いざなぎ流神楽

2012-05-04 20:25:44 | 日記
五月の風に誘われて、県立歴史民俗資料館に行ってきました。
お目当ては、企画展『蔵のなかの民具たち~蔵はタイムカプセル~』です。

時とともに失われつつある蔵。
そして、そこに保管されている昔の道具。
昔の生活用具を見るのが好きな人間にとっては、「行かないと~!」
自転車で片道1時間の道も、強い向かい風もなんのその♪

     

実は、もうひとつ大きな目的がありました。
特別公開【いざなぎ流・えびすの倉入れ】という神楽を見るためです。

高知の方なら分かると思いますが、『いざなぎ流』は、香美市物部(旧・香美郡物部村)に
伝えられている民間信仰で、太夫(たゆう)によって伝承されています。
祭儀になると和紙を切って御幣(ごへい)をつくり、それをまつります。
御幣は200種類以上もあるそうで、ニューヨークにも招かれたことがあります。
 

えびすの倉入れとは…超簡単にご説明すると、
ある家が神さまにお願いごとをします。
そこで太夫さんが家の人に代わって、神さまに唱えるというものです。
通常は一週間から10日かけるお祭りだそうです。

まずは太夫さんの体を清める唱えから始まり、神仏に前立て後立てを頼み、
これから行うことの説明のあと神さまをお迎えする唱えに。
さらには恵比寿さまの由来。そして神さまに喜んで・楽しんでいただくために
「花はありますよ」「お酒もありますよ」「甘いものもありますよ」…
と賑やかさと華やかさでお誘いするんですね。
そして、さまざまなお願いごとをします。
家内安全、五穀成就、安穏息災、延命長寿…心穏やかにいられますようにと。
そして願いをかなえてくれたら、またお祭りをしますからと唱えます。

楽しんでいただいたら、いよいよ神さまを居間の恵比寿棚(倉)におかえしします。
太夫さんは、その家の当主を四つん這いにさせて(今日はいざなぎ流神楽保存会の小学生でした)、
その背中に「お米」「お金」「お酒」の順で倉に運び込むことがクライマックスで、
最終日には、一族縁者がこの日に合わせて集まってきて、それはそれは賑やかなんだそうです。

これが【えびすの倉入れ】ということです。



上記は、神楽の内容や祭文のプリントを私なりに要約したものです。
学芸員さんが冒頭に言われたように、通常の神楽のような舞いはありませんでしたが、
念願のいざなぎ流神楽を見ることができて大満足でした。

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