凄い映像...『Tidal』by 高木正勝 (京都芸術センター)

ピアノの伴奏とともに、めくるめく少女の笑顔...そしてその髪...

画面いっぱいに映し出された少女の映像は、しかし、ただならない
雰囲気をかもしだしています。少女の瞳には時に翳が射し、肌の色
はこの世のものとは思えません...それはまるで命を失くした亡骸の
ようにも見えます...

静かな短い音節をつむぐビアノにのったモノトーンの映像にはどぎ
つい描写があるわけではありません。でも...そんなに長くはないけ
れど、三度繰り返して次の作品に移ったその瞬間に、まだ観たい...
と思わせられる、強烈な磁場を感じました。

もしかしたら百五十年前のイギリス人は、こんなことを感じながら
ミレイのオフィーリアを眺めたかもしれないぞ...そんな夢想が浮か
んでは消えて行きます...

今年はいろいろあって、ひとつところで映像をみつめる気持ちには
なかなかなりません(それが横浜トリエンナーレの本丸に切り込めな
いひとつの理由なっています)。そんな心境にあって、久しぶりに凄
いと思った映像でした...

これは京都芸術センターで開催されている dualpoints という企画
で観たもの。高木さんと一緒に同じ会場で紹介されている softpad
の映像も素晴らしかったので、後日そちらも紹介します。
・dualpoints (京都芸術センター) - 10/13 まで...

また、高木正勝さん個展が白金の山本現代で開催されています。
・高木正勝展『イタコ』 (山本現代) - 9/27 まで

こちらのサブタイトルはイタコ。京都と同じプログラムのようです
が、イタコってことは、やっぱり...？もしや...？
いろんなわさわさした気持ちを抱えながら、また観にいくかもしれ
ません。

おまけ 1.
・高木正勝さんのサイト

おまけ 2.
こちらのサイトで高木正勝さんの過去の映像を集めています。
・高木正勝 (nakayosidaの日記)
＃ ネットで観られるとはいっても、やっぱりきれいな大きな画面
＃ で観たくなってくるなぁ...