p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

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決戦は金曜日! ~ 大塚家具御家騒動に思う

2015-03-28 12:34:56 | 企業・産業
注目を集めた大塚家具の株主総会。株主の判断は社長支持、でした。
事前には会長側の有利が伝えられていただけに、社長側支持が6割超えに達したのは、意外でしたネ。

さて今回の件は、親娘間のお家騒動、ガバナンスにおける所有と経営の戦い、ビジネスモデルにおけるクローズド・ビジネスとオープン・ビジネスの方針を巡る争いと、様々な方向から見ることができます。
特にビジネスモデルの違いは、個人的にも面白いと感じるところです。
ただ、会長側が社長側の戦略をニトリやIKEAの競合と捉えていたのは、残念なところですねぇ。
社長側の戦略は家具のセレクトショップであって、継続していれば、アベノミクスによる株価上昇を通じた“小金持ち”増加で“ちょっといいモノ”を求める志向が強まる状況にマッチして当たっていたかもしれないのに、もったいないトコロです。
そもそも既存の高級路線とのシナジーが期待できないカジュアル路線を、コンサルからの出戻りである社長が選択する可能性は、極めて低いと思えるのですが。

一方で今回の勝因が、助言会社が社長側に付いたことに見られるように、外部の株主が社長支持に動いたためであることは、重要だと思います。

企業の存続を重視する場合、会長側のビジネスモデルは、十分“あり”だと思うんですョ。
特定の“お得意様”を囲い込んで、高額商品を継続的に買ってもらう。例えば京都の呉服や小間物の老舗のヒトたちは、ソレで数百年間、ビジネスを維持しているワケですから。
ただ、大企業をソレで維持するコトは難しい。特に消費税増税前の駆け込みで新築住宅需要が先食いされちゃって、家具のまとめ買い需要が当分は低位で推移するであろう状況下、しばらくの間は、縮小均衡にならざるを得ないでしょう。

それに対して、社長が提示する新たなビジネスモデルの導入は、新たな客層を取り込むコトで、成長を追及する方向性です。
それが株主に支持された、と見ることができると、ワタシは思います。

結局のところ、株式の形で出資するヒト達は、成長の果実をリターンとして受け取ることを、最も期待しているというコトなのでしょう。
上場企業の運営に携わる方々には、そのコトをしっかりと意識して働いて頂きたいと思うのです。

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