ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

参宮橋社会実験の結果はどうなの?

2005年07月10日 | ITS
参宮橋社会実験の第二回検討会が6月24日にあったようだが、その後なにも聞こえてこない。
ネットを色々検索しても、検討会の様子や、結論はまったく入手できなかった。

そもそも、私はこの実験にはかなり疑問点が多いと思っていた。

まず、見通しの悪いカーブ先の情報を手前に流せば、安全性は向上するに決まっている。
しかし、それを提供する手段は光ビーコンであり、装着している車両は極めて少ない。
その、極めて少ない車両のなかからモニターを選んで、意見聴取をしたのだろう。はたして純粋に何人集まったか知りたい物だが。

モニターから、見通しのわるいカーブ先の情報が提供されることに対して、ネガティブなコメントが出るわけがない。
そんなの、実験なんかするまでもなく全く当たり前のことである。

一方で、この実験で実際に事故が減る訳はない。なぜなら、光ビーコン付きナビの装着車は極めて少ないからだ。
もし、事故が減ったとか、カーブへの進入速度が落ちたなどの発表がされるとすれば、それは別の理由-カーブの手前の路面に設置された、注意を喚起する赤いストライプ状の凹凸-によるものだ。

結果、この実験からは絶対に「新しい発見」はない。「試すまでもなく判っていること」を、敢えて実施し、なんかしらのアドバルーンにするという意味しかないはずだ。

そういう意味から、なんかしらのプレス発表があってもいい頃だと思う。そして、その内容が「従って路車間通信は事故軽減に有効なのだ」というようなふざけたものだったら徹底的に批判しようと待ちかまえているのだが。

国交省は先月、財務省から無駄な道路関連の実験を指摘されたばかりだから、ちょっと引いているのかもしれない。