p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

勝者連合

2011-04-07 02:02:02 | 企業・産業
トヨタと米Microsoftが提携するそうです。(グループではなく)単一の自動車メーカーとして一旦は“世界一”になったトヨタと、PC分野におけるOSで圧倒的なシェアを誇るMicrosoftとの連携は、まさに“勝者連合”と言えるでしょう。
今朝(4/7)5時からネット上で会見を行うとのことですが、その頃には夢の中ですね。会社のWebに載せてくれないかな。
その内容については、車載情報システムに関するものとする観測と、スマートグリッドにエコカーを組み込むインフラ開発に関するものとの見方がありますが、おそらくは両方やるんでしょう。

後者は、今後の両社の戦略を競合他社に対して有利に運ぶための意味を持ちます。
計画停電の実施によって太陽光発電システムが注目を集めていますが、蓄電ができないことから、夜中の停電に対応できない点がネックになっています。
その解決策として、エコカーを蓄電池として利用するアイディアは出されていますが、その具体化に動き出したと言えるでしょう。
トヨタにとって、既にだいぶ売れてしまったハイブリッド車やダウンサイジング車の代替としてプラグイン・ハイブリッド車を売るための“ネタ”として有効であろうと思われます。
Microsoftにとっては、GoogleやIBMなど、IT企業によるスマートグリッドの規格争いの中で、そこに組み込まれるエコカーのトップメーカーと手を組むことは、“一歩リード”と言えるものと考えられます。

また前者は、エコカーの課題である軽量化に対する一つの“答”としての意味を持ちます。
自動車を自分でいじる方はご存知でしょうが、自動車の各コンポーネントは、太いケーブルで接続されています。
カーペットの裏やトランク下やエンジンルームの中には、重い銅線が大量に、大蛇のようにうねっているのです。
これを、車内各所の電子機器を単純なワイヤリングで繋げてやる形にすれば(社内LANならぬ「車内LAN」と言います)、それだけでもかなりの軽量化になります。
そのためには、電子機器を相互接続するための規格が必要になります。それをIT企業の力を借りて汎用的なものにできれば、社内の電子機器のみならず、社外の様々な電子機器と通信を行うことで、幅広い高度なサービスを実現することができるでしょう。
それはMicrosoftにとっても、PC以外の電子機器用のソフトウェア販売に繋がるものです。

クルマのインストゥルメント・パネルにCtrlキーとAltキーとDeleteキーが並ぶようになったら、イヤですけどねw

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