「ラストデイズ」 (2005年・アメリカ)
監督・脚本:ガス・ヴァン・サント
出演:マイケル・ピット/ルーカス・ハース/アーシア・アルジェント
ニルヴァーナを聴き込んだわけでもなく、カート・コバーンのファンでもないので、残念ながらとても退屈に感じてしまった。1994年に自殺したニルヴァーナのリーダー、カート・コバーンの死に衝撃を受けたガス・ヴァン・サント監督が、一人の人気ミュージシャンを主人公に据えて、死に至るまでの二日間を淡々と描いている。主人公のブレイク(マイケル・ピット)は、麻薬の更生施設を抜け出して森の中の別荘へたどり着く。そこには彼の取り巻きの音楽仲間が住んでいるが、ブレイクはこれといった接点を持つことなく、孤独な死へと突き進んでいく。キッチンで一人軽食を作ったり、ギターを弾いたり、森を歩き回ったりしながら、彼の中で死が少しずつ醸成されていく過程を見るのは、つらい。主演のマイケル・ピットは「パゴタ」というグループを率いるミュージシャンだそうで、映画の中で「Death to Birth」という自作の曲を熱唱している。この曲の歌詞が、死へと赴くブレイクの心を率直に語っているように感じられた。残念ながら歌詞そのものは覚えていないので、映画で流れるもう一つの曲、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「毛皮のヴィーナス」を引用してみる。なぜ、この曲が使われたのかはわからないが、歌詞の一部にブレイクの死の予感を読み取ることができる。
「I am tired, I am weary/I could sleep for thousand years/A thousand dreams that would awake me/Different colors made of tears.」
(ぼくは疲れてうんざりだ/千年だって眠れるくらい/ぼくの眠りを覚ますのは千の夢/涙はいろんな色でできている)」。
生を倦む孤独なミュージシャンは、きっと眠ってしまいたかったのかもしれない。映画の中でブレイクが動くと、時々水音がする。死にゆく者だけが立てることのできる音だったのだろうか・・・・・・。
満足度:★★★★★☆☆☆☆☆
トラックバック&コメントありがとうございました。
疲れてる時に観たら確実に寝ちゃう作品でしょうね(笑)
同監督の「ジェリー」という作品よりは観やすかったけど・・・。
マイケル・ピット好きにはたまらない作品でした。
「ロスト・イン・トランスレーション」も良かったですよね。
「マリー・アントワネット」も公開されましたね!!
早く観てみたいです。
つい見てしまいましたが、眠気をこらえるのに
苦労しました(笑)
マイケル・ピットはカート・コバーンに雰囲気が
よく似ていて、歌もすばらしかったですね。
ソフィア・コッポラの描くアントワネットは
きっと一味ちがったものになると期待してます。
楽しみです。