告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

井口民樹著「愚徹のひと 丸山千里」より

2011年07月26日 | Weblog
丸山が人型結核菌をもとにワクチンを精製したのが第二次大戦のさなかの1944年(昭和19年)。これが結核患者だけでなく、ハンセン病患者の治療にも効果をあげた。ガン患者に使い始めたのが、昭和39年頃から。副作用のまったくないガン治療剤で、しかも著しい効能があるとマスコミが喧伝するようになった。しかし、医学会は「ただの水」としてとりあわなかった。

平成3年6月の丸山ワクチン濃厚液が放射線副作用の抑制剤として認可されることが決まった日も丸山は意識がはっきりしていた。もっとも、ちっともうれしそうな顔をみせない。むしろ不機嫌でさえあった。しかし、「これで丸山ワクチン認可の階段を一歩上がりましたね」とか「ただの水でないことが証明されてよかったですね」と喜んでくれる人に対して、なお仏頂面をしているような頑固者ではなかった。

ひたすらガン治療剤一本で意思を貫いてきた丸山にとって、ゼリア新薬が抗悪性腫瘍剤として申請する道から一歩退き、白血球減少抑制剤への方向転換を図ることは、これは容認できない「裏切り」である。「ゼリアさんは、白血球減少抑制剤の道を進めておられるそうですね」「ええ、その件なんですが・・・」「丸山先生はガンの治療剤として丸山ワクチンの許可を取るように、ゼリアさんにお願いしたのでしょう?どうしてそのための努力を続けないんですか」「現状では抗がん剤として許可を得る見通しが立たないのです。ここはひとまず、白血球減少抑制剤として申請をいたしましてですね・・・」「放射線の副作用で困っている患者にとっては、それは意味があるでしょう。しかし、ガンの患者はどうなるのです。いま現在も、丸山ワクチンを命の綱としているガン患者が何万といるのです。その人たちが使えないのでは、意味がないじゃありませんか?」「ともかく、私は1500人の社員とその家族を抱える企業の経営者として、抗がん剤の認可にこだわることで彼らを路頭に迷わせるようなことはできないのです。丸山先生にも、そこのところをどうかお含みおき下さり、ご決断下さるようにお願いいたします」濃厚液の認可によって、それまでの変則的な有償治験が終止符をうつことになれば、患者は見捨てられる。「厚生省との話し合いがつけば当社は製造を続けます」 

丸山千里博士が亡くなられたのは平成4年3月。告別式は3月13日、護国寺桂昌殿で無宗教により行なわれた。供花、香典のたぐいはいっさい固辞し、白い小菊で埋もれた壇上に白髪の丸山の遺影が置かれただけの美しくも清楚な祭壇。会場にはモーツアルトのレクイエムが流れていた。ともかく、仰々しいのがきらいで、義理で人が集まるような形を好まなかった。


ブログを移動させました

2010年10月25日 | Weblog
はてな に移動しました。


 
 →  丸山ワクチンに期待するガン患者の日記



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丸山ワクチンにとっての記念日

2010年10月23日 | Weblog

1974年10月23日の今日、日本医科大学の丸山千里博士(1901~92年)はヒトの結核菌から抽出した多糖体を使った「丸山ワクチン」が末期がん治療に有効との報告をイタリアで開かれた国際がん学会で発表した。そもそも皮膚結核用に開発されたもので、結核患者にがん患者が少ないことが分かり応用された。その後、日本では抗がん剤として承認されないまま、いまも有償治験薬の扱いになっている。これまで38万人のがん患者の治療に使われたという。


今から35年ほど前のニュース。38万人の人々のそれぞれについて考える。むだな死だったのだろうか? 丸山ワクチンには、濃度の高いA液とそれの10分の1の濃度であるB液がある。それを一日おきに交互に注射するように説明書には書かれてある。治験薬であるので、その効果が確かなものと記されているわけではない。しかし、丸山ワクチンA液の10倍濃度の高いアンサー10という認可された医薬品がある。こちらは確かな効能が記された医薬品である。平成10年3年に認可された。効能書によると放射線治療による白血球減少抑制剤とある。そもそも皮膚結核用に開発された薬剤、しかもワクチン製剤が、なぜ白血球減少抑制剤と認定されたのかが理解しづらいところである。


放射線治療においては白血球を減少させる副作用が多く認められるが、丸山ワクチンはその際の白血球の減少を抑制させる。 身体を自然な状態に戻す作用が認められている。丸山ワクチンへの評価は不当に低すぎる。



強力かつ安価なスカベンジャー

2010年10月21日 | Weblog

ネズミを使った実験。カロリー制限と寿命を比較する実験。カロリー制限をかけたほうが、発ガン率が低下し、寿命も延長したという結果が得られたという。制限なしに餌を食べさせたネズミの生存月数が27.4ヶ月、カロリーを75%に制限したグループが32.7ヶ月、60%では42.3ヶ月、50%にカロリーを制限したグループのネズミの平均生存日数が45.1ヶ月との実験結果発表されている。食べすぎは短命に直結するとことを意味する実験結果。ダイエットが長寿の秘訣という結論が導きだされる。この部分は、以前にもこのブログに記したことがあるような・・・


その理由と考えられているのが活性酸素の存在で、食べることによって活性酸素が発生する。カロリーを制限すると、代謝が抑えられ活性酸素の発生も抑えられるという。活性酸素は体の組織を傷つけ組織の機能不全を引き起こし、発ガンをきたすという説が考えられている。この活性酸素に対抗する物質をスカベンジャーと呼ぶ。老化というのは、この活性酸素に対抗する物質が体内で合成されないことに原因するともいわれている。スカベンジャーには、ビタミンCとE、カテキン、セサミン、ポリフェノール、などなど、最近では活性水素というのもある。 


身体のなかでつくられる物質には何ひとつとして無駄はない。意外なところで、尿酸が強力なスカベンジャーだという最近の知見がある。尿酸は痛風の原因で悪玉物質だと知らされてきた。尿酸ができる前段階にあるアンモニアも身体に蓄積すれば肝性脳症という病気を引き起こす。ともかく、飲尿療法で健康になるという理由を個人的に納得する。でも、まだ試してみる気持ちはうまれない。





キノコ料理についてのおぼえがき

2010年10月19日 | Weblog

ガン患者にとっての食事といえばキノコ料理、おいしくいただけて、ひょっとするとガンが消滅するかもしれないという希望がある。キノコ類は相対的に、油や砂糖と相性がいいようだ。

焼き物 
定番のマツタケの他、ハタケシメジなど水分の少ないものが良い。下ごしらえは水で洗わず、ふき取る程度にしておく。直火で火が通ったぐらいのところが食べごろ、焦げ目がつくほど焼いてはいけない。キノコは木の香と称される。しょうゆ、もしくは塩、酢味噌で。

イタリアン
フライパンにオリーブオイルで軽く炒めた後、白ワインとトマトビュレーを投入、その後、バジルの葉を散らし、最後に自然塩と胡椒で味をととのえる。炒めすぎないことがコツ。

佃煮
キノコに削り節をまぶして、水を入れずに、しょうゆ、砂糖、水あめで甘辛く仕上げる。とりわけマイタケが佃煮との相性が良い。じっくり煮詰める。

下ごしらえについて
生のキノコ類はもろく壊れやすいので、ごしごし洗ったりゴミを取り除いたりしない。沸騰させたお湯の中に投入し、再沸騰する少し前、泡が鍋の底に出来てきたところであげて冷水につける。水を替えさらに冷やす。キノコ類は一度熱を加えたあと急速に冷やすと固く締まる性質をもつ。


犬や猫、ペット専用のハタケシメジが販売されている。 


癌は神様からのメッセージかも

2010年10月17日 | Weblog

ガンが出来たのは神様からのメッセージだと思っている。ガンだけを治療しようとしてもダメ。年老いてきたことから免疫力が低下し、間違った生活習慣もあり、身体にガンが出来やすい体質になったからだと考えている。パソコンでいえば、そろそろリカバリーする時期にきているのだ。肥満は少しずつ進行していた。血圧が高いのは降圧剤で対処していた。ガンを治したいのであれば、まず健康をとりもどさなくてはならない。人によって治すところは違っている。肥満であったり、間違った食事内容であったり、夜更かしなどの無理な生活習慣であったり、心的要因、ストレスの人もいるだろう。原因を探ることからはじめ、それを取り除かなければガンが治ることはないという確信がある。玄米菜食、散歩などの運動に期待している。ストレスを感じない日常の生活を実践する、これが一番難しい。


ガン細胞と普通の細胞との違いを見つけて、ガン細胞だけを攻撃する。そんな抗がん剤は存在しない。ガン細胞も正常細胞も同じ身体を構成する細胞、体の一部分。ある抗がん剤は白血球数を減少させる副作用が認められている。そんな薬は特に使うべきではないと思う。白血球は体を守る為に授かった仕組み。人間の創造主から授かった体を守る為のシステムである。はたして、それを破壊して得られる利益はどれほどのものになるのだろうか。


なぜガンが発生するのかという医学的に解明されていないガンだから、その存在を精神的に捉えてしまう。その結果、対抗するのに、これまた未知の領域にある方法で対応したくなる。神にすがったり、レメディであったり、ルルドの泉、気功など、それも含めて神様からのメッセージということになるのだろうか。私が丸山ワクチンに期待するのは、未知の領域にある方法と思っているからではない。確かな効果を感じている。でもガンはまだ、なくなっていない。何かを付け加えるべきだろうか。





私の癌、これまでの状況

2010年10月15日 | Weblog
ガンの告知を受けた時からの状況をざっと記しておきたい。血が混じるゼリー状の痰がたびたび認められたことから近くの耳鼻科に出かけたのが一昨年の5月、その後、ガンの告知を受けたのは7月だった。リンパ上皮ガンという診断名。リンパ様組織の混じった扁平上皮部のガン。咽頭部には、扁桃腺などリンパ組織が点在する。ガンのある部位は、左の耳管の開口部に極近いところで、小さい子供に必ずあるアデノイドという部分にあたる。アデノイドが大きくなって呼吸が困難になれば切除手術をするようだが、ガンの場合は切除すれば逆に大きくなる。ガンの宣告を受ける前から日本医科大学へ出かけていってワクチンをいただき、治療を始めた。 告知のあと、治療についての説明のあと、すぐに断わったが、その理由は、とりあえず様子を見たいことにした。あとから、丸山ワクチンでという説明をした。医師のあきれた顔を思い出す。

2度のPET検査。1度目は告知の前の検査の段階のもので、はっきり上咽頭部が陽性に染まっていた。PETとは放射線同位元素でラベルされたブドウ糖を注射したのち、30分ぐらいあとにブドウ糖がどの組織に取り込まれているかを調べる検査のこと。ブドウ糖は脳細胞の栄養源であり、脳にまっさきに取り込まれる。その後、ガン細胞にも集積される。これは悪性細胞がミトコンドリアに含まれるアポトーシスによる消失を回避するメカニズムを獲得し、嫌気的解糖系の代謝だけが亢進することによる。つまり、体を構成する他の組織より、ガン細胞がブドウ糖を先に横取りするシステムが存在することになる。2度目のPETを受けたのはガンの告知から1年4ヶ月が経った21年11月のこと。中耳炎で左耳が難聴になり、原因がガンの増殖によるものと悟り、それを確かめる為だった。この病状は抗生物質とシスティンという消炎剤の処方で2週間ほどすれば直っていった。2回目のPET検査では患部だけではなく、隣接した頸のリンパ節も陽性を示していた。皮膚に近いところだから、触って判る範囲なので毎日触っているが、その後、大きくなったり、しこりになった様子は感じられない。痛みもまったくない。

それでも最近は、じわりじわりとガンが少しずつ大きくなっていることを感じるようになった。その理由は片一方の耳の鼓膜を内側から圧迫されているような感覚が感じられるようになったからだ。それに時折する耳鳴りも以前はまったくなかった。 鼻の穴から内視鏡を通してガンの状態を確認することは、告知から1~2ヶ月おきに病院に検査を受けに出かけている。1.5~2センチの大きさ、耳管の開口部の土手、ぎりぎりのところまでガンが迫ってきているところは、あまり変化はないと今まで言われ続けている。

丸山ワクチンが効いていてもガンは進行しているのかもしれない。ガン細胞はグルコースというエネルギーを横取りするシステムを持っている。正常の細胞よりも分裂速度が速いと考えるのが妥当だ。遅いと感じるのは丸山ワクチンが効いてくれているのだろう。痰の排出される間隔が長くなってきているのは不可解。現状は痛みや不都合はなく、仕事をこなしぐっすり眠れる状態にあります。


「私を健康にしてください」ではなく「病気はもう治りました。感謝します」と祈る。願望は現在の自分が病気であることに納得し、受け入れている状態である。(中村天風)



ガンは生命力がとても弱い細胞です

2010年10月13日 | Weblog
がんは体外に出してやると、とたんに死んでしまう。意外と生命力が弱い生き物です。とても育てにくい死にやすいデリケートな細胞なのです。なぜ、ガン細胞が際限なく増殖するのでしょうか。それはガン細胞が強くなったのではなく、まわりの環境が脆弱になってしまったからです。

多くの医師がガンは治らないと心の奥底で思っている。治療マニュアルをきっちり守ろうとするのは責任を回避するため。ガン治療で副作用が起きるのは当然と考えている。良心的な医師ほど、ガン患者を診たくないと思っている。

ガンを手術で取り除いた後、医師は患者にこう告げる。「もう、もとどおりの生活に戻ってもいいですよ。そして、栄養を十分とって病気に負けない体力をつけてください」 これがまちがい。ガンができたというのは、それまでの生活が間違っていたということ。不健康な生活をしていたことが原因。この先の生活態度や食事を見直すことから始めなければ本当にガンを治すことなど出来ない。

今日という一日が終わり、生かされていることに感謝し寝る。また明日が来て、再び新しい一日がはじまる。時間をそのように捉えれば、先の不安がとても軽くなります。



「9割の医者はガンを誤解している」の内容から気に入った文章を列記してみた。まったくそのとおりだと感じるフレーズです。まぁ、どうでもいいか、とガンのことはあまり考えたくない最近の日常ですが、まったく忘れることなど出来ません。この先、痛みがでるような事態になればどうすればよいのか、食事が出来なくなればどうしょうなどと考えてしまう、私の脳神経細胞も、とてもデリケートで弱い細胞です。



キノコにはガン増殖を防止する働きがある

2010年10月11日 | Weblog
キノコがガンの抑制に効果がある。なかでも、マツタケはその効果が大だという池川哲郎さんの研究がある。池川さんらの研究によれば、シイタケ→エノキ→なめこ→松茸の順にガンを防止する効果が高いとある。 池川哲郎さんのプロフィール → 昭和37年、東京大学大学院化学系薬学専攻課程修了。昭和40年、国立がんセンター研究所へ。その後、米国パデュー大学留学。金沢大学教授を歴任し、長野県農村工業研究所参与、日本統合医学研究会常任理事、日本補完・代替医療学会理事、河北医科大学名誉教授、長春中医学院名誉教授。


近くのスーパーに出かけたところ、季節的にマツタケが置かれてあった。1980円はアメリカ産。他のキノコ、エノキ、なめこ、ぶなしめじが単価100円以内に比べるとかなり高い。先日に出かけた不定期健診で内視鏡で見てもらったあと医師とすこし言葉を交わしただけの診察料が2000円強だった。マツタケの値段がそう高いとは感じないのは、私がガン患者だからだろう。そして、きのこには免疫力を高める作用があると考えているからだろう。それでも、ガン告知から2年3ヶ月、購入したのは今回が初めて。すき焼きにして免疫力を高めてみた。でも、昔食べた記憶からは、程遠い香り、食感でちょっとガッカリだった。


国立がんセンターのトップが変わって、あたらしい方針で運営されるとのこと。早期ガンの患者さんより、これからは再発ガン患者さんを優先するとのこと。ガン難民の方々には朗報になるのでしょうか。その結果、治癒率や5年生存率という数値も低下することが懸念されます。新聞紙上にとりあげられる患者数や治癒率によるランクづけについては常々疑問に感じているところ。早期発見のガンに対して治療すれば、末期がんの患者を放り出せば、治癒率や5年生存率が向上するのは当たり前のこと。標準治療を断わっているガン患者としても、今後の活動内容には注目したいところです。




感光色素製剤の抗がん作用とルミンAについて

2010年10月09日 | Weblog
最近のコメントに、ルミンAの服用量についての質問が寄せられていました。→ そのときのブログ。ルミンAは、丸山ワクチンの病理研究で知られる木本哲夫さんが研究していたことから、興味をひかれた健康食品 さらに文献を探ってみたところ、次のようなものがありました。

蓼藍(Polygonum tinctorium Lour.)に含まれる悪性腫瘍細胞傷害物質について(1999年4月―林原研究所)

南ベトナムを原産地とする蓼藍は、古来より世界各地で染色植物として栽培され、その藍色の美しさは現在まで人々の生活の中に溶け込み、発色の技法は歴史の中に伝承され、我が国でも徳島、島根をはじめ、伝統染色の技術が今なお受け継がれている。他方、染料としての藍は、漢方薬としても古くより人々に親しまれ、鎮歯痛、解熱、解毒、消炎などさまざな効能が知られている。これまでの研究で、藍の成分として、Indigo 、Indican、Indoxyl derivativesなどの多くの種類が単離されており、特に、その成分の薬効についてはTryptanthrin の抗カビ、抗バクテリア及び3,5,4-trihydroxy-6,7-methylenedioxy-3-O-β-D-glycopyranosideとkaempferol-3-O-glycopyranosideのadenosine diphosphateで誘導される人血小板の凝集阻害作用などが報告されている。

ルミン活性化マクロファージのコロン26移植大腸癌マウスに対する抗腫瘍効果(2000年8月―林原研究所他)

マクロファージ活性化作用のある細胞賦活剤ルミンを担癌マウスの腹腔内へ投与し, 投与量による抗腫瘍効果を検討した. その結果, ルミンの投与量が50ng/mouseで, 腫瘍の増殖は明らかに抑制され生存率が有意に高まった. 組織学的には, 変性壊死に陥った腫瘍周辺や癌細胞間にマクロファージを含む炎症細胞の著明な浸潤が認められた. 次に, ルミンの投与で活性化したマウスの腹腔マクロファージを別のマウスの腫瘍内に注入し, 抗腫瘍効果を調べた. その結果, 腫瘍内に好中球, マクロファージを中心とした炎症細胞浸潤を伴う壊死が促進された. これらのことからルミンの抗腫瘍効果の発現には, ルミンにより活性化されたマクロファージが重要な役割を果たすことが示唆された.

口腔癌および前癌病変患者に対するPDTの治療経験(2006年―長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)

現在, 口腔癌に対するPDTの保険適応はなされていない. しかしながら, 口腔内は直視が容易でPDTを行うには適した部位である. われわれは2004年から初期の口腔癌や重度の前癌病変の患者に対してPDTを行い現在までにのべ7例を行った. 症例数としてはまだ非常に少ないが, われわれの経験した症例を供覧したいと考える. 患者 55歳~90歳 平均年齢69.8歳 術前診断:悪性腫瘍4人, 上皮異形成3人 照射エネルギー量:500J~1200J 男女比:男性:女性 1:6 感光色素:フォトフリン 結果 病変消失3名 再発1名 手術1名 病変残存1名 経過観察中1名であった. 口腔内はほとんどの病変に対して直視下でのレーザー照射が行えるので, 照射は容易であるが, 前癌病変などの辺縁が不明瞭で広範な病変では, 予想以上に照射に時間がかかった. 今後も症例があればPDTを行っていく予定であるが, 保険適応がないために診療費をどうするかが問題点である. (PDTとは感光色素をガン組織に取り込ませた後、レーザーを照射して治療する光線力学的療法のことで、早期肺ガン等にも応用されつつある。)



「医者が癌にかかったとき」竹中良文著

2010年10月07日 | Weblog

この本のなかに、心理学を専門とする大学教授が担当患者だった時のことが載せられてある。胃の進行ガンとの宣告をうけた方。70歳すぎ。胃の全摘出手術は無事に成功。術後も順調で、日増しに元気を取り戻した。半年、経った頃から表情がすぐれなくなった。それは再発の不安が大きくなったことが原因だという。心理学の教授、専門の知識が役立たないのだろうか。手術を受ける際には死も納得できたが、生の希望がさしこんだとたんに死が恐ろしくなったとのこと。


本の197ページ・・・より

ところで、教授は、友人の医学博士が使っていたこともあって、再発予防に丸山ワクチンをずっと使った。僕は、希望者にはこれを使うことにしている。末期状態の患者さんが丸山ワクチンを使ったからといって、癌が治るとは僕も考えない。ただ、患者が毎日奇跡を夢み、その具体的手段として使用を希望している以上、拒絶する理由はまったくない。苦悩に満ちた今後の時間に、1本のワラが多少とも光となるなら喜んで協力するし、無論、効果があればそれに優るものはない。僕と同じような考えで使っている医師も多い。教授は、海外旅行の際もこの携帯に苦慮したようだ。薬の間隔を空けることはこれまた不安なわけで、要するに一種の精神安定剤としても欠くべからざるものになっていたらしい。結果的に癌は再発することもなく、心筋梗塞が命とりとなった。そして、この発作も突然のことで、布団の中で眠るがごとくに亡くなった。天に感謝したい顛末に思える。(本文より引用終わり)


まず、生まれてきたことに感謝する。その後、なんとか無事にいままでの人生を過ごしてきたことに感謝する。そして、ガンを宣告されたことにも感謝すべきだろうか。これまでの人生を振り返る機会を作ってくれたことに感謝したい。でも、心筋梗塞の発作もできれば避けたいね。

ガン・サバイバーへの道

2010年10月05日 | Weblog
毎日が調子いい日ばかりとは限らない。毎日の天気と季節の関係のように、調子が悪い日もあり、気分の良い日もある。それを繰り返して季節のように一定の大きな変化に繋がる。耳鳴りを感じた日はずっと先の将来を考えたくなくても考えてしまう。丸山ワクチンを信じていても、いつなんどき死ぬことを了解していても、ときおり不安な気持ちになります。


そんなときに読んだ本が「9割の医者は、がんを誤解している」。岡本裕著。医学博士。2010年5月の発行。 本を買ってもらうためのネーミングにまず感心しました、


ガンから生還したサバイバーと呼ばれる人たち101名へのアンケート結果が載せられている。「ガンが治らない人と治る人の違い、治った理由を一つだけ選ぶとすれば、どんなことを挙げますか」というもの。一番に多い答え(約30%)が「考え方」で、2番目に多い答え(約25%)が「食事」、そのほかに、家族、友達、情報、治療法、運、と続き、医者と答えたのは4名だけであった。もっとも、医師に頼らないでガンを治すべしとのサイトを運営している医師からのアンケートなので、サンプリングに問題があるのかもしれません。ガンに対する考え方と食事内容を変えることがもっとも重要なこと。サバイバーからのことばには重みがある。今週号の週刊現代にもガン・サバイバーからの体験談がのせられてある。



人生で起きる出来事はすべて意味がある。そこに含まれている天からのメッセージに耳を傾けよ。(中村天風) 


ガン治療用ワクチンのための臨床学的考察

2010年10月03日 | Weblog
①従来の抗がん剤とまったく違う考え方で臨床的評価をする必要がある。腫瘍縮小効果が必ずしも、治療効果を反映するものではなく、無再発期間や全生存期間を指標とすることが望ましい。

②ガン治療用ワクチンは臨床効果が発現するまでに時間がかかる場合があるので、ガンが進行しても、あらかじめ設定した条件を満たせば一定期間ワクチン治療を継続することも考慮される。

③手術やその他の治療法によって目に見えるガンがない患者さんや再発しても早期にガンワクチンを投与することにより、ガンワクチンによって免疫が活性化され、臨床効果が現れるために十分な時間を確保することが望ましい。

④ワクチンは効果の発現に時間がかかるため、臨床試験の最初は差が認められず、しばらく時間が経過してから差が出てくるものと期待されるので、これを考慮した統計学的解析方法が必要である。


2010年5月、免疫治療薬「プロベンジーProvenge」が前立腺ガン治療薬としてFADより承認を受けた。上記の新しい指針によって異例の速さで承認を受けた。治療ワクチン試験に参加する患者は外科手術を受けていたり、抗ガン剤治療や放射線治療やホルモン治療などの術後補助療法をおこなっている。この状況はワクチン試験にとって好ましくない。標準治療と併用するのではなく、標準治療と比較をすることを考える時期にきている。FDAに提出された127症例の免疫治療薬―プロベンジ治験結果では、薬効評価基準の1つである腫瘍縮小効果が見られなかったが、一方で、深刻な副作用がなく、標準治療に比べ4.5カ月の延命効果が認められていた。


神様が守ってくれている

2010年10月01日 | Weblog
丸山ワクチン治験の承諾書へ印鑑を押してくれているのは、ずっと前から診察に通っている40歳台の眼科医さん。昨日に診察を受けに出かけた際に、先週に受けた耳鼻科での診察、腫瘍が大きくなっていないとの結果を伝えたところ、笑顔でこう言われた。

「すばらしい。こんなこともあるんやね」
「これは、きっと丸山ワクチンが効いているのに違いないね」
「無治療での経過観察のデータがないので、はっきり丸山ワクチンの効果であるといえないところが残念やね。誰もが、なんかかしらの治療を受けているだろうからね」
「これからも、このまま続いていってほしいね」

ガンは心の病気でもあるといわれている。ガンの告知を受けて最初に心の中に占める感情は怒りの感情だという。なんで私が、なんで今なの、ちょっと早すぎるのでは、私の場合でも怒りの感情はあったが、すぐに収まった。神様からもうお前の寿命はこれまで といわれたような気がしたのである。過去を振り返る。十分、自分のやりたいことはやれるだけの時間を過ごしてきたと思う。次の世代にバトンタッチした時期にもあたる。今の平均寿命からすれば早すぎるけど、歴史を考えれば60歳を過ぎれば寿命と考えるのも妥当だ。

医師からは治療を受けたときの5年生存率は60%だと告げられた。頭にごく近いところにあるガン。患者さんからの経験談によれば、治療による副作用は半端なものではないようだ。副作用で死に至るはごめんだ。その時に神様からきっとこう告げられるだろう「だから、そこが寿命だといっただろう」。 生命があるだけとの生存率に意味がない。そう考えて治療は断わった。無治療で過ごすことも考えたが、私が選択したのは丸山ワクチン。丸山ワクチンは一度は標準治療を受け、再発したのち試みるケースが多いようだ。本来、免疫治療は、免疫力を低下させる標準治療の前に試すべき治療。ガンの告知を受けた時からブロクを始めた。記録しておきたいと同時に気分が落ち着く効果もある。


現在の状況は治ったという訳ではない。現状維持。これから先に右に行くか左に向かうか、まったく判らない状況。神様が守ってくれている。チリの落盤事故で閉じ込められている人のことば。勇気づけられることばだ。神様がこれから進む先を教えてくれた。



ドラッグ・ラグ

2010年09月29日 | Weblog
27日の読売新聞にはドラッグ・ラグの問題についての記事が載せられてあった。咽頭ガンの患者さんの例が紹介されていた。

Aさんの病気はのどに出来た咽頭ガンという病気。これは頭頸ガンと総称される。全がんの5%、喫煙や飲酒などが主な原因となり、患者数は増加傾向にある。ほぼ喫煙経験のないAさんは昨年12月ごろ、ビールを飲むとしみるなど、のどの違和感から病院の診断を受け、リンパ節転移がある進行ガンと診断された。抗ガン剤と放射線を組み合わせた治療を約1ヶ月半入院で受けた。治療後、幸いにしてガンは見えなくなった。しかし、進行ガンでは3年以内に4割ほどが再発するとされる。日本には再発時に、有効性が高い抗ガン剤が少ない。欧米では06年、ガンの増殖をピンポイントで防ぐ「アービタックス」という薬が頭頸部がんの再発、転移の標準的な治療薬になっている。生存期間の延長を証明した研究が複数ある。日本では大腸ガンでは承認されているが、頭頸部ガンではまだ承認されていない。(要約)


いかにも日本のシステムが遅れているとの文章。ドラッグ・ラグの解消で患者の生命が救えるような印象がある。本当にそうなのだろうか? すぐにアービタックスについてを検索してみたくなった。薬剤名はセツキシマブ、分子標的薬に分類される。


効果が認められているのならば、抗がん剤と放射線を組み合わせる最初の治療でなぜ使われないのだろうか? 肝心なのはアービタックスの臨床成績。それは載せられていない。2ヶ月ほど余命が長くなったというぐらいでは患者は満足できない。頭頸部ガンの主な原因が喫煙や飲酒にあるとの記載。喫煙率が低下している現状、なぜ患者は増加傾向にあるのだろう? 本当はエプスタインバーウィルスというヘルペスの感染が主な原因と考えられている。あやまった情報を流す意図は。ドラッグ・ラグ。承認を待ち望んでいるガン、難病の患者さんは少なくない。一般の人がこの記事を読んでどう思うだろうか。ドラッグ・ラグがあるから日本ではガンの死亡率が高いのか。海外に比べ日本でガンの死亡率が高いかどうかは知らないけど、ガン患者である私は人質にとられているような気持ちがした。