杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

備えなしの後悔

2009-08-11 16:23:12 | 社会・経済

 今朝の地震、びっくりしましたよね。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。我が家は静岡市内でも地盤が弱いといわれる地区に立つ古いマンションの3階なので、とんでもない揺れで、「すわっ!東海地震ホンバンか?」とビビりまくりました。

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  寝ていた寝室はタンスの上のカラの段ボールが落ちてきたぐらいで問題ありませんでしたが、仕事部屋兼リビングはこの有り様。酒器をコレクションしていた食器棚もこの状態・・・。へなへな凹んでしまいました。

 いつも起きるとすぐにトイレに行くのですが、さすがに今朝は、水がとまっていないかどうか、まずDsc_0002台所の水道の蛇口でチェックしてからトイレでひと呼吸し、次にパソコンが起動するか確認し、テレビのリモコンが見つからないのでと りあえずラジオで情報チェック。

 

 

 床に散乱したガラスや陶器の破片を拾い、本棚をなんとか元に戻して足場を作り、とにかく目についたものから片付け始め、書類の下に埋もれていたテレビのリモコンをやっとゲット。スイッチをつけたらなぜか朝っぱらから聞き慣れた声が聞こえてきます。「あれっ?」と画面を見やったら、みのもんたの朝ズバで、磯自慢酒造の寺岡社長が電話インタビューされているじゃありませんか! みのさんと寺岡さんの会話なんてシュールだなぁと笑いがこみあげてきましたが、震源地に近い磯自慢の蔵がびくともせず、みな無事だったとわかってホッとしました。

 

 新潟でも宮城でも、地震のニュースで酒蔵がダメージを受けた画ってお決まり映像で出てくるじゃないですか。その意味で、寺岡さんの大丈夫メッセージは、静岡県民の防災意識の高さを全国に知らしめてくれたわけです。番組でもスタジオのコメンテーター諸氏が感心した様子で、我が事のように誇らしく思いました。

 

 

 一方、我が家の無残さに目を転じると、はぁ~っと溜息ばかり。電話が鳴っても、受話器がどこかに埋もれていて見つからずじまい。携帯も行方不明です。

 やっと受話器が見つかって、今日、三島の佐野美術館へご一緒する予定だった北村欽哉先生に電話するもなかなかつながらず。10時過ぎにやっとかかって予定キャンセルの確認。昼前に携帯がやっと見つかって留守電やメールでお見舞いコールをくれた県外の方々に返信しました。

 昼になって市内の実家の親から電話が来て「うちは全然モノも落ちなかったし平気だったよ~」「あんたのところは地盤が弱いからねぇ」とあっけらかんと言われ、午後、お世話になっている広告会社の方からお見舞い電話が来た時も「我が家もテレビの上の造花の置き物が落ちたぐらい」と言われ、そういえば北村先生も、まったく異変なしだったと言われたことを思い返し、うちだけかよ~とよけい落ち込んでしまいました(苦笑)。

 

 ・・・そんなこんなで15時過ぎぐらいまで部屋の散乱物と格闘し、ヘトヘトになってやっと食事。どうせなら不要な本や雑誌や書類をこの際処分しようと、仕分けしながら片付けたのでやたら時間がかかってしまいました。

 

 外を見るとふだんとまったく変わらないし、テレビやラジオが通常番組になっているのを観ると、非常時から日常へと気持ちが切り替わってきます。

 まだ片付け終わってはいませんが、こうしてブログを書くことで、日常感覚に戻り、気持ちが落ち着いてくるようです。

 

 

 それにしても、改めて備えあれば憂いなし・・・で、家具の転倒防止対策、重要だと実感します。片付け書類の中から出てきた全日本地震防災推進協議会のパンフレットが、今日のイチバンの収穫物です。