らかい状態を指す。<o:p></o:p>

 

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 17日は、授賞式が終わった後、昼の休憩時間に鈴木さんたちにお会いできることができ、遅まきながら受賞のお祝いを伝えました。取材のとき、日本酒の話でも盛り上がっていたことを思い出してくださったのか、「お酒の試飲会場(別会場で開催した誉富士の酒試飲会)に行くんじゃないの?」と冷やかされましたが、他の産業を深く知り、比較対象することで、あらためて日本酒の世界の魅力や深さや課題が見えてくるような気がしています。お茶はその意味でとても偉大な“教材”だと思います。

 

 ちなみに、日本茶業中央会会長の榛村純一会長がこの日、紹介された“茶業振興策の5路線”、日本酒はじめほかの農水産物振興にも通じるものがあると思います。

 

 

①「和産・和消・和食路線」

私たちは理想の目標として、「お米100キロ、お茶2キロ、お魚60キロ」の和食を呼びかけ、国土や日本人らしさを守りつつ、お茶を2キロ(1日6グラム・茶碗10杯)以上を愛飲する緑茶健康人間を顕著に増やす運動を展開します。

 

②「機能・効能、長寿路線」

お茶は健康長寿・予防医学効果が大きいので、これをわかりやすく一般消費者に説明徹底できるテキストの最新版『茶の機能』を来春までに出版し、これをすべての茶業者が熟読し、「知らなきゃソンするお茶のこと10のヒミツ」で2キロ以上の茶愛飲家を顕著に増やします。

 

③「文化・美学、癒し路線」

お茶には文化的・美学的に優れた文物、行事、伝統があり、高級茶をたしなむ人をふやす運動は、人生を価値あるものに高め、日本人をゆとりと癒すの民族にし、もって、やさしい、平和な人柄、国柄を築きます。

 

④「食育・撫育・徳育路線」

戦後日本の教育は、知育・体育のみで、徳育を言わぬ道徳アレルギーでした。これを正すには、子どものときから喫茶習慣や茶の間・茶器・茶道具を愛撫し大事にする「撫育」を「食育」とともに行い、合わせて徳育を構成し、徳を高めることが効果的です。

 

⑤「エコ・倫理(エシカル)愛郷路線」

生産面では生態系と有機性を大切に、茶園と風土を美しく守り、お茶を安全安心なエシカル商品に価値アップし、生産技術と愛郷心でふるさと・里山を磨き上げていく運動をすすめます。