⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

酵母、「オートファジー」ノーベル賞で注目 遺伝子の6割共通/扱いやすく幅広く活用

2016年11月04日 | 新技術
酵母、ヒト研究の礎
「オートファジー」ノーベル賞で注目 遺伝子の6割共通/扱いやすく幅広く活用
日本経済新聞 2016/11/4 3:30

 2016年のノーベル生理学・医学賞を、東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが受賞する。大隅さんは生物が細胞内で不要になったたんぱく質などを分解し、栄養源としてリサイクルする「オートファジー(自食作用)」の研究を続けてきた。その始まりは微生物の酵母を使い、オートファジーの観察に成功したことだ。大隅さんは「細胞の基本原理は酵母で解けると信じている」と語る。酵母とはどんな生き物なのだろう。





 酵母は人類にとっては最も身近な微生物の一つで、細胞が1つしかない単細胞の菌類の総称だ。世界では1千種を超える種が知られ、多細胞の菌類であるキノコやカビの遠い親戚ともいえる。

 酵母の一種の出芽酵母はワインや日本酒、焼酎、ビールといったお酒のほか、パンを作るときに活躍。お酒が大好きな大隅さんは「酵母の恩恵にあずかってきた」と笑う。

 食品作りに欠かせない酵母は、生き物の基本的な仕組みの研究でも幅広く活用されている。1970~80年代には酵母を使った遺伝子やDNAの研究が活発になった。これは酵母の生命活動の仕組みにヒトとの共通点が多く、ヒトを研究するときのモデルとなるからだ。

 東京大学教授の大矢禎一さんは、酵母がモデル生物として好まれてきた理由は主に3つあると考える。大矢さんは学生時代に大隅さんの指導を受けて以来、酵母の研究を30年余り続けてきた。

 まず酵母は「実験室で扱いやすい」。交配して子孫を得たり、遺伝子を操作したりする実験が比較的簡単だ。1時間半~2時間で増殖するため結果が早く出るうえ、大きさが5~10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルと光学式顕微鏡で観察もできる。病原性がないという安心感もあった。

 次に「研究成果が蓄積されている」。出芽酵母は96年に真核生物として初めてゲノム(全遺伝情報)が解読された。ヒトやマウスの01年より早い。約6千ある遺伝子のうち9割は特徴が分かり、遺伝子を破壊して働かなくした変異体も入手できる。多くの研究が蓄積され、その成果をもとに新しい研究が始められる。

 最後に「ヒトの研究に応用できる」。遺伝の仕組みなどをもとにした生物の分類では、酵母はヒトを含む動物や植物と同じ真核生物に属する。酵母の遺伝子の6割がヒトと共通する。単細胞と多細胞という違いはあるが、まずシンプルな酵母で研究し、次にヒトでも調べるというアプローチが可能になる。

 酵母と同様に遺伝子の研究などに使われる大腸菌などの細菌は、原核生物と呼ばれる種類に属する。酵母の細胞ではヒトと同じようにDNAが膜に覆われた核に収まり、ミトコンドリアなどの小器官がある。一方、大腸菌などには細胞の核や小器官がない。酵母は、実験には「まさに良いことずくめ」(岡山大学准教授の守屋央朗さん)の生物だ。

特長生きた好例
 オートファジーの研究は酵母の特長が生きた。大隅さんは酵母を飢餓状態にすると、エネルギーを生むためにたんぱく質の分解が活発になると考えた。あえて分解酵素の遺伝子が壊れて働かなくなった酵母を用意し、顕微鏡で観察。膜に包まれたたんぱく質が液胞に取り込まれる様子を初めて捉えた。遺伝子が壊れてオートファジーに異常がある酵母を見つけ、関連する遺伝子も次々と特定した。動物や植物の細胞でもオートファジーが起きると分かり、あらゆる真核生物に共通する現象だと明らかになった。

 大隅さんのほかにも酵母を使った研究はノーベル賞に輝いている。01年の生理学・医学賞は細胞分裂を始めたり、止めたりする細胞周期の研究に贈られた。09年は細胞のがん化や老化に関わる染色体の末端部「テロメア」、13年は細胞内で物質を運ぶ仕組みの「小胞輸送」の研究が選ばれた。大隅さんと同じく、70~80年代に発表した酵母を使った研究が高く評価された。

 今でも酵母の優れた特長を生かした最先端の研究は活発。米科学誌サイエンスに今年発表された成果が良い例だ。2つの遺伝子が同時に壊れた酵母を分析し、どの遺伝子の組み合わせが影響を受けやすいかといった相互作用を網羅的に調べた。酵母をモデルに遺伝子の相互作用を調べれば、病気につながる遺伝子の組み合わせなどの解明につながり、治療法の手がかりになるかもしれない。

 染色体をゼロから人工的に合成したり、化学合成が難しい物質を遺伝子操作した酵母に作らせたりする研究も広がりを見せる。酵母の研究はますます奥深い。

(越川智瑛)


はるやま、たばこの臭い消えるスーツ

2016年11月04日 | 企業研究
はるやま、たばこの臭い消えるスーツ
2016/11/4 3:30 日経
 紳士服大手のはるやま商事は繊維に付着したたばこの臭いが消えるスーツを11日に発売する。生地に特殊な加工を施し、アセトアルデヒドなど臭いの元となる有害物質を分解、2時間後にはほぼ消臭する。年2万着以上の販売をめざす。