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我が至上の愛 アストレとセラドン(映画)

2009年02月08日 | 映画
映画「我が至上の愛 アストレとセラドン

古典を忠実に再現したエリック・ロメール監督のこの作品。
映画を見た後の印象は、物語性の強いバレエを見た後の鑑賞後に近いものを感じました。
原作は17世紀に作られた「アストレ」。物語は5世紀のロワール地方が舞台です。1組のカップル、アストレとセラドンは、親に結婚を反対されているが、ある思い違いから別れ別れになり、しかし想いは絶えず、ついに結ばれる恋愛話です。

途中、ニンフや術師が出てきてセラドンを助けたり、セラドンが女装したりと色々あります。ただし、ニンフといってもどう見ても領主のわがまま娘で、セラドンを手放そうとしないのが、ギリシア神話調ですね。

映像は美しくお耽美です。フワリフワリとフランス文学のこういう感じが好きな人にはたまらないかも。逆に「鳩の翼」のようにしっかりとした人物描写の英文学がお好きな方は、ガクッとくるかも。

物語は、アストレがそのセラドンを探しに旅へ出るのですが、これがハリウッドならドラクエ調になる?のでしょうが、フランスですからいたって悠長で物見遊山的なんです。しかも軽薄男もくっついてきて、うたを歌ったり、やなことを言う。

それから終盤、セラドンの女装は、いくら美男とはいえ、どう見ても男。しかもセラドンと分からないのが不思議です。それが物語のお約束なんでしょうが。見ているうちに、青池保子先生の漫画「エロイカより愛をこめて」の伯爵(怪盗エロイカ)に見えてきてしまいました。顔ながーいですもんね。

そして唐突なラストに「えっ?」と客席多数から声が。
フランス古典や時代的な雰囲気、美しい衣装や風景がお好きな方はどうぞ。

監督・脚本:エリック・ロメール
出演:アンディー・ジレ/ステファニー・クレイヤンクール/セシル・カッセル/ジョスラン・キヴラン

<物語>5世紀、ローマ時代。羊飼いの少女アストレは恋人のセラドンが浮気をしたと疑い、「私の前に二度と現れないで」と一方的に別れを告げる。絶望したセラドンは川に身を投げるが、ニンフによって命を救われ、彼女たちの城へ迎えられる。その美貌がマダムの心をとらえ、留まるよう説得されるセラドンだったが、やがて城の暮らしを捨てると、アストレの言葉を忠実に守り村へも帰らず、ひとり森の中で暮らし始める。
URL: http://www.alcine-terran.com/wagaai/銀座テアトルシネマ他ロードショー

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