Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ロスト・ワールド

2010-03-29 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★☆ 1997年/アメリカ 監督/スティーブン・スピルバーグ

「エゴイストがイイ人に大変身」

「ジュラシック・パーク」を先日見たので、続けて続編を再観賞。

見終わって長いなあと感じる。でも実際は129分の作品。サイトBで延々と恐竜に追いかけ回されるのが、とても退屈だから長く感じるんだろうなあ。でもって、何とか助かりましたじゃ前作と同じになってしまうから、恐竜をアメリカ全土に連れてくると言う展開に。これがラストの20分。どうせ前作と変えるんだったら、アメリカ本土に連れてきてからのストーリーをもっと膨らませればいいのにと思うけど、そうすると「キング・コング」のストーリーに酷似しちゃうんでしょうねえ。

前作では、泣き叫び逃げまどう、うるさい子供が恐怖の増幅装置としての役割を担っていたのだけど、本作では一転して行動的な黒人の女の子に変わっている。白人のマルコムの娘ということは、おそらく養子なんでしょう。「黒人で養子」という設定に少々偽善的意味合いを感じたりしちゃう私はひねくれ者なんでしょうかねえ。自分の都合で勝手に恐竜を作ったハモンド博士も本作では、環境保護を訴える人になっちゃうし。どうも、本作は人間のエゴイズムを非難しているようで、結局アメリカ人(特に白人)ってイイ人なんです、って結論になってるのが、何だか納得できない。

前作は、神に背いて勝手に命を操作した人間が自然界から壮絶なしっぺ返しをくらう。そのプロセスが純然たるパニックムービーに仕上がっていて爽快だったのに、本作ではあちこちで白人の偽善が見え隠れして、何ともむずがゆいのだった。

恐竜たちを救わなきゃって、勝手に檻を開けたり、怪我しているT-REXの赤ちゃんを手当したり。それが、大パニックになるわけで。何だか、昨今お騒がせの「シー・シェパード」を思い出してしまった。