まさおレポート

ナポリ紀行1

アル・カポネはナポリ移民の家に生まれた。

マフィア・カモッラによる影響が強い都市。

ナポリを見て死ね「日光を見ずに結構と言うな」で人々に知られ、

ソフィア・ローレンが幼少期にナポリ近郊ポッツオーリで育つ。

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが生まれた街。

そして治安の悪いことで有名なナポリ。

そんなナポリをちょっとだけ味わうにはナポリ国立考古学博物館が最適だと判断してシチリアの帰りに寄ってみた。

ナポリを港から見る。客船で早朝に着いたので朝もやがかかっているナポリだ。丘の上の遺跡群が気になる。

イタリアを代表するナポリ国立考古学博物館はファルネーゼ家の膨大なコレクションを収集したギリシャ・ローマ時代の作品群、ポンペイやエルコラーノ遺跡からの発掘品、宝石やエジプトの美術品までと幅広い古代作品群を揃える。ファルネーゼ家はイタリアの貴族でローマ教皇、枢機卿、パルマ公などを出したことで知られ、14世紀から近世のブルボン王朝まで続く貴族だ。

これはファルネーゼ家の紋章で巨大な家にしてはシンプルな紋章だ。

ナポリ考古学博物館、銀の浮彫のメタル杯。実体がない形の影が出来ている。だれかこの謎が解けますか。12年間考えている?がいまだに謎が解けない。光線の物理学に背いているように見えるが。

銀の食器に見えるがどうも違う。化粧に使用するファウンデーションの粉を入れるものかもしれない。プリンの型みたいなものもある。

銀の鏡か。持ち主の横顔がレリーフされているのかもしれない。

銀のスプン。持ち手が現代のものに比べて小さいな。

ローマの布告官が巻物を掲げている。市民に布告を通知しているのだろう。

ファルネーゼの雄牛(Toro Farnese 大理石彫刻 第16室)ローマのカラカラ浴場からの出土品。左手前の女性に嫉妬した妻が牡牛をけしかけたら、二人の男性が助けに入る。嫉妬は古今東西の芸術家を刺激する永遠のテーマだが、助けに入る男の真剣な様も古今東西変わらない。 

ファルネーゼのヘラクレス(Ercole Farnese 大理石彫刻 第12室)はローマのカラカラ浴場からの出土品。日本に伝来して仁王になった。バリにも棒をもつ守護神が目につく。つまり世界標準になった守護人像だ。

ヘラクレスの背からみた像で、右手に石の玉を持っているのが見える。武器として投げつけるのだろう。

槍を構えるローマ兵士。純白の大理石で優美だ。当時の日本はどんな姿の兵士がいたのか比較すると面白いだろうな。

右手に花束を持つ女性。

左手に花束を持つ美しい女性。

エジプトの女王クレオパトラ風。

胸部に多数の卵形の装飾を付けた外衣をまとっており、あたかも「多数の乳房を持つ」ように見える女神像アルテミス。植物の豊穣や多産を管掌する地母神としてのアルテミス崇拝で、古代ギリシアの処女女神アルテミスとは異なっている。ややグロテスクな感がある。

メナンドロスの喜劇(Commedia di Menandro) 道化師の楽隊。モロッコのサハラ砂漠でみた楽隊と似ている。下の写真はモロッコサハラ砂漠で撮ったもの。腰のひねりと手の動きに普遍性がある。

サハラ砂漠で演奏する70歳過ぎの老ミュージシャンは笛を吹き背後で演奏する3名はそれぞれの大きさの打楽器を叩いている。こうしてみると古代から地中海や北アフリカで笛と打楽器が基本になっていることがわかる。それにしても右上の月そのものが砂漠風だ。


2000年前の飼い犬も現代と同じ首輪と引き綱を使用している。こういうものは何年経っても進化しないことを確認した。そういえばシチリアのとある街の住居の玄関にもこのモザイクのコピーがかけてあった。そのころ流行った定番のモザイク画なのかもしれない。ポンペイ出土品で大理石のモザイク画だ。

モザイク画の豹がリアルに描かれている。手で杯を押さえているのはなにかの寓意か。

タイルモザイクのテーブル。文様がシャープに残っており新鮮だ。脚部もライオンの頭部と脚部が垣間見える。

タイルモザイク画 当時の市民が食べていた蛸、ウツボ、伊勢海老、鯛など海の幸。伊勢海老を捕まえる蛸が中心に描かれている。しかしこの硬い殻で覆われた伊勢海老を蛸はどのように食べるのか、そちらに関心が移ってしまう。

蛸の右下に靭の姿が。いずれもローマ人には垂涎の的の食材だ。

鯛のように鋭い背びれを持つ魚。白身で旨そうだ。

これはモロッコのボルボリス遺跡の魚のモザイク画でローマ帝国遺跡の両者の共通点は魚だ。それだけ当時の人々が好んだということだろう。

アレクサンドロス大王イッソスの戦い。紀元前336年ピリッポス2世の息子アレクサンドロス大王がペルシア遠征、紀元前333年イッソスの戦いでペルシア王ダレイオス3世を破り、アルベラ・ガウガメラの戦いでダレイオス3世のペルシア軍を破る。大理石を5.82m×3.13mの床にモザイク画として並べたのがポンペイから出土した。

ペルシア王ダレイオス3世のアップ画像。

アレクサンドロス大王のアップ画像。手下は堅牢なヘルメットを被っているが、アレクサンドロス大王自身はヘルメットもつけないで戦いの先陣に立っている。これは類稀な勇気と強さを表している。

子豚の彫像の表情が可愛い。

子豚の彫像正面。これもペットではなく食材として描かれているに違いない。

考古学博物館日時計の間の天井フレスコ画。床に日時計として描かれた帯状のタイル画が。

考古学博物館内部、モザイクの柱。レンガの柱に巻きつけるようにモザイク画が。

考古学博物館通路。巨大な石棺か。

考古学博物館庭。おそらく未整理の発掘品が無造作におかれていることで返って収蔵品の豊富さが偲ばれる。

考古学博物館庭、無造作に置かれた未整理の考古物。

考古学博物館庭の巨大な水盤。左部には龍頭が右部には尾が。

2017-04-29 初稿

2018/5/20 加筆
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