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ポスト真実の政治の台頭

2017年04月09日 | 政治
ポスト真実の政治の台頭

【ポスト真実】という言葉が昨年末にオックスフォード英語辞典に2016年world oh for the year選考の際に定義されて載っている。定義によれば、「世論を形成する際に、客観的な事実よりも、むしろ感情や個人的信条へのアピールの方がより影響力があるような状況」とされ、この「ポスト真実」は、1992年にセルビア系アメリカ人劇作家スティーブ・テシックが、週刊誌「The Nation」のイラン・コントラ事件と湾岸戦争についてのエッセーで最初に使ったと述べている。

具体的には、湾岸戦争の時に、イラクに大量破壊兵器は無かった。イギリスではEU離脱の是非を問う国民投票の際に、離脱派のナイジェル・ファラージは投票前、EU加盟の拠出金が週3億5千万ポンド(約480億円)に達すると主張していたが、これは誤りであったことを同氏は選挙後に認めたことなどがポスト真実の例である。

また、昨年のアメリカ大統領選挙において、トランプ支持者向けの偽ニュースサイトが乱立。「オバマ氏がクリントン氏不支持」などの反クリントンのデマが流れたり、ヒラリー・クリントンとヒラリー陣営の元選対本部長ジョン・ポデスタが児童買春組織と関わっているというデマが流されるなど有権者の投票行動に大きな影響を与えたとされる。

この様に事実に基づかない情報が、恰も事実であるかのように拡散されてしまい、有権者がそれを信じて
投票してしまう異常な状況が起きている。これは民主主義の崩壊であり、客観的な事実よりも思想や感情から導かれる(嘘なのであるが)論理的整合性をもった嘘を大衆が支持するのは、Facebookでの「イイね」ボタンやシェアをはじめとするSNSで注目され、支持された事が、それなりの根拠があるに違いないと錯覚されて事実として記憶されてしまうことに問題がある。これは、事実確認という最も重要かつ基礎的なステップを省略していることに原因がある。

しかし、これらの誤りは、新しい現象ではなく、第二次世界大戦下の日本においても大手新聞、ラジオが
事実とは異なる大本営発表をそのまま伝え、大衆誘導に使われてきた過去がある。東日本大震災での
原発事故の際も、多くの嘘が原発擁護派からも反対派からも撒き散らされた。
最近では、豊洲市場での土壌汚染問題が、安全という意味では、科学的には何ら問題ないのであるが、
安心という感情の部分においては、疑問符がつき、大衆は【判断停止】に陥っている状況がある。
決着は、新たな事実が湧き出てくるか、悪者を探すことでつくのかもしれない。

【ポスト真実】と【政治】は、結びつきやすい。それは、政治が思想信条に基づくものであり、民意を無視出来ず、民主主義が選挙と多数決を意思決定のベースにおいていることから、ポスト真実と結びつきやすいのである。

従い、ポスト真実を主張する政治団体は、断言を繰り返しておればよく、これをマスコミが取り上げることで、事実に基づく意見・反論は無視される状況を作り上げることが政治手法として用いられる。

これまでの日本政治における伝統的な議論は、第二次世界大戦への大きな反省もあり、政治家が最も慎むべきこととされてきたと言ってよい。これは、【政治の良心】と言ってよい。

我々は、【ポスト真実の政治】を台頭させてはならない。