今日はちょっとまじめな話。
かつての若い母親たちは、三歳児神話に悩まされました。
三歳までは母親の元で育てることが「強く」推奨され、それが種々の事情で不可能な働く母親たちは自分を責め、苦しみながら子育てをしました。
あるいは、周囲の声に悩み、自責の念から仕事を辞めて「幼いわが子をこの手で育てられるのは今しかない」と自分に言いきかせ、
専業主婦に転身した人も多かったはずです。
しかし実際、今では三歳児神話は否定的です。
心理学の教科書でも、三歳児神話を実証することは出来ないと書かれているのが実際なのです。
最近では法整備も進み、子どもを持つ女性でも仕事をしやすい環境が整ってきてはいます。
それでも女性の心を縛るのは、法律でもなんでもなく、かつての因習「三歳児神話」です。
子どもの手が離れたら仕事なんていつだって再開できる。
でも、それってホントですか?
新卒のときのようないい条件で、元の職場に戻れます?
戻ろうとしたとき、キャリアを積んだ同僚たちと互角に戦えます?
なにより、企業が中途採用するときに設けている「年齢制限」、これが意外に厳しいこと、ご存知でした?
(ここまでは自分の実体験・苦笑)
第一、子どもの手が離れるのは《小学校に入ったら…》、でも保育園より預かり時間の短い学童保育は不安もあるし、
少し大きくなってから《小学校高学年くらいになったら…》、でもそろそろ周りの子どもたちも塾に行くようになり、送り迎えだってあるし…
結局いつまでたっても、子どもの手なんてかかり続けるものなんでしょう。
三歳児神話を信じて、一時的に仕事を離れた女性たちは、それきり仕事という自分の別の側面を切り離すことになったかもしれません。
仕事>子育て とはちーーーっとも思っていません
子どもは大事。腹は立つけど、愛しい可愛い娘です。
でも、出来ることを出来る限りするということと、出来ないことでも無理をしてでもやる、というのは明らかに違うと思うのです。。。
なぜ、今更「三歳児神話」の話をするのか?
それは、最近新しく登場した「朝ごはん神話」がまたもや母親たちを苦しめ始めたのではないかと思うからです。
朝ごはんをしっかり食べる子どもは成績がいい。
朝ごはんをしっかり食べる子どもは学校が楽しい。
そんなことをあちらこちらから聞いてきた母親たちは、朝の忙しい時間を更にどう工面して、朝ごはんをしっかり食べさせるか躍起になります。
(5月29日付日経新聞より)
研究者グループの調査で分かったこととして、
「学校が楽しいか」という質問に対し、
「とても楽しい」と答えたのは主食、主菜、副菜、一汁が四品揃った朝食を食べている子どもの61.8%。
一方で、そのうち二品以上が欠ける食事をしている子どもでは「とても楽しい」と答えたのは17.2%。
あぁ、これだけを見て、「やっぱり食事って大事なんだ~」なんて短絡的結論に至らないで欲しいですね。
私も食事は大事だと思ってますよ。大事だと思っているからこぞ毎日の食事を写真に取ったり、ブログつけたりしているわけですよ。
でも、あえて私は言いたい。
逆に、考えましょう。
二品以上欠ける食生活をさせている母親、どんな母親が多いと思います?
忙しい。
面倒なことが嫌い。
ご飯を作るのがメンドクサイ。
朝弱い。 …等々でしょうか。
では、そういう母親に育てられた子どもはどうなりますか?
いつも追い立てられている。
簡単に済ませることをよしとする。
食生活に関心を持たない。
ひいては、重要な栄養素まで不足する可能性もある。
子どもだって朝が苦手になる。
…つまりですね、四品揃った朝食を食べさせているから、子どもの成績が良くなるんではないんですよ。
結局は親の生活態度、教育姿勢。そこに尽きるんです。
極論すれば、目を尖らせ、鬼の形相で四品揃った朝食を突き出し、「残さず食べろ!」と言われる子どもが果たして「学校が楽しい」子どもになるでしょうか?
ちょっと専門的な話になりますけど、心理学ではこのあたりきちんと統制条件を整えないとデータとしての信憑性がないと判断されます。
もし「四品の朝食」と「二品欠品の朝食」の比較が、学校の楽しさに直結するのであれば、同程度に教育熱心で、同程度に家庭環境がよく、同程度に栄養バランスが整っていて、これらが同程度であるにも関わらず
「朝食が違うだけでこんなに子どもの楽しさが違ってくるのだ」
ということが実証できなくてはならないわけです。
今「早寝、早起き、朝ごはん」「朝ごはんはしっかりバランスよく、和食で」なんてことが言われていますけど、私はかなり懐疑的です。
子どもの成長には早寝早起きは重要ですし、出来ることなら朝ごはんも、昼も夜も、バランスよく食べたほうがいいです。
私も可能な限りそう心がけていますけど、
朝ごはんをしっかり食べさせさえすればいい
朝ごはんを何が何でもしっかり食べさせなくてはならない
こんな風に考えるのは本末転倒だと思うんですね。
うちは朝ごはんは、パンと飲み物と、果物とかおかずとかあればあるものを、その時によってですが決して毎日バランスがいいわけではないです。
でも、家族みんなが顔をあわせる夜ご飯は、出来るだけの手間をかけて作るし、食事が終わった後もだらだらくだらない話をしたり、娘と彼がキャーキャー言いながら遊んだりそんな暮らしをしています。
うちの娘、二品欠品した朝食ですけど、学校が楽しくないと言ったことはないですもん。
統計と言うのはあくまで傾向であって、結論ではないし、ましてその統計の母集団はどうだったのかとか、回答別の集団特性とか、そういうものを冷静に判断した上で結論して欲しいですね。
だから、私は三歳児神話も、朝ごはん神話も懐疑的です。
私が信じているのは、自分が母親として愛情だと思うことを精一杯する、それだけです。
【昨日の粗食】
わーい、ピザとっちゃった
たまにはこういうパーティっぽいこと、したいじゃん?
彼も「たまにはピザもいいなー」って、
ピザの折り込み広告見ながら言ってたし、
娘もピザを見て「わぁ~」って歓声を上げたし。
…私のご飯よりいいってことかい?!
バタバタしてたのでキュウリ&茗荷の千切りサラダと、
煮鶏くらいしかサブおかずは準備できなかったんだけど、
でもみんなで
「たまにはピザもいいね~」
とジャンクフードに舌鼓。
こんな日は片付けも簡単だし、
ゆっくりおしゃべりしたり遊んだり。
娘が寝る前にもゆっくり本を読んでやれましたよ。
今、娘のお気に入りは『ガリバー旅行記』です。
要は、臨機応変に、ということちゃいますか?
忙しい世のお母様方、朝ごはんがきちんと準備できないと悩んでるなら、その気持ちがある間は大丈夫だと思いますよー。
ね。