読書日記と読書ノート 第三部(2013年6月~2015年6月) 吉野三郎

退職してから読書中心の生活をしています。読んだ本の感想を日記に記し、要点をノートに書いています。その紹介です。

195、ダール「ポリアーキ」-その4-(4/4)

2017-07-30 06:03:39 | 読書記録

(2)ノートから-つづき-

〈対談から〉

ダール

①政党は情報を簡略化された形で有権者に提示する。それによって、市民の政策選択は簡略化される。

②政党はまた、個人の利益や政策判断などと直接関係しない政党への忠誠心とか、非合理的な愛着なども動員する。

③したがって、選挙民が脱政党化するということは、政治における理性的な側面が高まってきたということでもある。

④政党への人々の執着が弱まっているなら、政党に代わって強力な政府と市民の中間的存在としての役割を果たすべき他の集団や組織を現代のポリアーキでは求めざるを得ない。

高畠

①市民団体の活動の活発化も、ファシズムと大衆国家(政治的アパシーの広がり)を防ぐ条件の一つではある。

②しかし、今日のポリアーキが直面するもう一つの問題は、専門技術をもった官僚制の機能と権力がとどめなく肥大し、政党の機能を形骸化するばかりでなく、市民団体の活動に対しても抑圧的に働くという問題です。テクノクラシ-によるポリアーキの変質という問題。

→ダール

①この問題の適切な解決の方向は、中央官僚機構の外に新しい制度を発展させることにあると思われる。

②市民参加ということがほんとうに生きるのは地方政治においてです。地方分権を含まないポリアーキは民主主義の名に値しない。

③地方分権は地域的なものだけではない。産業の中での労働者の参加の運動は、もっとも重要な変化の一つです。それは、民主主義とは個々の日常生活における習慣において意味を持つという認識が行き渡りつつあることの結果です。

④職場と地域という自分たちが生活している二つの現場における民主主義の実現が大切である。

 

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