映画のせかい

私が最近見た映画 ※ネタバレあり

激流 #107

2004-11-29 | か行の映画
1994年 アメリカ 111分

楽しいはずの川下りに強盗が紛れ込んでしまうという巻き込まれ型サスペンス。峡谷という限局したスペースでの閉鎖空間サスペンス。すれ違ってばかりの家族が家族愛を取り戻すドラマ。激流をボートで乗り越えていくアクション。といういろんな要素がうまく組み合わさった作品。

家族のボートに乗り込む強盗の一人(ケビン・ベーコン)はカナヅチでもう一人も川下りの知識は無い。家族の母親メリル・ストリープだけが頼りである。メリル・ストリープは撮影前からボートの操縦を学び徹底した役作りをしたようだが、それも納得のオールさばきだった。どこに行くかという決定権を強盗に握られながらも、ボート漕ぎの主導権は渡さず、強盗たちに時には指示を与え、時には恫喝し、励まし、そして一行は危険な激流へと突入していく。

人懐っこく子どもとじゃれ合っていたケビン・ベーコンが徐々に本性を現していく過程と、それに気付く家族の駆け引きが実に怖かった。また危険回避のために逃走した父親が崖から落ちそうになるところを一行のボートが通過していくシーンは、ボートから見える角度ぎりぎりでハラハラドキドキ。
離婚をも考えていた夫婦が、事件を通し絆を再確認していく姿に合わせ、強盗との関係も大逆転する。ラストは阿吽の呼吸でトラップを仕掛け、なつかなかった犬も夫の言うことを聞き、最後は大団円!なのである。
だがしかしbut!一番怖かったのはメリル・ストリープだったかも。

手堅く楽しみたい時に選んだらハズレない一本だ。

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