Fish On The Boat

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『カラマーゾフの兄弟 上中下』

2009-05-13 23:09:39 | 読書。
読書。
「カラマーゾフの兄弟 上中下」 ドストエフスキー 原卓也訳
を読んだ。

ついに、この大作を読みました。
芥川賞作家の金原ひとみさんが、上巻を読むのに4ヶ月かかったとか
中巻の帯に書かれていました。最初はつまらない、と。
でも、僕は読んでみて、そんなことはなく、初めから面白く読めました。
これからどう物語が展開するんだ?という興味をひかれるんですよね。
俳優のきたろうさんの息子さんはこれを読むのに半年かかったとか
『ほぼ日』で読みましたが、僕みたいな「今、自由人」にさえ、
読むのに1ヶ月ちょっとかかったのだから、それくらいかかるものかもしれません。

面白かったですよ。著者がもしも死ぬことが無かったなら、
第2部もあったようなんで、それが読めないのが残念。
解説を読むと、小林秀雄さんが、第1部だけでも続きが考えられないほど完成されている
みたいなことをおっしゃったようで、未完というほど物足りなさは感じません。
ドミートリイ、イワン、アリョーシャという三人兄弟。
僕は誰に一番ちかいだろうかと考えてみましたが、イワンやアリョーシャほど、
頭が良くない。じゃ、消去法でドミートリイかということになります。
たしかに、僕の心の奥底にはドミートリイのような、放埓な部分があります。
小学4年生のころに、一つの上の学年ですが、神奈川から引っ越してきた
友人がいました。そのころの僕らには思いもつかなかったような、金遣いの荒さ、
活動的な遊び人気質に、価値観に大きな影響、それも破壊的な影響を与えられましたが、
そんな彼を思い出させる人物でした。そういう人っているんだよなぁ、と。
また、無神論など、神に対する考察とかいろいろな思想的な言い合いとかも
あるんですよね。犯罪について、真実を知ることの難しさなんかもある。

数年前に、東大の教授にアンケートをとって、学生に読ませたい本はなにか、
というのがありました。その第一位がこの『カラマーゾフの兄弟』でした。
歴史に残る大作、重要文学の一つですね。
じっくり読書をしたい人にはおすすめです。
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