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平林初之輔 「或る探訪記者の話」・本

2024-05-19 | 本と朗読


1929(昭和4)年「新青年」12月号初出。朗読時間約35分。この職業は孫子の代まで継がせたくはない(自分は社が使ってくれる限り続ける覚悟)と思っている新聞記者の独白。社会の裏面を明るみに出す記者の欲とサガ。ある大学の博士が唱えた妊婦が胎教として自分の崇拝する人物を妊娠中に思い続けると生まれた子は崇拝する人物に気質、体質、容貌まで似るという学説。ところがこの学説にはとんでもない裏があり、対してそれを暴く新聞記者もロクでもない人種という結末。平林作品、 「悪魔の聖壇」に続いて面白いっす。そして人間は100年後もあいも変わらずで、ただただ時代と文化だけが変化してる模様。

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