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ブタ体内でヒトのiPS臓器 東大教授、8月メド米で実験

2015年06月25日 | 再生医療
ブタ体内でヒトのiPS臓器
東大教授、8月メド米で実験
2015/6/25 3:30 日経朝刊

 米スタンフォード大学と東京大学を兼務する中内啓光教授は8月をメドに人間の臓器を持つブタを作る実験を米国で始める。人のiPS細胞をブタの体内で膵臓(すいぞう)や肝臓まで育てる計画で、病気を起こした臓器の働きを補う再生医療への応用をめざす。世界に先駆け5~10年内の実用化を目標にしている。



 東大医科学研究所でiPS細胞の応用に向けた研究を重ねてきたが、日本は人間の臓器をもつ動物の作製を禁じており米国に研究機会を求める。
 実験では、まず遺伝子操作で膵臓を持たなくしたブタの受精卵を作る。そのままでは膵臓のない子ブタができるが、途中で人のiPS細胞を入れ別のブタの子宮に戻す。子ブタの体内には人のiPS細胞から再生された膵臓ができると考えている。マウスの体内でラットの膵臓を作る実験などには成功している。
 臨床応用では膵臓全体ではなく、血糖値の調整に必要なインスリンを出す膵島のみの移植が現実的とみている。神経や血管があまり混ざっておらず、膵島移植は広く実施されているためだ。
 ただ治療に使える膵臓を作るにはiPS細胞の作製法の工夫なども必要で容易ではないという。臓器の作製実験を繰り返し最適な条件を探る。人の肝臓をブタの体内で作る計画もあり、肝臓がんの治療などに応用したい考えだ。作製した肝臓に病気を起こし、新薬の効き具合や安全性を調べるといった利用法もある。
 政府は再生医療を成長戦略の重点分野の一つにあげ、関連法を施行して実用に近い技術の医療応用を後押ししている。一方で生命倫理問題が絡む前例のない技術の応用には慎重だ。「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」に基づく指針の下、人間と動物の細胞を混ぜて子宮に戻す実験は禁じている。
 海外では米国やイスラエルで人のiPS細胞などをマウスの受精卵に入れ、マウスに妊娠させた研究の報告がある。文部科学省の審議会が規制緩和を検討中だが、中内教授は「待っていてもなかなか前進しない」として、2014年から研究の大部分をスタンフォード大の拠点に移している。

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