my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

【つるばら村】のものがたり

2006-01-08 17:35:10 | 好きな本
 絵本ではないのですが、
とても楽しい「村」シリーズを知りました。
 ほんとは、12月中に書きたかったのですが、時間がなく、
ずっと気持ちを抱えたままの年越しになってしまいました。

 新しい年の最初に書くのならどの絵本にしよう‥と帰省中も
ずっと考えていましたが、この「つるばら村」のことも
頭から離れず、それならば、どうしても「絵本」と、こだわる
ことなく、絵本同様のテイストのものを、自分の選んだ気持ち
そのままに書いていくことにしました。
(今までもそんな感じで、ゆるくやっていたので、今年も同じ
調子ということです。どうぞよろしくお願いいたします)

 さて、その村の名前は「つるばら村」といい、主人公は、
くるみさん。何歳くらいかな? 20代の中頃でしょうか。
町のパン屋さんを辞めて、おばあさんの住んでいたわらぶき屋根
の農家に引っ越して、宅配のパン屋さんを始めました。
そのくるみさんのパン屋さんの、最初の1年間の様子を
描いたのが『つるばら村のパン屋さん』という作品です。

 ページ数にして、115ページ。はちみつのパン。ドングリの
パン。三日月のパン。クリスマスのパン。あんこのパン。
ジャムのパン。といった具合に、目次にはおいしそうな
タイトルが並んでいます。
 舞台も、タイトルも、中村悦子さんの描いた挿し絵も、
とっても素敵なんですが、なんといってもパン屋さんの名前が
『三日月屋』というのです! シリーズものに弱い私は、
これだけでもう全巻読むぞーという気持ちで
いっぱいでした(笑)。

 さて、最初のお話「はちみつのパン」では、誰がパンを
頼みに来るでしょう‥。ある晩、戸口にレコードののった古い
蓄音機と、小さな壺、それと手紙が置いてありました。
手紙には「つぼの中のタンポポのはちみつを入れて、パンを
やいてください。なお、ごめんどうでも、パンをこねるときと、
パンをねかせるときと、パンをやくときに、蓄音機のレコード
を一回ずつきかせてください。」と書いてあります。

 手紙の通りにくるみさんが焼いたはちみつパンは、
「ふだんのパンより、かおりがなんともこうばしいのです。」

 そして、パンを受け取りに来た依頼主は、焼き立てのパンを
くるみさんから受け取り、こう言います。「もちっとして、
口じゅうに、タンポポのかおりと、はちみつのまろやかな
あまさがふわあっとひろがって、こんなにおいしいパンは
はじめてです。」

 「ほくほくした声」でこんなことを言ったのが、まさか
冬眠前の若いクマだなんて。

 くるみさんのお店には、普通な感じで動物たちがパンを
頼みに来るのです。でも、私が、とっても好きなのは、
それをくるみさんが、驚かないで受け入れているわけではない、
ところ。クマを見たときも「しりもちもついて口をぱくぱく
させた」し、「おっかなびっくり」頷いています。
でもそのうちに、平常心を取り戻し?お客さまとして、大切に
するのです。パンのお代もちゃんともらいます。
そんなところが、すごく好き。

 ちなみに、お代はたいていの場合、お金ではなく、
物なのですが。クマくんは、自分が持ってきたのと同じ音楽が
入っているレコードをお代として、くるみさんに渡しました。

 レコードの中にどんな曲が入っているか、とても気に
なりますよね。「それはまるで、だれかが、ちらちらと
木もれ日のおどる森の泉のそばで、草笛を鳴らしているみたい
でした。」

 春が待ち遠しいですね。


つるばら村のパン屋さん



『つるばら村のパン屋さん』








コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新しい年の最初の一日 | トップ | 【つるばら村】のものがたり... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (トモ)
2006-01-09 00:15:06
はじめまして。ひなたさんから教えてもらって遊びにきました。つるばら村シリーズほんとあったかくって、いいですよね!!茂市久美子さんの本はどれも大好きなのですが、私はアンソニーという、写真館を舞台にした物語が大好きです。また遊びにきまーす。







返信する
ようこそ (ruca)
2006-01-09 01:02:29
 トモさん、はじめまして。

hinataあらためsaonさんのところから、きてくださったのですね。とても嬉しいです。すぐにトモさんのところへもお邪魔してきました。今年になってブログを始められたのですね。saonさんがおっしゃるように、ここへ来てくださる絵本好きの方たちは、ほんとうに素敵な方ばかりです。絵本というものに、これだけの情熱を傾けることができる?! のですから。

 

 さっそく、教えてもらった茂市久美子さんの本、探して読んでみようと思います。またゆっくりと遊びに行かせていただきますね。
返信する
長女が (新歌)
2006-01-09 22:46:09
すごく気に入っていました。

まだ『パンやさん』と『はちみつやさん』しか読んでいないので

他のも早く借りてきてあげよう!

私は読んでいないのですが、長女もすすめていたので

読んでみようかしら。

何だかrucaさんの記事読んでいたら、おなかがすいてきちゃいました^^
返信する
私からもお薦めします (ruca)
2006-01-11 14:15:38
新歌さん、こんにちは。お返事遅くなりました。

(なんか、昨日からどうもコメント送信の具合が悪く、書き直しするのは3度目です)



お嬢さんが、つるばら村に親しんでいるなんて、うらやましいなあと思いました。小学中学年向きの本なので、小3のうちの娘も読みたがるかなあと思っていましたが、今のところ、あまり興味がないようで・・。



私も『はちみつ屋』さんはまだ読んでいないので、図書館で探してこようと思っています。たしか、はちみつ屋さんは、くるみさんの恋人のなおしさんがやっているお店ですよね?
返信する

コメントを投稿

好きな本」カテゴリの最新記事