1964年 日本 147分
原作の安部公房の同名小説は私がかつて感銘を受けた作品の一つである。好きなシーンが自分の思うのと違った映像になったり、はたまたカットされたり、結末が変わったり、好きな小説が映画化されるのを嫌う人は多いと思うが、私もこの「砂の女」が映画化されてたと聞いて、見たいような見たくないような複雑な気持ちに駆られた。舞台となる砂丘の砂に埋もれていく家は、想像力の中の存在でいて欲しいし、謎多き女は頭で思うのと実際に見るのとでは印象が変わってしまうだろう。
結論から言えば良い意味で期待を裏切った。オープニングのタイトルバックは安部公房の小説の表紙のデザインっぽい。あの家は、ああでしか表現できなかったろうし、若かりし日の岸田今日子はとても自然にあの家の住人を演じている。砂に埋まっていく家の中のじめじめ感、体にこびりついた砂を拭くシーンはモノクロながら明瞭な映像が実に効いている。
さて、この映画の本質はとても深いと思う。どう感じるかは書かないが、もし映画が手に入らなければ文庫版で数百円で出てるので原作を読んで欲しい。お勧めです!
原作の安部公房の同名小説は私がかつて感銘を受けた作品の一つである。好きなシーンが自分の思うのと違った映像になったり、はたまたカットされたり、結末が変わったり、好きな小説が映画化されるのを嫌う人は多いと思うが、私もこの「砂の女」が映画化されてたと聞いて、見たいような見たくないような複雑な気持ちに駆られた。舞台となる砂丘の砂に埋もれていく家は、想像力の中の存在でいて欲しいし、謎多き女は頭で思うのと実際に見るのとでは印象が変わってしまうだろう。
結論から言えば良い意味で期待を裏切った。オープニングのタイトルバックは安部公房の小説の表紙のデザインっぽい。あの家は、ああでしか表現できなかったろうし、若かりし日の岸田今日子はとても自然にあの家の住人を演じている。砂に埋まっていく家の中のじめじめ感、体にこびりついた砂を拭くシーンはモノクロながら明瞭な映像が実に効いている。
さて、この映画の本質はとても深いと思う。どう感じるかは書かないが、もし映画が手に入らなければ文庫版で数百円で出てるので原作を読んで欲しい。お勧めです!