埼玉県羽生市にある、木村歯科医院 歯科医師の篠崎です。
今日は月に一度の矯正診療日でした。
本ブログは診療日更新が暗黙のルールなので、本日は特別編です。
題して『プロジェ○トエックス「ケン○ン(通称ケソケソ)誕生秘話」ーある歯科医師の艱難辛苦ー』をお送りいたします。
そのプロジェクトは、副院長の鶴の一声(
またの名を「突拍子もない思いつき」)から始まった。
「今年はケ○ケン!」
その瞬間から一人のおとこたち(あれ?)の過酷なドラマが幕を開けたのだった。
プロジェクトエェーーーックス!
極秘裏に医院へ搬入されるLED製ロープライト。
副院長っぽいだれかさんがヤフオクで落札してくれたものだ。
「篠崎先生のイマジネィションを膨らませるためには、いかなる物質的援助もおしまなぁ~い!ほぉら、今シーズン一番人気のLED製ロープライトだぁ!チョ~人気なんだぞぉ!でも、金銭的・時間的援助を期待してはならなぁ~い!傑作とは、けがれなき愛と献身的な努力によってのみ達成されるものであ~る!!」
とは副院長っぽい方はおっしゃらなかった(だいたいキャラがメチャクチャだ)が、「今年はケ○ケン!」の言外のニュアンスから膨らんだ篠崎技師の妄想である。
技師の前に広げられた巨大なケソケソのイラスト。
実寸大である。
え?何の実寸大かって?
一昨年の巨大サンタ像作製のおり、副院長友人の増田さんが1メートル×2メートルのステンレス格子を特製して下さった。
この”実寸”である。
ご家庭でいえば、ふすまや障子一枚分の大きさだ。
心優しい副院長は「A4大の画像を細切れにしてプリントし、つなぎあわせれば大画像!」というパソコンソフトを購入して下さった。
わざわざソフトを購入して下さったのはありがたい。
なにしろ今まではコンビニのコピー機を占有して、A4→B4 B4→A3 1/2A3(=A4)→A3…などというメンド臭い人海戦術で拡大していたからだ。
ただし、ちょっと引っかかるのは「ソフトは今後も使えるからネ♪」
って、エェ~~!?来年もってこと?
この1×2メートルのステンレス格子をイラストの上に載せ、イラストのラインに沿って番線を曲げていく。
番線とは緑色のビニールでコーティングされた直径3ミリぐらいの太い針金で、これを曲げていって番線のケソケソ像を造る。
この番線のケソケソを、ナイロンバンド(結束線)でステンレス格子にくくりつけていく。
「ワーーイ タノシイナァ」
まず番線でケソケソ像を完成させ、さらにその番線にロープライトをくくりつけていくのだ。
この一見無駄に思える二度手間が、最終的なできばえを大きく左右するのである。
イルミネィションに使われるロープライトは、直径1.5センチほどのビニールチューブにLEDライト・電線をしこんだものだ。
中指ぐらいの太さのビニールチューブだが、ビニールというわりには結構なコシがある。
こいつをグイグイ曲げて思いどおりのイラストを描くには、フレームにかなりの力でくくりつけてやらないとならない。
そのためにはデザインどおりに曲げた太い番線をステンレス格子へ強固にくくりつけ、その番線のがっしりとしたフレームにロープライトをはわせていくやり方が必要になるのだ。
ますは番線ケソケソ像の完成。
じゃぁロープライトをくくりつけてくよぉ!
この作業がけっこう地道で、ロープライトをナイロンバンドで番線フレームに黙々と縛り付けていく。
「ナイロンバンドって文明だよなぁ…、考えた人偉いよ!」
「アメリカ映画で、犯人が人質の指をナイロンバンドで縛り付けてたなぁ…」
「ナイロンバンドなんかなければ、イルミの自作なんて思いもよらなかったのに…」
「おなか空いたぁ…」
「ナイロンバンドなんて無くても、『今年はケソケソつくってちょーだい』ってことになったんだろうなぁ…。ナイロンバンドが無かったら?その恐ろしさは考えただけでも(((;゜Д゜))ガクガクブルブル…」
無我の境地にはほど遠い、煩悩まみれの篠崎技師。
おおっ!それっぽくなってきましたよぉ!!
…と、ここで、施主より注文が…。
「手振りにするには、手の角度がイマイチだなぁ。なんとかならないかなぁ、ねぇ、
なんとかならないかなぁ(なんとかしなさい!)」
ハイ ナントカシマス
ナントカシマシタ
2本のロープライトを点灯コントローラーを使って交互に点灯させることで、あたかも手を振っているかのように表現できる。
(今年の新作の「天駆けるトナカイ」が走っているように見えるのもこの原理)
当初は90度の角度で右手を振るような設計になっていた。
アクションを大きく見せるには、少しオーバーなぐらいがイイかな?なんて愚考したもので。
ところが、あまり角度をつけない方が(腕を大きく動かさない方が)むしろ手振りの動作をうまく表現できるのではないか?との副院長からのアドヴァイスである。
修正後の完成像を見るに、たしかに今の方がアクションが簡潔に表現されている。
「将軍様のご指導の通りにいたしましたら、革命的な成果を上げることができました。将軍様万歳!」
↑これは技師のよこしまなイメージ。
本当は、アニメ「一休さん」で、将軍様・桔梗屋の無理難題に直面する一休さんのことが脳裏をめぐっていた。
この技師、技術的な能力はともかく、性格の悪さはいかんともしがたいものである。
とまれ、いよいよクライマックスだ!
というわりには、またしても地道な作業で、ナイロンバンドの余りを切り捨てていくのだ。
↓これが…
↓こうなる
気分はさながら、盆栽を刈り込んでいく剪定職人。
刈り取られたナイロンバンド。
風呂場の排水溝にたまった抜け毛をしみじみと見つめ、広くなってきた自分の額をさすって孤独な感慨にふける…、なんていうアンニュイな気分に”ちょっとだけ”なったのは内緒にしておこう。
ケソケソの目の辺りのクローズアップ。
ロープライトは一筆書きにする必要があるため、アルミテープを巻いて遮光することでラインの切れ目を演出している。
ところが試験点灯してみると、LEDロープライトが予想外に明るかったため、アルミテープのハレーション(反射光)がけっこう目立つことが判明した。
そこでマジックで銀色のテープを黒く塗るという、いささかプリミティブな方法でなんとか解決。
で、こう↓なりました!
キタ━━゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜━━ ッ ! ! !
イルミネィションは12月27日の夜まで点灯の予定です。
「観た人が少しでもハッピーな気分になってくれとイイなあ♪」
当院スタッフ一同の願いが、できるだけ沢山の方々へ届きますように!