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中小企業での販売管理プログラムの作成についての所感

アルファ碁

2016年03月13日 09時37分30秒 | Weblog
イ・セドル九段とアルファ碁の対局を見た。
現在、第3局を終わって3タテでアルファ碁が勝っている。
第1局はアルファ碁の強さがわからないので、イ九段も時間をあまり使わず、考慮時間を残して負けてしまった。
第2局、第3局は見た目にもイ九段の真剣さが分かり、本気度が画面からも伝わってくる。

解説は高尾紳路九段だったのだが、「これははっきりイ九段が良いですね」と言ってる側から、数えてみると「からなずしもイ九段がいいわけでもないですか、、、」と言ってる始末で、アルファ碁の形勢判断が人間とは違っているのは明らかだった。
高尾九段の形勢判断はそのままイ九段の形勢判断で、今後、囲碁界に大きな反響を呼ぶのではないかと思う。

中央思考と言えば、宇宙流武宮正樹九段だが、一世を風靡した三連星も統計を取ってみると必ずしも勝率が良くなかったので今では見ることもない。アルファ碁の中央重視ははっきり計算ずくのものだろうし、あのイ・セドル九段に勝ってしまったということで、中央の考え方がまた変わってくるかもしれない。

全く素人考えなのだが、あまり戦いもせずサラサラと勝ってしまうところは、なんだか道策っぽいな、と思ってしまうのだ。道策に詳しい酒井猛九段の感想を是非聞きたい。

囲碁はチェス、将棋と比較してコンピュータが人間に勝つのはまだまだ、先のことと思われていた。今回、DeepMindが使ったコンピュータは1200cpuだという。日常的に使っているコンピュータはCore i7でさえクアッドコアで1200cpuというのがどれほど大規模なシステムか想像がつく。

今後、イ九段に勝ってしまったアルファ碁といろんな棋士が対局を希望するようなこともあるかもしれないが、これほど大規模なシステムだと直ぐに運用するのは費用的に難しいかもしれない。日常的に対局できるようなサービスをGoogleが提供できるようになれば良いのだが、商業ベースに乗るまではまだしばらく時間が必要だろう。

対局中、聞き手佐野真氏が「正しいコミが決まるかもしれない」と言っていたが、なるほど確かにその通りだと思った。さすがに鋭い見方だと思う。元々、コミ5目というのは、本因坊秀策が「5目は出せる」と言ったこともあり、大半の棋士の印象だったのだろう。かなり前になるのだが、週刊碁で趙治勲九段と三村智保九段だったか、9路盤を研究していて「コミ6目半よりもっと大きいかもしれない」と言っていたことがあった。(何目というのは記憶がハッキリしないのだが、、、)

コミがハッキリしないので、日本では6目半、中国では7目半、韓国では6目半とまちまちだ。また、ルールにしても日本ルールあり、中国ルールありで世界的に普及しているにもかかわらず一定しない。この際コミも含めて、統一ルールを作れば良いのにと思う。

コンピュータと人間の対局で、人間が負けたことでショックだ、という感想が多いのだが、どのみちどこかの段階でコンピュータが勝つ時期が来ることは明らかだった。今回、イ・セドル九段の実績から「まさか負けることはないだろう、、、」という下馬評だったのだが、蓋を開けてみると完敗だった。まだ2局残してはいるが、3連勝しただけでアルファ碁の凄さがわかる。

人間が負けたとか、そんなことよりイ・セドル九段に勝ってしまうシステムを作ってしまったGoogle、DeepMindの偉業を讃えるべきだと思う。
コメント
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