ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

日本の男たちよ、ロゼワインを飲まないの?@LOVE ROSÉ試飲会

2016-05-27 16:03:10 | ワイン&酒
5月25日、私が世話人を務める「LOVE ROSÉ」試飲会(業界関係者対象)が、都内で開催され、多くの方にご来場いただきました。



集まったのは、出展20社、世界11カ国(フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、スイス、ブルガリア、レバノン、ギリシャ、イスラエル、オーストラリア、日本)の50超えのスティルタイプのロゼワイン




日本では、スパークリングロゼは人気が高いですが、泡のないスティルタイプのロゼワインとなると、手を出さない人が多いのはなぜでしょうか?

ロゼを飲まない傾向は、特に男性に多いように思います。

欧州ではロゼワインはごく普通に飲まれ、フランスでは購入されるワインの4本に1本がロゼワインです。

私も仕事柄、ヨーロッパのワイン産地を回ってきましたが、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ギリシャなどでは、ロゼワインは幅広い年齢層が、男女にかかわらず、ごく普通に楽しんでいましたし、英国でも、北欧でも、アメリカでも、ロゼワインはブレイクしています。

日本も空前のワインブームだと思いますが、ロゼワインに関しては反応が鈍いですよね。

今回の試飲会の開催に際し、輸入元各社にお声をかけさせていただきましたが、
「ロゼは縮小方向」、「出せるロゼのアイテムがない」などのご回答がありました。

また、日頃から料飲店などにロゼの動向を訊いているのですが、
「ロゼは売れない」、「白ワインの次は赤を飲む人が多いので、ロゼの需要がない」と言われたりもします。

日本では甘いロゼワインの輸入から始まった、という歴史的な背景も影響していると思います。
現在のロゼワインの認識は、こんなルーチンではないでしょうか?

ロゼは甘くて中途半端 → 初心者や女性が好むもの → ワイン通やいい大人が飲むものではない
→ 市場の需要がない → 輸入しない/店に置かない/勧めない → ロゼワインが飲まれない





よく考えてみてください。
ヴァレンティーニのチェラスオーロ・モンテプルチャーノ・ダブルッツォ(伊アブルッツォ)は、取るに足らない中途半端なロゼワインでしょうか?
シモーヌ(仏プロヴァンス)のロゼは?ミュザール(レバノン)のロゼは?



今回の試飲会では実に多彩なロゼのスティルワインが紹介されました!


ロゼワインといっても、アペリティフや普段の食卓で気軽に飲めるものから、ガストロノミーに合わせたいしっかりした構成のもの、瞑想(Meditation)のワインと、非常に幅広く存在します。
ブドウ品種も、つくり方も、色も味わいもさまざまです。


白ワインにしか見えないほどごく淡~い色調のロゼ(左端)


アンフォラ造りのイスラエルのロゼ(左端)



試飲会当日に発表されたシャトー・ミュニティー(仏プロヴァンス)のトップ・キュヴェは 9,000円!
世界のセレブたち御用達のロゼワインもあります。


白ワイン、赤ワインに比べて、ロゼワインが劣る点はあるのでしょうか?


今年2月に南仏モンペリエで開催された「Vinisud」に関するリポート「なぜ日本ではロゼワインはほぼ桜の季節限定なのか?」 の中で、世界のロゼワイン事情について書きました。

ロゼワイン消費
は、若い世代も多いですが、ワインを色々と飲んできたオトナ世代も多いんです。

つまり、いいワインの楽しみ方を知っているオトナは、ロゼワインの飲み方も心得ています。


日本のワイン飲みは、ブルゴーニュの生産者やシャンパーニュのメゾンに詳しいほど賞賛されたりするので、頭でっかちになりがちです。
ディテールにまでこだわり、知識の点では、さすが日本人だと思いますけれど。

ですから、知識をひけらかす部分が非常に少ないロゼワインは、日本では興味の対象外なのかもしれません。

そして、その傾向は、男性に顕著なように思います。

一方、情報取集力に長け、柔軟で、共感型の性質を持つ女性は、男性よりも柔軟にロゼワインを受け止め、楽しんでいるように思います。


そう、問題は「男性」では?

「ロゼは売れない、売りにくい」と言っているのも、男性たちです。

ワイン先進国では、オトナの男たちがロゼワインを日常的に素敵に楽しんでいるのに、

日本の男たちよ、なぜロゼワインを飲まないの?

日本の男性たちのロゼワインに対する意識が変われば、日本でのロゼの立場が大きく変わるように思います。




試飲会には男性の姿の方が多く見られました。
プロフェッショナルな男性方には、ロゼワインの魅力が伝わったと思います。




LOVE ROSÉ プロジェクトは、2011年の東日本大震災をきっかけに始まりました。
震災で暗く沈んでいる日本を、ロゼワインの持つピンク色のパワーで元気にしよう!ということで、2011年6月3日に初めてLOVE ROSÉ試飲会が開催され、その取材を私が担当したことが、LOVE ROSÉとのかかわりのきっかけとなりました。

LOVE ROSÉ 2016試飲会【
出展者】(50音順) ※敬称略
株式会社 kpオーチャード、有限会社朝日町ワイン、株式会社岩の原葡萄園
株式会社ヴァンクロス、ヴァンドリーヴ、株式会社オーレジャパン、株式会社キムラ
サッポロビール株式会社、ジェロボーム株式会社、シャトージュン株式会社
杉山商事株式会社、株式会社セトワイナリー、高畠ワイン株式会社、Namdar Wines
株式会社ニューニチブ、株式会社メルカード・ポルトガル、モンテ物産株式会社
Mont Ferrat Trading、株式会社横浜君嶋屋、株式会社恵比寿ワインマート「ラ・ヴィネ」

出展各社の皆さま、ご協力ありがとうございました!



2016年6月10日には、一般愛好家対象のロゼワインパーティーを開催します。
その際にも、上記各社のロゼワインが登場いたします。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください


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