来年1月からのNHK大河ドラマの原作本。
幕末四賢候のひとり山内容堂の先祖でしょ?
嘘くさい逸話を持つ内助の功の奥さんの話でしょ?
と、斜に構えつつ読み始めたのだけど、これがけっこう面白い。
何度もいろんな本で読んでいる戦国時代だけど、視点が新鮮。
真面目で篤実がとりえの山内一豊が、土佐藩を任される大名になれたのは、
奥さんの千代の知恵や政治判断能力、一豊への絶大な信頼によるところが大きい。
千代が、賢しぶらず茶目っ気たっぷりに一豊を教育していく様子は
微笑ましくも感心させられます。
亭主関白と思ってるのは当のご亭主だけで、実はかかあ天下、
千代が手のひらで転がしてるんだけど、それを隠すのが天才的に上手い。
北政所や利家の正室まつと似ている感じ。
その誠実な一豊は、関が原の功で土佐二十四万石の国主になった途端
鼻持ちならない自信家、謀略家へと変身してしまいます。
ちなみにこのくだりを読むと、幕末の土佐藩を作った原因が本当によくわかる。
藩主容堂がなぜああまで佐幕にこだわったのか、なぜ上士と郷士の断絶が深かったのか、
全ての根源はここにあったのね。
そして千代は、二人の生涯の目標だった「一国一城の主」を手に入れた結果
人柄が変わってしまった夫を見て、自分が作り上げた夫がこうなってしまうとは、
二人で見続けた夢とは、自分の一生とは一体なんだったのか…と愕然としてしまいます。
喪失感と虚無感。
人は目標に向かって走り続けている時が一番幸せなのかもしれませんね。
これで1月から始まる大河ドラマへの準備は万端。
楽しみだ
幕末四賢候のひとり山内容堂の先祖でしょ?
嘘くさい逸話を持つ内助の功の奥さんの話でしょ?
と、斜に構えつつ読み始めたのだけど、これがけっこう面白い。
何度もいろんな本で読んでいる戦国時代だけど、視点が新鮮。
真面目で篤実がとりえの山内一豊が、土佐藩を任される大名になれたのは、
奥さんの千代の知恵や政治判断能力、一豊への絶大な信頼によるところが大きい。
千代が、賢しぶらず茶目っ気たっぷりに一豊を教育していく様子は
微笑ましくも感心させられます。
亭主関白と思ってるのは当のご亭主だけで、実はかかあ天下、
千代が手のひらで転がしてるんだけど、それを隠すのが天才的に上手い。
北政所や利家の正室まつと似ている感じ。
その誠実な一豊は、関が原の功で土佐二十四万石の国主になった途端
鼻持ちならない自信家、謀略家へと変身してしまいます。
ちなみにこのくだりを読むと、幕末の土佐藩を作った原因が本当によくわかる。
藩主容堂がなぜああまで佐幕にこだわったのか、なぜ上士と郷士の断絶が深かったのか、
全ての根源はここにあったのね。
そして千代は、二人の生涯の目標だった「一国一城の主」を手に入れた結果
人柄が変わってしまった夫を見て、自分が作り上げた夫がこうなってしまうとは、
二人で見続けた夢とは、自分の一生とは一体なんだったのか…と愕然としてしまいます。
喪失感と虚無感。
人は目標に向かって走り続けている時が一番幸せなのかもしれませんね。
これで1月から始まる大河ドラマへの準備は万端。
楽しみだ