(2)ノートから-つづき-
近代化と西欧化
①政治的宗教、宗教の政治化が近代化の推進力になる。日本の場合は国体というか、天皇信仰であります。天皇信仰が明治以降の日本における近代化の推進力であります。
①(近代化の)目的設定のレベルはどこにあるかというと、個人や社会集団にあるのではなく、国家にある。個人ないし社会の近代化は、国家の近代化の要求に従属するわけです。
②そこで第一に、近代化は強度に目的意識的な過程であり、しかも第二に国家のレベルにおいて近代化が統一されるということは、当然近代化過程における政治的意識ということが問題になる。政治的な力が引っ張ってくるその国の近代的な要素が強いということになるのであります。一と二によって、近代化過程における政治的(軍事的)価値の優位が出てくる。
①上からの近代化の必然的な結果として、制度的な近代化と組織の官僚化ということが密接に結びつく。伝統の名による近代的政治制度に対する反抗は反官僚的意味を持つ。
②近代的な制度に対して伝統の名によって反抗することは、一面では近代に反抗するということから保守的意味を持ち、他面では反抗とか自由の要求が台頭してくる。
③決定過程の集中と統合が官僚化の過程であり、個人の流動性と選択の拡大を伴いながら人間関係が分解していく、これを民主化過程という。近代化というのは,官僚化過程と民主化過程の対極的過程の同時進行である。一方において統合と集中、他方において自発性と多様性の進展。
④統合性と自発性をどういう風にリンクさせるか。政治的価値の優位のもとに、国家の強力な指揮のもとに。多くは翼賛型の民主主義が考案される。反対の自由、少数者の自由、民主主義におけるそういうファクターよりも、大衆を政治過程に参与させるという面に重きを置いて、これによって自発的エネルギーをあげて民族的エネルギーに転化させるということがなされる。
(つづく)