マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 




(写真)第1回投票でトップとなったトミズラヴ・ニコリッチ・セルビア急進党代表代行

 報道によると、1月20日に投開票されたセルビア大統領選挙は、投票締め切り後の速報値によると、右派・民族主義派のニコリッチ(Tomislav NIKOLIC)セルビア急進党(SRS)代表代行(野党、議会最大政党)が約38%の支持を集め首位を確保。他方、民主党(DS)(民主派連立政権の与党第一党)で親欧州連合(EU)、親北大西洋条約機構(NATO)のタディッチ(Boris TADIC)現大統領約35%で2位につけたため、この上位2人が2月3日(2週間後)の決選投票に進むこととなったそうです。

(写真)第2位となった民主派連立政権与党第一党・民主党党首のタディッチ現大統領

 今回のセルビア大統領選挙は、コソボ地位問題に対する対応や民主派連立政権内部の主導権争いもあり、その行方が注目されていましたが、とりあえず第1回投票は、民族派、民主派それぞれが勝ち残る予想通りの結果となりました。但し、投票率は約60%と比較的高かった上(ちなみに1月20日はセルビア正教上の休日でもあった)、「どうせニコリッチ候補かタディッチ候補のどちらかが第2回投票に進むだろう」との予測が選挙民に流布したためか、「それなら第1回投票から本命候補に投票しよう」との流れがあったようで、ニコリッチ候補、タディッチ候補ともに予想より多くの票を第1回から集めた格好となりました(ちなみに、今回の選挙には上位2人以外に7人の候補が立候補していました)。

(写真)第2回投票の帰趨を握るともいわれる、コシュトゥーニツァ首相(セルビア民主党党首)

 第2回投票では、第1回投票でイリッチ(Velimir ILIC)社会基盤大臣(政党「新セルビア」(NS)党首)を支持(ちなみに同候補は約8%の票を獲得)した、民主派連立第2党のセルビア民主党(DSS)(党首はコシュトゥーニツァ(Vojislav KOSTUNICA)首相(ミロシェヴィチ政権を打倒した元旧ユーゴスラビア連邦大統領))がタディッチ大統領支持を明確に打ち出すかどうか、第1回投票の結果を受けて民主派支持層が第2回投票に殺到するかどうかが鍵、と言われています。いずれにせよ、欧州連合(EU)加盟を目指すタディッチ大統領と、コソボ独立を支持するEUに反発するニコリッチ代表代行のどちらが当選するかにより、コソボ問題、更にはセルビアのEU加盟にも大きな影響が出そうです



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