p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

ウェルカム外資

2010-06-19 11:11:11 | 国際政治・金融・経済
ロシアが海外からの投資を呼び込むため、キャピタル・ゲイン課税を引き下げることを発表しました。

ロシアは、石油と天然ガスの豊富な埋蔵量を誇る、屈指の資源国です。そのため、ロシア経済は資源価格に強く依存します。
外貨準備高も、原油価格が高騰した2008年前半には膨らんだものの、その後の原油価格暴落時に急減し、2009年初には対外債務を割り込む程でした
現在はピーク時ほどではないものの、外貨準備は相当に回復しています。しかし、より安定した経済運営と資源開発加速のために、外資導入を強く必要としているのも確かです。
そうした状況が、今回の動きに出たものと思われます。

一方で、“脱・金融”志向が見える英国では…
王立不動産鑑定士協会が、キャピタル・ゲイン課税が強化されれば、不動産価格の回復は止まってしまうだろうとの“警告”を発しています。
財政再建を至上命題とするキャメロン政権がそうした動きに出かねないとの不安が、不動産業界にあるのでしょう。
キャピタル・ゲイン課税が強化された場合、英国内だけではなく、海外からの投資も減少することになるでしょう。

ちなみにその英国は、ロシアや中国への開発支援を停止するそうです。ロシアとしては、それ以外の国からの外資導入の必要性が、更に増すことになりますね。

さて、我が国も外資を呼び込むための優遇策をぶち上げていますが…
その“戦略”で想定していると思われるモノ作り企業が、マーケットとしての成長性が高いアジア諸国より日本を優先することは、多少の優遇策があったところで、考え難いと思います。
個人的には、ソレよりキャピタル・ゲイン課税緩和の方で、まずは行き先を失いつつある国際金融機関を呼び込んだ方が効果的なのではないかと思ったりします。

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