375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

マラソン大会予定

◆2015年1月18日 HOUSTON MARATHON(TX州=2年連続2回目) ◆2015年4月20日 119TH BOSTON MARATHON(MA州=3年連続3回目) ◆2015年10月4日 TWIN CITIES MARATHON(MN州=初出場/米国26州目)

【大会レポート】2014年ヒューストンマラソン (2014 Chevron Houston Marathon)

2014年01月26日 | 大会レポート 2014



1月19日(日曜日)、テキサス州ヒューストンで開催されたヒューストンマラソンに参加。

2014年最初のレース。アメリカ国内では「ワールドメジャー」のボストン、シカゴ、ニューヨークに次ぐ「ナショナルメジャー」の筆頭格に位置する人気大会で、参加希望者が多く、数年前から抽選エントリーが採用されている。ただし抽選エントリーが始まる前に先行エントリー期間があり、資格タイムを満たしていれば優先的に出場できるので、今回はその方法でエントリー枠を確保。北米最速の冬マラソンと言われるほどのフラットコースでもあり、当然ながら好タイムを狙って、万全の準備を経て本番を迎えるはずだった。

ところが本番2週間前になって思わぬアクシデント。ただでさえ冬の悪天候で思うように練習ができないのに加えて、氷雨の歩道でスリップして転倒。その後遺症もあって、ベストには程遠いコンディションになってしまった。日常のジョグなら問題ない程度には回復してきたが、フルの距離ではどうなるかわからない不安が残り、今回ばかりは祈るような気持ちでスタートラインに立ったのである。

レース当日は幸いにして、気温は10~15℃程度、無風・快晴の願ってもないコンディション。高い費用をかけて走る以上、それなりの結果も出したかったので、目標はあくまでBQ確保に置き、それをモチベーションにして乗り越えていこうと心に決めた。

Mile 01: 8分41秒(08分41秒)
Mile 02: 8分28秒(17分09秒)
Mile 03: 8分30秒(25分39秒)
Mile 04: 8分17秒(33分56秒)
Mile 05: 8分17秒(42分13秒)
Mile 06: 8分24秒(50分37秒)

スタートは朝7時。まだ夜明けの光も届かぬ中、地元の大リーグ球団ヒューストン・アストロズの本拠地ミニッツメイド・パーク近くの路上からスタート。2マイル過ぎまでワシントン・アヴェニューを西に向かい、そこから徐々にライス大学方面に南下していくという序盤戦のコース。

最初の3マイルは様子見で8分41秒、8分28秒、8分30秒と遅めのペース。これだけゆっくりなのに今一つ余裕がない。もがき苦しんでやっと前に進んでいる感じで、マイルマーカーが見えてくるタイミングも体感より遅く感じる(前回のサヴァンナマラソンでは、これより速いペースでずっと余裕があった)。それでも辛抱して走っているうちに4~5マイルではやや体が慣れてきたようで、8分20秒を切るペースとなるが、それも長続きせず、6マイル目は疲れを感じてスローダウン。どうも体の切れがないし、心肺も苦しく感じる。このまま最後まで走りきれるだろうか、と不安な気持ちにもなる。

この6マイル目からは、3時間40分の女性ペーサー、ドッティ率いる集団に加わる。一人で走っていると際限なく落ちていきそうだったので、ペーサーの存在はありがたい。大柄なドッティのダイナミックなフォームを観察しながら、しばらく様子を見ることにした。

Mile 07: 8分15秒(58分52秒)
Mile 08: 8分09秒(1時間07分02秒)
Mile 09: 8分18秒(1時間15分20秒)
Mile 10: 8分18秒(1時間23分38秒)
Mile 11: 8分30秒(1時間32分08秒)
Mile 12: 8分10秒(1時間40分18秒)
Mile 13: 8分18秒(1時間48分36秒)
中間地点通過: 1時間49分31秒

8マイルの手前で、それまで一緒に走っていたフルとハーフの走者が分かれる。この大会はフルのランナーが多いので、分かれた後もほとんど淋しさを感じることがない。9マイルまではライス大学の北側を通過。ここから西に向かうユニヴァーシティ通りも心地良い並木道が続く。

ドッティ率いる集団に加わってからは、ようやくペースも安定してきて、8分15秒前後のラップを刻めるようになった。一時的にドッティの集団から先行する形になり、10マイル過ぎで第1回目のジェルを補給する。今回の秘密兵器はアメリカで人気急上昇中のハニー・スティンガー。驚異の回復力を生み出すといわれるミツバチ・パワーが、果たして功を奏するか?

12マイル目はフラットなヒューストンのコースでは唯一の橋越え。上りの途中で再びドッティの集団が追いついてきて、ここからはずっと道中を共にする。ほどなく中間地点を通過。1時間49分31秒。このままイーヴンで行ったとしても3時間39分台。またしてもBQに届くかどうかというギリギリの闘いになってきた。

Mile 14: 8分16秒(1時間56分52秒)
Mile 15: 8分34秒(2時間05分26秒)
Mile 16: 8分26秒(2時間13分52秒)
Mile 17: 8分24秒(2時間22分16秒)
Mile 18: 8分31秒(2時間30分47秒)
Mile 19: 8分25秒(2時間39分12秒)
Mile 20: 8分06秒(2時間47分18秒)

中間地点を過ぎるとポストオーク・ドライブという通りを北上。14マイル付近でテキサス最大のショッピング・モールといわれるガレリアの東側を通過する。勾配はずっとフラットなのだが、このあたりから何となく路面が硬く感じられ、15マイル目で8分30秒台にペースダウン。周りの集団も一緒にペースダウンしているので、みんな苦しいのだろう。ここで第2回目のハニー・スティンガーを補給。とにかく、今のペースを守っていかないとBQは遠ざかってしまうので、できるだけ集団から離れないように集中する。

17マイルを過ぎると東のダウンタウン方面に帰還するメモリアル・ドライブに突入。18マイル、19マイルとギリギリの闘いが続く。そして20マイル目の下り勾配でペーサーのドッティが加速。集団は一瞬ばらばらになり、落伍者も続出するが、ここは勝負どころなので必死についていく。8分06秒。苦しい場面でこの挽回は大きい。BQに向けて首の皮一枚残った・・・そんな状況でいよいよ運命のラスト・クォーターに突入する。

Mile 21: 8分26秒(2時間55分44秒)
Mile 22: 8分31秒(3時間04分15秒)
Mile 23: 8分13秒(3時間12分28秒)
Mile 24: 8分17秒(3時間20分45秒)
Mile 25: 8分02秒(3時間28分47秒)
Mile 26: 8分17秒(3時間37分04秒)

20マイル過ぎで第3回目のハニー・スティンガーを補給。すべては「最後の4マイル」に向けての準備である。確実に体力レベルが一段階落ちる22マイル過ぎをどうしたら乗り越えることができるか。自分なりに対策は考えてきた。それがうまく行くかどうか、という実験結果を出す意味でも、今回のレースは重要な意味を持っている。

21マイル(8分26秒)、22マイル(8分31秒)。苦しいながらも、ここまではペーサーのドッティのすぐ後ろについて、どうにか3時間40分のペースを保ってきた。そしていよいよここからが勝負、という段階で思わぬアクシデント。なんと前を行くドッティが転倒!

一瞬「あっ!」と思ったが、こちらも助け起こす余裕がなく、後ろ髪を引かれながらもこのままのペースで先に進む。運命の23マイル目。前回のサヴァンナではここで大きくペースダウンしたが、今回は意地でも強行突破してやる!という思いで、決死のスパート。なんと8分13秒に持ち直す。24マイル目もこの勢いを維持して8分17秒。土壇場になって思わぬ快進撃が始まった。25マイル目はさらに加速して、先行するランナーを次々とぶっちぎっていく。なんと8分02秒の最速ラップ。火の鳥復活とまでは言えないまでも、それに近い「炎の光速ダッシュ」で、宇宙都市ヒューストンの大観衆の待つダウンタウン・エリアに突入していった。

そして最後の1マイル、沿道の大声援を受けながら高層ビル街の大通りを全力疾走! やがて26マイルの表示を過ぎ、左に折れると、遠くゴールゲイトの見えるディスカヴァリー・グリーン沿いの直線コース。スタンドにはアメリカ国旗とテキサス州の旗が揺れ、まるで起死回生の逆転打を放った大ヒーローを迎えるような割れんばかりの歓声の中、信じられないようなストロング・フィニッシュでゴールゲイトを駆け抜けた。

Finish Time 3時間38分42秒(8:21/mile) BQ -1:18

前半ハーフ 1時間49分31秒、後半ハーフ 1時間49分11秒。
-20秒差で自身4度目のネガティブ・スプリットを達成!

スタートから22マイルまで苦しい場面の連続だったが、最後の4マイルだけは、まるで別の魂が乗り移ったかのような驚異の復活劇だった(前回のサヴァンナとは完全な逆パターン)。

そしてゴール後、このレースで最大の殊勲者とも言うべきドッティを出迎える。彼女に引っ張ってもらわなければ、とてもここまでは走れなかった。転倒後は逆にペースを上げたようで、30秒とたたないうちにゴール。感謝とねぎらいの言葉とともに、お互いの健闘を讃え合った。別れ際に彼女は一言、「疲れたわぁ~」。普段のレースペースより遅いとはいえ、フルを走ることに変わりはないのだから、ペーサーも楽ではない。

ともあれ、これで米国23州目となるテキサス州を制覇。
BQ達成州としてはデラウェア州(リホボス・ビーチ)、メリーランド州(B&Aトレイル)、ウィスコンシン州(ミルウォーキー・レイクフロント)、サウスカロライナ州(キアワ・アイランド)、ジョージア州(ロックンロール・サヴァンナ)に続く6番目の州となった。

記録よりも、記憶に残るレースのひとつになるだろう。

■MEMO■
総合順位 1052位/7048人中
男女別順位 835位/4408人中
年代別順位 37位/356人中


★コンヴェンションセンターで行なわれたEXPO。ベンダーの出店も多く、まさにテキサス・サイズの規模だった。


★オフィシャル・スポンサー「スケッチャーズ」のコーナー。最近はおしゃれ靴ばかりでなく、マラソンウェアの開発にも力を入れている。


★地元ヒューストンで開催されるレース「リズム&ブルース・ハーフマラソン」のポスター。テキサス在住であれば参加してみたい大会だ。


★毎年1月1日にテキサス州キングウッドで開催される「テキサスマラソン」の巨大メダル。マニアックの人気度が高い。


★ペーサー・チームが写真付きで紹介されている。3:40の左側の女性ペーサー、ドッティが大きな役割りを果たした。


★「Go Houston!」の看板を掲げ、ゴールに向かうランナーを応援する人たち。


★ゴール後はコンヴェンション・センター内のフードコートで食事が出る。


★チャリティ・ヴィレッジ内のヒューストン・アストロズ投球練習場(?)の前で記念撮影。


★完走メダル、完走シャツ、完走ビールグラスの3点セット。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】ロックンロール・サヴァンナマラソン (2013 Rock 'n' Roll Savannah Marathon)

2013年11月17日 | 大会レポート 2013

 

11月9日(土曜日)、今年で第3回目を迎えたジョージア州のロックンロール・サヴァンナマラソンを走る。

1973年に全米ナンバーワン・ヒットとなったグラディス・ナイト&ザ・ピップスの「夜汽車よ、ジョージアへ(Midnight Train To Georgia)」の歌詞そのままに汽車でサヴァンナ入りすることも考えたが、結局予算の関係で夜行バスとなった。それでもニューヨークから17時間かけての陸路の旅はアメリカ大陸の大きさを実感させるには十分なもので、久しぶりにバックパッカー的な「旅の原点」に立ち返る貴重な体験となった。

サヴァンナはアメリカ南部を代表する観光地で、18世紀以来の面影を今に残すダウンタウンの歴史地区は世界遺産の候補リストにもあげられている。最近では映画『フォレスト・ガンプ』の冒頭シーンが撮影されたことでも知られており、そういう魅力的な街を舞台にするなら、ファンランとまでは言わないが、あまりタイムにこだわることなく、情緒あふれる美しい街並みを楽しみながら走りたいと考えていた。

スタートは朝7時。気温は9℃前後の絶好のコンディション。周囲が明るくなりかけてきた頃、サヴァンナ川に近い市庁舎前を皮切りに、ダウンタウンの西側へ向かうベイ・ストリートをまっすぐに進むコースでレースは始まった。最初の1マイルは8分17秒と順調な出足。前回のフルは序盤から突っ込みすぎて失敗したので、今回は先を急がず、終始リラックスしてラップを刻んでいくことを自分に言い聞かせた。

Mile 01: 8分17秒(08分17秒)
Mile 02: 8分27秒(16分44秒)
Mile 03: 8分24秒(25分07秒)
Mile 04: 8分08秒(33分15秒)
Mile 05: 8分13秒(41分28秒)
Mile 06: 8分13秒(49分41秒)

設定ペースはざっくり見積もってマイル8分20秒。3マイルまではこの数値に近い速度だったが、体が温まってきた4マイル目からは意識して加速したわけではないのに、自然にペースが上がってきた。調子はいい感じなのでマイル8分15秒くらいでも大丈夫だろうと判断しつつ、決して突っ込みすぎないように、沿道の応援やロックバンドの演奏に手を振って応えるような余裕を持ってレースを進めた。

5マイルあたりから、見どころの多い歴史地区に突入。沿道の応援がにぎやかになり、街の風景もいちだんと美しさを増す。6マイルに届く手前で南部で最も美しい教会建築物といわれるセント・ジョン・バプテスト大聖堂を通過。サヴァンナを代表する名所なので、オフィシャル写真隊もこのあたりに待ち構えている。ここからオグレソーペ通りに出ると、反対車線で折り返してくるランナーたちの姿が木陰に次々と見えてくる。7マイル地点で、ガールスカウトの創設者で知られるジュリエット・ロウの生家を通過(現在、外観は改装中)。その後コースはダウンタウンの東側に出て、閑静なレジデンシャル・エリアに入っていく。

Mile 07: 8分17秒(57分58秒)
Mile 08: 8分13秒(1時間06分11秒)
Mile 09: 8分09秒(1時間14分20秒)
Mile 10: 8分16秒(1時間22分36秒)
Mile 11: 8分29秒(1時間31分05秒)
Mile 12: 8分02秒(1時間39分17秒)
Mile 13: 8分03秒(1時間47分10秒)
中間地点通過: 1時間48分05秒

8マイルを過ぎて、ウエストポーチに用意していた第1回目のエナジー・グミを補給。ここまではファンランと言うほどではないにしろ、十分ゆとりのあるペースだったので、まったく疲れる兆候はなかった。最近のレースで疎かにしがちだったスポーツドリンクの補給も、今回は確実に行なうようにして、終盤でのエネルギー切れに備えた。

曲がり角が多くやや時間のかかった11マイル目を経て、12マイル目の途中でハーフのランナーと別れ、急に淋しくなったタイミングで応援のほとんどいないハイウェイ区間に突入。このあたりが最も精神的にきついところで、早くここから逃れたい気持ちを反映して若干ペースが上がった。ハーフ通過タイムは1時間48分05秒。このまま最後までイーヴンで行けば3時間36分台という、抑え気味のわりには上々のペースで前半ハーフを終えた。

Mile 14: 8分14秒(1時間55分24秒)
Mile 15: 8分18秒(2時間03分42秒)
Mile 16: 8分06秒(2時間11分48秒)
Mile 17: 8分13秒(2時間20分01秒)
Mile 18: 8分15秒(2時間28分16秒)
Mile 19: 8分08秒(2時間36分24秒)
Mile 20: 8分17秒(2時間44分41秒)

中間地点を過ぎるとようやくハイウェイを脱出し、再びレジデンシャル・エリアへ。15マイルからはサヴァンナ州立大学のキャンパス内のコースとなり、ブラスバンド隊など学生たちの応援でひときわにぎやかになる。やがて陸上競技場のトラックを一周。花形陸上選手になったような高揚した気分で17マイルを通過した。

ここまでは、ほとんどペースが落ちる様子もない。17マイルで脚が終わった前回のフルとは大違いで、だいぶ復調の兆しが見えてきたのは収穫だった。18マイルを過ぎるとハイウェイを越えていく橋にさしかかる。ここで第2回目のエナジー・グミを補給。その後19マイルから21マイルにかけて、郊外の美しい公園を行き来するコースとなった。

このあたりまで来ると、さすがに若干脚に疲れを感じ始めてきた。20マイルに到達すればほんのあと10キロに過ぎないのだが、この「あと10キロ」がいかに長いことか…。
それは何十回マラソンを走ろうとも、変わることのない試練のラスト・クォーターとして立ちはだかることになる。

Mile 21: 8分21秒(2時間53分02秒)
Mile 22: 8分19秒(3時間01分21秒)
Mile 23: 8分57秒(3時間10分18秒)
Mile 24: 8分55秒(3時間19分13秒)
Mile 25: 9分16秒(3時間28分29秒)
Mile 26: 9分22秒(3時間37分51秒)

21マイル、22マイル。疲労度は増してきたが、ここまでは失速することなく持ちこたえた。
しかし23マイル目。途中から再びハイウェイに突入する正念場なのだが、このとき体の中から急速に力が抜けたような感触があり、ついさっきまであれほど元気だったのが嘘のように、目に見えて脚が重くなってきた。多少のペースダウンは覚悟していたものの、時計を見ると8分57秒。一気に9分台が迫ってきた。

このままズルズル落としてはなるものか、と挽回を図る。ハイウェイ上の24マイル目、前を行くランナーを必死で追い、少しは持ち直したかと思いきや8分55秒。これが精一杯。

ようやくハイウェイを抜けるとハーフのランナーと合流する直線コースに出る。すでにスタートから3時間を過ぎている時間帯なので、ほとんどがウォーカーなのだが、それにしても邪魔なくらい多い。いくら疲れたとはいえ、さすがにウォーカーよりは速いので、どんどん集団を追い抜いて行く。25マイルのラップ、9分16秒。ついに9分を越えてしまった。しかし残りはあとわずかだ。ここまで来たら最低でもBQで逃げ切りたい。その一心で、途方もなく長いラスト・マイルを必死になって走った。

やがて26マイルの表示を通過。もう時計は見る余裕はない。最後の曲がり角を経て、ゴールのフォーサイス公園まで一直線のラストスパート。めくるめく大歓声の中、どちらがフルのゴールでどちらがハーフのゴールなのか、さっぱりわからなかったが、とにかく目の前に待ち受けるゴールゲイトをまっしぐらに走り抜けた。

Finish Time 3時間39分38秒(8:23/mile)。

通算43回目のフルマラソンで自己歴代5位。

最後の4マイルはまさに断崖絶壁のスリルを味わったが、どうにか22秒差でBQを確保した。
気候も良く、コースも概ねフラットだったのも幸いしたかもしれない。
もちろん昨年の絶好調時には及ばないが、9月の撃沈レースよりはずっと内容が良く、22マイルまでは完璧なレース展開だったこともあり、正直、十分満足してもいいと思う。最近の練習状況から見ても、これくらいが妥当なタイムではなかろうか。

ジョージア州制覇で、米国22州目に到達。
BQ達成州としてはデラウェア州(リホボス・ビーチ)、メリーランド州(B&Aトレイル)、ウィスコンシン州(ミルウォーキー・レイクフロント)、サウスカロライナ州(キアワ・アイランド)に続く5番目の州となった。

次は10週間後に予定しているテキサス州のヒューストンマラソン。
全米有数の高速コースという評価なので、万全の準備をして、昨年のミルウォーキー以来の3時間35分切りを狙ってみたいと思う。
忙しい師走の時期にどれだけ走り込めるかがカギになるだろうけど…

■MEMO■
総合順位 321位/3059人中
男女別順位 243位/1414人中
年代別順位 6位/77人中


★宿泊ホテルのすぐ目の前に荷物預かりのUPSトラックが待機。


★スタート前、白装束のエルヴィス・プレスリーを発見し記念撮影。


★ベイ・ストリートの夜明け。スタートの号砲を待つランナーたち。


★ロックンロール・シリーズ恒例のフィニッシュライン・コンサート。


★ステージでは熱い演奏が繰り広げられています。


★ヘビーメタルな衣装でハーフの部を完走した4人組。


★フルの部を完走した3人組もステージをバックに記念撮影。あれ? 何かおかしい・・・
滅多にないハプニングが起きているのがわかるでしょうか。

どうやらゴール時にハーフのフィニッシュゲイトに飛び込んでしまったらしく、そのままハーフのメダルをボランティアからもらっていたようです。幸い会場から立ち去る前に気がついたので、その場でフルのメダルと交換してもらうことができました。


★フォーサイス公園の白い噴水に向かうゴール後のランナーたち。


★打ち上げは有名な南部料理店パイレーツ・ハウスにて。


★パイレーツ・ハウスを仕切る海賊の女の子と1枚。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】第2回ムナキー・ミステリー・ラン5K(2nd Annual Moonachie Mystery Run 5K)

2013年10月28日 | 大会レポート 2013



10月26日(土曜日)、自宅から徒歩圏内の隣り町ムナキー(Moonachie)で開催されたムナキー・ミステリー・ラン5Kに参加する。
昨年から突然始まった謎のハロウィン・レース。地域住民が組織するロータリー・クラブ主催の手作り&手作業の大会で、参加者は100人を少し越える程度。まともなエリートランナーなら見向きもしないであろう・・・と思われる大会に2年連続で出場した。

昨年はやや調整不足で23分以上かかってしまったので、今年はせめて22分台で走りたいと思い、事前にコースを試走しながら作戦を練った(このあたりは地の利ともいえる)。

スタート直後は微妙に上り勾配、住宅地に入ってから最初の1マイルはやや曲がり角が多いので、後半に向けてエネルギーを温存しながら勝負をかけたほうがいいと判断。前半は無理のないペースで様子を見ることにした。

以下、マイルごとのペース。

Mile 01: 分15秒(07分15秒)
Mile 02: 7分24秒(14分39秒)
Mile 03: 分12秒(21分51秒)

最初の1マイルは思惑通り、8割程度の力で先行するランナーについていく。7分20秒台でもかまわないと思っていた1マイル目のラップは7分15秒。意外に速い表示が出たのでメンタル的に楽になった。ここで女子30歳代2位のクラウディアを追い抜き(名前はレース後に調べた)、その前方に先行する白覆面の男を追いかける展開となる。

2マイル目の通過は7分24秒。まだ少し余力がある・・・と思ったところで、やや年配気味の男性に抜かれた。同年代だとしたら順位が一つ下がることになるので必死についていく。しかしこの男性はペースが速すぎたので深追いせず、再度白覆面の男にターゲットを切り替えた。

そして最後のレッドネック・アヴェニュー。途中でいったん白覆面の男をとらえ、このまま引き離そうとするが・・・敵もなかなかしぶとい。最後の下り勾配で猛然と抜き返されてしまった。あとでリザルトを見ると彼は30歳。これでは馬力負けしても仕方がない。

・・・というわけで、かなり追い込んだ状態でゴールにたどり着いた。

Finish Time 22分34秒(7:16/mile)。

昨年テタボロー空港5Kで出した自己ベストには12秒及ばなかったものの、もともと23分を切れれば上出来と思っていたので、十分満足できる結果といえよう。

そして、発表されたリザルトを見てびっくり。
な・なんと年代別3位入賞!
10歳刻み(50-59歳)なので期待していなかったのだが、どうやら今回は50歳代の層が薄かったようだ。

これで、2週間前のロックンロール・ブルックリン10Kに続き2戦連続の入賞。
最近のレース内容に関しては5K、10K、ハーフまでは万全に近い線まで行っている。

あとはフルマラソンさえクリアできれば、何も文句のつけようのない1年・・・ということになるのだが。

■MEMO■
総合順位 24位/134人中
男女別順位 17位/59人中
年代別順位 3位/10人中


★今年もNJJR(NJ州在住の日本人ランナー+α)の面々6名が参加。今や隠れた人気大会になりつつあるようだ。


★コスチューム賞をゲットしたキャプテン・アメリカと記念撮影。


★エイジ入賞でトロフィーをもらったのは史上初の出来事。ローカルといえども、なかなか侮れない大会である。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】ロックンロール・ブルックリン10K(2013 Rock 'n' Roll Brooklyn 10K)

2013年10月15日 | 大会レポート 2013



10月12日(土曜日)、ロックンロール・シリーズで唯一NYCで開催されるロックンロール・ブルックリン10Kに参加。距離が10Kということもあり、ロックンロールの大会としては参加費用も安く、しかも立派なメダルをもらえるので美味しいレースのひとつである。

ただし場所がNJ州の自宅からやや遠く、スタート時間も早いので、本来ならNYCで1泊しなければならないのがネックだったが、今回は以下の方法でホテル代を節約することにした。

①前日、仕事を早めに終えて帰宅し、3時間ほど仮眠。
②夜のバスでNYCへ。
③NYCの某レストランで夜食。
③NYCの某カラオケボックスで3時間ほど過ごす(ぶっ通しで36曲歌った)。
④24時間営業のマクドナルドに移動し、朝食。
⑤5時過ぎ、地下鉄でブルックリンに移動。

睡眠不足で多少朦朧としていたものの、問題なくレース会場のProspect Parkに到着した。慣れてくれば、今後も使えそうな方法である。

到着後は入念にアップ。コラル1でMie姫と落ち合い、いよいよスタート時間を迎えた。

Mile 01: 分44秒(07分44秒)
Mile 02: 7分23秒(15分07秒)
Mile 03: 分26秒(22分33秒)
5K地点通過: 23分18秒

Prospect Park内のイースト・レイク・ドライブをスタート後、コースはいったんParkから出て、フラットブッシュ・アヴェニューを北へ向かうルートを取る。最初の1マイルは概ねフラットながら、ゆるやかな上り勾配が混じるということもあり、体が若干重く感じられたので、あまり突っ込まずに8割程度の力で行く。7分44秒。やや遅すぎたか。

Grand Army Plazaで折り返してからの2マイル目は、来た道を引き返すコース。ここは逆に下り勾配になるのでペースアップ。7分23秒。ここまでMie姫もすぐ後ろについてきていた。

3マイル目はParkの東側から南側にかけての外周。ここもフラットなので、タイムを稼ぐチャンスとばかりに快速ペースを維持する。やがて5K地点通過の表示。23分18秒。マイル7分30秒前後なので、後半の追い上げによっては自己ベスト更新の可能性も残されていた。

Mile 04: 分41秒(30分14秒)
Mile 05: 7分49秒(38分03秒)
Mile 06: 分25秒(45分28秒)

5K地点を過ぎてProspect Park内のサウス・レイク・ドライブに突入。ここから、やや疲れが出てきた。こういう場面で無理に引っ張ると撃沈するという教訓があったので、多少ペースダウンしてエネルギーの回復を待つことにする。すると、ここまで後ろについていたMie姫がすーっと追い抜いていき、そのまま走り去ってしまった。ハーフでは負けたことがなかったのだが、今回は追いかけるのが厳しい。このあたりは、若さの差というべきか・・・(その後もMie姫は快調に飛ばし、なんと年代別1位でゴールしていた。)

4マイル目を7分41秒で乗り切ると、いよいよ正念場となる5マイル目の上り区間。ここは最小限の失速に抑えるべく、ありったけの力を出す。上出来の7分49秒。そして最後は下り勾配の6マイル目で全力疾走。PR更新は難しくても、なんとか46分台は維持しておきたいという必死の思いで前方のランナーを追いかける。6マイル地点も過ぎ、残り0.2マイルを狂乱のラストスパート! めくるめく大歓声の中で、ゴールゲイトを通過した。

Finish Time 46分54秒7:33/mile)。

昨年4月のScotland Runで出した自己ベストには22秒及ばず歴代3位となったが、今年5月に走ったNJ州のNewport 10,000のタイム(47分02秒)はわずかに上回ったので、一応本年度の10Kベストということになった。

そして何よりも特筆すべきは・・・な・なんと年代別3位入賞!
(賞品はあとから郵送されるとのこと)

3月の13.1 New York Half(3位)、6月のMatt Fenton Memorial 5K(2位)に次いで今年3度目の年代別入賞となった。

55歳なので5歳刻みなら有利ということもあり、時期が時期だけに、強豪ランナーがあちこちのレースに散らばっているというのもあるだろう。スケジュールが合えば、また出場してみたい穴場の大会である。

■MEMO■

総合順位 218位/4114人中
男女別順位 178位/1400人中
年代別順位 3位/47人中

 
★ゴール後、無料ビールがふるまわれるビアガーデンにて。

 
★サイケな色彩が楽しいスーヴェニアシャツ(Brooks製)と完走メダル。


★ロックンロール・シリーズ恒例のPost-Race Concert。

 
★Prospect Park内を帰路に着くランナーたち。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】第36回クラレンス・デマー・マラソン(36th Annual Clarence DeMar Marathon)

2013年10月06日 | 大会レポート 2013



9月29日(日曜日)、NYCからグレイハウンド・バスで6時間、ニューハンプシャー州の街キーンで毎年開催されるクラレンス・デマー・マラソンに参加する。

ボストンマラソン7回優勝の「伝説のランナー」クラレンス・デマーの名を冠した歴史的背景のあるレース。例年200~300人程度のランナーが参加する小規模な大会だが、36回目となる今年は過去最高の完走者410名を記録。マラソンブームの波に乗って地方の大会も徐々に参加数が増えつつあることを実感させられた。


スタート時の気温7℃。レース終盤では16℃くらいに上がることが予想されていたが、まずは文句のないコンディション。のボストンマラソン以来、5ヶ月ぶりのフルマラソンということで、レース勘がどこまで機能するかという問題はあったものの、どこからの情報だったか「ダウンヒルの高速コース」と勘違いしていたこともあり、2週間前に走ったハーフマラソンでの感触からも「BQ圏内で十分闘えるだろう」と楽観的な見通しを立てていた。

・・・が、そこに大きな落とし穴があったのである。

山間地のグリサムからキーンのダウンタウンまでのワンウェイ・コース。前半は概ね下り…とエレベーション・チャートを見た限りでは思えたのだが、実際は随所に上りもあり、当初の予想以上に脚を使わされることになった。

Mile 01: 7分32秒(07分32秒)
Mile 02: 8分27秒(15分59秒)
Mile 03: 8分10秒(24分09秒)
Mile 04: 分18秒(32分27秒)
Mile 05: 分01秒(40分28秒)
Mile 06: 分08秒(48分36秒)

最初の6マイルは気持ちのいい渓流沿いのコース。紅葉になりかけている季節なので実に景色がいい。あくまでBQペースを意識していたので先手を打ち、周囲の飛び出しに合わせて最初の1マイルを疾走する。7分32秒。ちょっとこれは速すぎた。ここはすぐに冷静さを取り戻し8分10秒前後をキープするように調整する。下り基調ながら上りもある予想以上のローリング・コースだったが、調子がいいという錯覚があったせいか、序盤戦の段階では何の心配もしていなかった。

Mile 07: 分13秒(56分49秒)
Mile 08: 分14秒(1時間05分03秒)
Mile 09: 分22秒(1時間13分25秒)
Mile 10: 分25秒(1時間21分50秒)
Mile 11: 分16秒(1時間30分06秒)
Mile 12: 8分34秒(1時間38分40秒)
Mile 13: 分16秒(1時間46分56秒)
中間地点通過: 1時間47分47秒


8マイル目までは想定どおりのペースだったが、9~10マイル目はやや脚が重くなってきたような自覚があり、8分20秒台に落ちた。それでもこの時点では十分に挽回可能と思えたので、11マイル目では頑張って8分16秒に持ち直し、運命の12マイル目を迎える。

12マイル目は巨大なサリー・ダムに堰き止められた湖と大自然を見渡すことができる絶景ポイントで、ダムを渡ったところにある12マイル地点を折り返し戻ってくるというコース設定になっている。この12マイル目が8分34秒。絶景には感動したが、肉体的にはかなり疲れが溜まってきたのがわかった。ここでもう一度挽回すべく13マイル目は気合を入れて8分16秒に引き戻すのだが…

あとから振り返ってみれば、ここは無理に挽回しないほうがよかった。素直にペースダウンしてエネルギーの回復を待つべきだったのだが、やはり心のどこかに過信があったのだろう。知らず知らずのうちに、限度を越えて引っ張りすぎてしまうというミスを犯してしまったのである。

ハーフ通過タイムは1時間47分47秒。一応BQ圏内を維持していたものの、このペースで押し切る余力はもはや残っていなかったことを、やがて知ることになる。

Mile 14: 分34秒(1時間55分30秒)
Mile 15: 分13秒(2時間04分43秒)
Mile 16: 分24秒(2時間13分07秒)
Mile 17: 分59秒(2時間22分06秒)
Mile 18: 分03秒(2時間31分09秒)
Mile 19: 分27秒(2時間40分36秒)
Mile 20: 9分34秒(2時間50分10秒)

14~15マイルは右手にゴルフ場を臨むコース。ここも景色はいいが上り勾配になるので、疲れた脚にはかなりこたえる。15マイルではついに9分越え。これでBQ圏内を維持するのは難しくなった。16マイルで若干挽回するものの、特に難所とも思えない17マイル目で9分近くかかったのは意外な展開だった。いくらなんでも、ここで脚が終わるのは早すぎるのではないか。

調子が悪かったり、難コースであることが最初からわかっていればそれなりの対処ができたのだが、調子も良く、高速コースであると錯覚していた場合は始末に負えない。今回はその典型的な失敗例となってしまったようだ。

Mile 21: 分24秒(2時間59分34秒)
Mile 22: 11分08秒(3時間10分42秒)
Mile 23: 10分25秒(3時間21分07秒)
Mile 24: 11分20秒(3時間32分27秒)
Mile 25: 10分42秒(3時間43分09秒)
Mile 26: 10分02秒(3時間53分27秒)


それでも21マイルまでは9分台を維持していたが、22マイル目は体力レベルがさらに急降下し、なんと11分を越えてしまった。マイル11分台というのは、久しく見たことがない。2009年9月のモントリオール以来という気がする。普段のジョギングでもマイル9分台で走れるわけだから、どれだけ脚が死んでいるかがわかろうというものだ。

ここまで来ると「次の1マイル」が途方もなく長い。果たして完走できるのか? という不安さえ生まれてくる。いや、せめてサブ4だけは維持しておきたい。それには、とにかく歩かないこと。歩くような速度であっても「走っているのだ」という意思表示だけは忘れずに、前を向いて進むことを心がけた。

やがてキーンのダウンタウン・エリアに突入。23~24マイルのあたりがグリーンロウン・セメタリーという大きな墓地の敷地内を通過するコースで、なかなかの見どころになっている。幽霊たちの大声援も聞こえるような気がする。ここを抜けると閑静な市街地。そして街の中心メイン・ストリートへ。このメイン・ストリート沿いにクラレンス・デマーが教鞭をとっていたキーン・ステート・カレッジがある。そのキーン・ステート・カレッジの正門ゲートを潜り抜け、キャンパス内のゴールまでの最後の直線を全力疾走。大声援に迎えられ、26.2マイルの長い長い闘いを終えた。

Finish Time 3時間55分00秒(8:58/mile)。

どうにかサブ4を死守。現在の自分にとっては不本意だが、サブ4が精一杯だった頃の自分を久しぶりに思い出すことができたという点では悪くない経験だったかもしれない。こういう失敗レースはサラッと軽く流してもいいのだが、ある意味、成功したレースよりも「真似してはいけない見本」として役に立つと思うので、あえて詳細を記すことにした。

ともあれ、これで米国21州目を制覇。
通算42回目のフルマラソンで34回目のサブ4を達成した(20戦連続サブ4を継続中)。

■MEMO■
総合順位 144位/410人中
年代別順位 29位/62人中


★緑豊かなニューハンプシャー州キーンのダウンタウン風景。


★現キーン・ステート・カレッジの前身キーン・ノーマル・スクールの建物。クラレンス・デマーはここで教鞭を取っていたという。


★フル前日のパスタディナー会場では、大会名の由来となっているクラレンス・デマーの生涯がスライドで紹介された。写真は1912年ストックホルム五輪に参加したアメリカ・チーム。前列一番左がクラレンス・デマーで、この大会では12位だったが、12年後の1924年に参加したパリ五輪で銅メダルを獲得する。


★クラレンス・デマーのシルエット入りのスーヴェニア・シャツ(ナイキ製)。


★山間地からスタートするワンウェイ・コースなので、スタート・ビレッジまでのシャトルバス・サービスがある。


★今回の大会ではクラレンス・デマーの娘であるベティ・デマー・ミューラーさんがスターターを勤めた。


★キーン・ステート・カレッジの正面ゲイト。このゲイトを潜り抜けたキャンパス内がゴールとなる。


★いつになくゴール後のダメージが大きかったが、30分ほどで回復し記念撮影。


★前日のパスタ・ディナーで知り合ったウィン・イングルバート氏(CA州サンディエゴ在住)と記念の1枚。
今回が76回目のフルマラソンとのこと。


★クラレンス・デマーの略歴付きポートレイトと完走メダル。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】ロックンロール・フィラデルフィア・ハーフマラソン(2013 Rock 'n' Roll Philadelphia)

2013年09月22日 | 大会レポート 2013



9月15日(日曜日)、2010年から4年連続でロックンロール・フィラデルフィア・ハーフマラソンに参加する。

前身のフィラデルフィア・ディスタンス・ラン時代も含めた過去5回の出場中、4回PR更新。自他共に認める「最も神風が吹きやすい大会」であり、好天率100%のレースで今年もシーズンの開幕を迎えた。

そして今回もいい感じで冷え込み、スタート時の気温は13℃。またしても絶好のコンディションに恵まれることになった。あとは自分自身の仕上がりさえ良ければ万全と思えたが・・・

今年は例年に比べると4~7月の走行距離が少なく、8月になって久しぶりに300kmの走り込みを行なったものの、感触としては絶好調時の8割程度の状態のように思われた。大きなレースもボストンマラソン以降ご無沙汰していたので、とりあえず具体的な目標設定は最初の2~3マイルを走ってみた上で判断しようと考えていた。

アメリカ国家の斉唱に続いて「ロッキーのテーマ」が高らかに鳴り響く中、朝日が昇るフィラデルフィア・ダウンタウンに向かってスタート。まずは最初の1マイルに全神経を集中する。

Mile 01: 7分32秒
Mile 02: 分34秒(15分06秒)
Mile 03: 分38秒(22分44秒)
Mile 04: 分36秒(30分20秒)
Mile 05: 分38秒(37分58秒)
Mile 06: 7分38秒(45分36秒)
10K地点:  (47分10秒)

全力疾走の8割強の感覚で1マイルをダッシュして7分32秒。
この最初の1マイル、昨年はなんと7分20秒で通過していた。

昨年の場合は意識しなくてもスピードが出てしまうような状態だったので、2マイル以降は飛ばし過ぎないように抑える必要があったのだが、今回は抑えると遅くなりすぎてしまうように思えたので、とにかく頑張って、このまま7分30秒台を維持するという戦法で行くことにした。

5マイル目の通過タイムだけは今年のほうが上回ったが(昨年は7分41秒)、全体的にはスピードの絶対値が落ちているのか、なんとなく余裕がない感じ。5マイル以降は下り勾配になり、反撃のチャンスだったので、川の上流に向かって蛇行するコースを直線で走るという高等戦術を織り交ぜながら、とにかく1秒でも挽回するという意識で必死に食い下がった。

やがて10K地点を通過。47分10秒。
決して遅くはないペースなのだが、昨年はなんと10Kの自己ベストに1秒差に迫る46分33秒で通過しているので、どれだけ驚異的なペースで爆走していたかがわかる。

Mile 07: 分32秒(53分08秒)
Mile 08: 分34秒(1時間00分42秒)
Mile 09: 分29秒(1時間08分11秒)
Mile 10: 分34秒(1時間15分45秒)
Mile 11: 分23秒(1時間23分08秒)
Mile 12: 分41秒(1時間30分49秒)
Mile 13: 分29秒(1時間38分18秒)

さらに上流に向かっていく7~8マイル。常識的に考えれば川の上流は「上り」になるはずなのだが、そうならないのがこのコースの不思議なところで、どう見ても下り勾配のようにしか思えない(毎回同じことを言っているような気がするが)。9マイル目の川の対岸に渡る橋越えが若干上りになるのがポイントで、昨年も今年もここはあえてペースアップして乗り越えた。しかし、どうしても昨年に比べるとマイル数秒づつ遅いので徐々に差が開いて行き、10マイル地点でちょうど1分の差がついた。この時点で昨年と同じ1時間37分台を維持するのはちょっと難しいように思えてきた。

11マイル目は7分23秒の最速ラップを計時。意識して加速したわけではなく、もしかしたらマイルマーカーの位置が微妙にずれていたのかもしれないのだが、昨年はなんと7分13秒で通過している。この10秒の差が「神風」というものなのだろう。実力を上回る不思議な力というか、やはり神秘的な追い風がどこからか吹いていたような気がする。

12マイル目は最も苦しい山場で、このレースで初めて7分40秒を越えた(あるいは11マイル目が短い分、12マイル目が多少長かったのかもしれない)。最後の1マイルは1時間38分台を維持すべく全力疾走。ゴール前の上り坂を最短距離で駆け上がり、フィラデルフィア美術館前の大観衆の声援を浴びて、一気にゴールゲイトを駆け抜ける。間一髪のタイミング、と思われたが・・・

Finish Time 1時間39分01秒(7:34/mile)。

わずかに38分台には届かなかった。

それでも自己歴代3位!
昨年の神がかり的なタイムには及ばなかったものの、33回目のハーフマラソンで通算5回目となる100分切りを達成!
どうにか最低限の面目は保った・・・といえるレースだったかもしれない。

次のハーフマラソンは未定だが、できれば春のブルックリン・ハーフをもう一度走りたい気持ちがある。フルに関しては多少変化に富んだコースのほうが面白いが、ハーフに関してはタイムがモチベーションのすべてなので、基本的にフラットな高速コースのみに集中していきたい。

■MEMO■
総合順位 1382位/18074人中
男女別順位 1034位/7046人中
年代別順位 27位/410人中


★ゴール後のビアガーデンでふるまわれるビール「Michelob ULTRA」。


★ゴール後の記念撮影(with yuさん&Mieさん)。


★EXPO内に作られたアトラクション。その名も「RUN HAPPY ISLAND」。


★暴れ馬ならぬ「暴れシューズ」のロデオもあり。


★色とりどりのロックンロール・シリーズのメダル。


★前夜祭はダウンタウンのイタリア料理店にて。


★完走メダルとお土産のハイテクシャツ(Brooks製)。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】第16回テタボロー空港5K(16th Annual Teterboro Airport 5K)

2013年07月21日 | 大会レポート 2013



7月20日(土曜日)、「夏の定番」テタボロー空港5Kレースに6年連続出場。

今年で16回目を迎えたNJ州屈指の人気を誇る賞金レース。超フラットの滑走路を走るので、気候が良ければ自己ベストを狙える高速コースなのだが、これが猛暑の時期に当たると日陰がないだけに灼熱の耐久レースとなる。今年は後者だった。

8時半のスタート時間に合わせるように直射日光が全開。今月に入って走り込みも足りず、気候もこの状態なので、無理せず22分台後半くらいでまとめられそうなペース配分でレースを進めることにした。

1マイル通過は7分29秒。最近の5Kレースとしては最も遅く、ハーフマラソンと変わらないような序盤戦。このまま中間地点の折り返しまで同じスピードを維持し、帰路に入ってから段階的にペースを上げていこう・・・というのが当初の思惑だった。

とは言うものの、2マイル通過は7分25秒・・・と、さほど変わらず。
ただ、このくらいのペースであれば、さすがに最後の1マイルで撃沈することはなく、多少の余裕を残していたのは好材料だった。

ここで満を持して全力疾走の体勢に入り、先行するランナーを一人ずつ追い抜いていく。
日差しがジリジリと照りつけ、ともすれば朦朧とした意識の中に埋没しそうになるが、こんな時に励みになるのはゴール後の豊富なエイド。
最後はそれだけを考えながら、ゴールゲイトを駆け抜けた。

Finish Time 22分28秒(7:14/mile)。 AGPP 68.23%

年の自己ベストには6秒及ばなかったものの、最終マイルで思った以上に追い上げることができ、レース展開としては上々だった。
結果的には猛暑のコンディションに合わせて後半に比重を置いた作戦が成功したといえるだろう。

現時点では秋に向けた練習はまだまだこれからなので、本格的なレース・モードには程遠いのだが、そろそろ走行距離を伸ばして、9月のロックンロール・フィラデルフィア・ハーフの時点では万全のコンディションで臨みたいと思う。

■MEMO■
総合順位 115位/629人中
男女別順位 102位/395人中
年代別順位 9位/32人中

 
★今回はNJ州在住ランナーのみならず、はるばるNYCから国境を越えてくる遠征組も加わった。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】第3回マット・フェントン・メモリアル5K(2013 Matt Fenton Memorial 5K Run/Walk)

2013年06月02日 | 大会レポート 2013



6月2日(日曜日)、リトルフェリー町内会主催の5Kレースに3年連続出場。

イラクでのコンバット活動中に戦死したリトルフェリー出身のMatt Fenton軍曹(享年24)の追悼イベントとして、2011年に初めて開催されたこの大会も3年目を迎えた。今年は昨年10月末に少なからぬ被害をもたらしたハリケーン・サンディからの復興ランという意味合いもあり、NY州からの遠征組も含めて500人を越えるランナーが集まった。

スタート会場は自宅から徒歩5分。荷物も預けなくて済むし、これほど楽な大会はない。
いつもの「おはようラン」コースで1マイルのウォーミング・アップを済ませた後、スタートラインに並ぶ。ガンタイム・オンリーなので遠慮なく白線のすぐ後方を確保するのがポイントだ。

スタート直後は、まっすぐに伸びるフラットなメインストリート。1kmくらい直線が続くので、意外にタイムを稼げる区間。やがて左に折れてしばらく行くと1マイルのデジタル時計。7分20秒くらいを目安に考えていたが、それを遥かに上回る7分08秒で通過する。

調子としては悪くない。やや突っ込みすぎではあるが、このくらい貯金があると後半楽になるだろう・・・という思惑とは裏腹に、焼けつくような暑さが急速に体力を消耗させていくのがわかった。ここからは先行するランナーに離されることなく、必死についていくことに専念する。

少し前をエメラルド色のウェアを着た女の子が先行していたが、やや足取りが鈍っているようで、ほどなく追い抜いた。彼女が女子総合3位となったジェシカなので、自分より速い女性ランナーは2人だけという、いかにもローカル大会ならではのレベルである。

2マイル通過は7分21秒。予想通りペースダウンしてきたものの、これ以上落とさなければ、おそらく入賞圏内だろう・・・と思われたので、最後の1マイルはオーバーヒートしないようにできるだけ同じペースを維持しながら逃げ切りを図った。幸い、追い抜いていくようなランナーもいない。それどころか、歩き始めているランナーもいる。5K以上はとても走れそうもない灼熱の耐久レース。とにかく無事にゴールすることが先決だ。

最後の1マイルは途方もなく長く感じた。曲がり角を何度か曲がり、ようやく最後の直線コースへ出る。ゴールゲイトを目指して最後の全力疾走。その向こうではシャワーのような水しぶきが勢いよく放水されているのが見えた。

Finish Time 22分30秒(7:15/mile)。 AGPP 68.26%

自己ベストから8秒落ちで、昨年の大会と同タイム。
レース展開もだいたい似たようなもので、5Kレースはどんなに頑張っても22分30秒前後・・・というのが、ここ数年の定番となってきたようだ。

そして・・・年代別では、なんと2位入賞!
昨年は3位だったが、エイジグループ昇進の恩恵で一歩前進となった。
ちなみに1位のランナーはマイル6分45秒なので、自分とはだいぶ力の差がある。
どこの大会でもそうだが、1人か2人くらいは鬼のように速いランナーがいるので、優勝はなかなか難しい。
今の段階では、地道に2位か3位を狙うというのが定番になりそうだ。

■MEMO■
総合順位 25位/552人中
男女別順位 23位/272人中
年代別順位 2位/23人中

 
★アワード・セレモニーを終えて記念撮影。


★ゴール後の水しぶき。これを浴びた時は天国の気分だった。

 
★会場ではMatt Fenton軍曹のフラッグを振る女性も。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】第117回ボストンマラソン(117th Boston Marathon)+爆破事件ドキュメント

2013年04月22日 | 大会レポート 2013


★ボストンマラソンの前日に行なわれた5Kレースのスタンド風景。平和の祭典そのものの雰囲気だったが・・・

4月15日(月曜日)、マサチューセッツ州の祝日(Patriot's Day)に開催された伝統のボストンマラソンを走る。
今年で第117回。快晴で気候も涼しく、絶好のマラソン日和となった。
舞台の幕開けは、ボストン中心部から26マイル離れた郊外の街ホプキントン(Hopkinton)。
このスタートラインに立つまでに何年かかっただろうか・・・

ボストンマラソンを走るためには年代ごとに設定された資格タイムをクリアしなければならない。
才能のある人にとってはそれほど難しくないかもしれないが、平均的な市民ランナーにとっては決して簡単ではなく、それなりの練習と経験を積んでいかないと、なかなかそのレベルには到達しないものだ。自分の場合は、2004年のニューヨークシティマラソンが初の公式レースだったので、なんと走暦10年目での初舞台となる。

ちょうど、下積み生活の長かった演歌歌手が念願の紅白歌合戦に出場したようなもの、と例えることもできるだろう。

フルマラソンはこれが41回目。すでにベテランと呼ばれてもおかしくないほどの域に達しているつもりだったが、今回ばかりは、初マラソンの時と同じような緊張感があった。

自分のコラル(WAVE2の第7コラル)に入ってみると、今まで参加したどのレースよりも若い女性ランナーの比率が大きいことに気がつく。ボストン資格タイム(BQ)には30分の男女差があり、3時間30~39分台のタイムで出場できるのは、男性の場合は55歳以上に限られる・・・という事情があるので、このタイムゾーンは圧倒的に女性多数なのだ。そうなると、当然ながら、モチベーションが大きくなり過ぎるのをいかに自制するか・・・という闘いになっていく。

そしていよいよ夢の26.2マイルがスタート。ボストン市内のゴールを目指して長い波乗りが始まった。

Mile 01: 8分21秒(08分21秒)
Mile 02: 8分13秒(16分34秒)
Mile 03: 8分15秒(24分49秒)
Mile 04: 分10秒(32分59秒)
Mile 05: 分14秒(41分13秒)
Mile 06: 分08秒(49分21秒)

2マイルまでがホプキントン(Hopkinton)。それ以降はオリジナル・スタート地点があったアシュランド(Ashland)となる。
スタートから一気に下って、ぐぐっと上り、また下っていくという序盤戦。基本的に4マイルまで下り基調が続くので、できるだけ脚を使いすぎないように摺り足走法で進む。

5マイルからはフラミンガム(Framingham)。どの街もローカル色あふれる応援風景が楽しい。
体もいい感じに温まってきたようで、ここからしばらくはマイル8分10秒以内のペースになる。

Mile 07: 分08秒(57分29秒)
Mile 08: 分09秒(1時間05分38秒)
Mile 09: 分15秒(1時間13分53秒)
Mile 10: 分20秒(1時間22分13秒)
Mile 11: 分15秒(1時間30分28秒)
Mile 12: 8分07秒(1時間38分35秒)
Mile 13: 分14秒(1時間46分49秒)
中間地点通過: 1時間47分44秒

7.5マイル過ぎからナティック(Natick)に入る。なるべく周囲のランナーに合わせて飛ばし過ぎないように進んでいくのだが、時おり後ろから颯爽と追い抜いていく美女ランナーもいるので、ついつい追って行きたい誘惑にかられそうになる。
そこをいかに我慢するか・・・が前半のポイントかもしれない。

そうこうするうちに12マイルに到達。女子大で有名なお待ちかねのウェレスリー(Wellesley)に入る。
ここだけは思い切り楽しもう・・・ということで、コースの右沿いの位置をキープしたまま、いつ果てるとも知れない女子大生の手から手にハイタッチ。さすがに他のランナーのように抱きついたりキスをしたり・・・という余裕はなかったが、黄色い大声援の中で時間を忘れるひとときを過ごすことができた。

やがてハーフポイントを通過。1時間47分44秒。
自己ベストのミルウォーキーの中間タイムより1分遅いだけという快調なペース。
このままイーブンなら3時間35~36分くらいでまとめられるだろう・・・そのような計算も一瞬頭をよぎったが、それはとうてい甘い見通しだったことが後になって思い知らされることになる。

Mile 14: 分18秒(1時間55分07秒)
Mile 15: 分12秒(2時間03分18秒)
Mile 16: 分11秒(2時間11分29秒)
Mile 17: 分39秒(2時間20分08秒)・・・上り1
Mile 18: 分41秒(2時間28分49秒)・・・上り2
Mile 19: 分27秒(2時間37分16秒)
Mile 20: 8分52秒(2時間46分08秒)・・・上り3

16マイルで運命のニュートン(Newton)に入る。ここからが、いよいよ上り坂攻撃の始まり。
17マイル目の最初の坂、18マイル目の2番目の坂。どちらもややペースを抑えつつ無難に乗り越える。
18マイルを過ぎたところでチアガールの仮装をしたじょうちゃんが追いついて来た。
「一緒に写真を撮ってもらおう!」といわれたので、写真ポイントを並んで通過。それからじょうちゃんは颯爽と前へ行ってしまった。やはり坂に慣れている人は違うなぁ・・・と感心しながら、19マイルまでの比較的平らな区間で疲れを抜き、再び20マイルの上りへ。ラップも9分近くかかるようになってきたが、3番目の上り坂を越えた時点で「大きい坂はあと1つ!」と自分に言い聞かせながら、残り6マイルのラスト・クウォーターに突入した。

Mile 21: 分56秒(2時間55分04秒)・・・上り4(Heart Break)
Mile 22: 分13秒(3時間03分17秒)
Mile 23: 分38秒(3時間11分55秒)・・・上り5(???)
Mile 24: 分40秒(3時間20分25秒)
Mile 25: 分56秒(3時間29分31秒)
Mile 26: 分04秒(3時間38分35秒)

そしていよいよハートブレイク・ヒル。道路にもハートが割れる絵が描いてあるので、まさしく「これ」とわかる。
難所中の難所という覚悟があったので、思ったよりは早く終わったかな・・・という印象。マイルペースも9分以内に押さえ、坂を上りきった時に一度離されたチアガールのじょうちゃんにも追いついた。「まだ余力がある」と判断し、ここからの下り坂は一気にペースを上げていく。8分13秒。いつもなら、ここまま押し切って行けそうな展開に思われた。

しかしボストンのコースが手ごわいと実感したのは、ここからだった。なんとブルックライン(Brookline)に入る23マイル目でもう一度上り坂に出くわしたのである。「あれっ、上りはもう終わったんじゃないの?」という動揺が微妙にリズムを崩す。たいした坂ではないはずなのに、これが最後の決定打になり、残り3マイルは体力レベルが急速にガタ落ちしてしまった。

まさに「強打者は打ち取ったものの伏兵にやられた」という感じである。24マイル、25マイルは比較的平坦にもかかわらず8分台後半を維持するのが精一杯。これだけ脚を限界まで使い切ったレースも最近記憶にない。残り1マイル、BOSTON市街地に入り、沿道の大声援を浴び、遠くに見える青いゴールゲイトに向かいながら最後は気力だけで走り続けた。

そしてついに・・・10年間夢に見た初ボストンのゴールゲイトに到達!

Finish Time 3時間40分26秒(8:25/mile)。

41回目のフルマラソンでは自己歴代5位(1位のミルウォーキーから6分02秒落ち)。
13回目のワールドメジャーマラソンでは自己歴代1位(従来の1位は2009年シカゴの3時間41分36秒)。

という結果となった。

欲をいえばBQラインの3時間40分を切りたかったが、コースの難易度を考えれば、よく健闘したほうかもしれない。
16マイル過ぎの坂対策は今後の課題になるだろうけれども。

それにしても、初めてのボストンはやはり新鮮だった。申し込み後の丁寧なインストラクションから、レース前日のEXPO、当日のアスリートヴィレッジ、本番のコースに至るまで、ランナーの聖地と呼ぶにふさわしい雰囲気に満ちあふれていた。

まさに「夢が実現した1日」・・・と、感動的なエンディングにしたいところだったが・・・

ここからは歴史的事件のドキュメントとなる。

■フィニッシュラインを通過後、水を支給しているエリアは素通りし、次のエリアでゲータレードを受け取る。
■女性ボランティアから完走メダルを受け取る。
■バゲージ・エリアの入り口で、このレースを最後に帰国する「どららの相方」さんと出会う。しばしの間、立ち話。
■自分のバゲージを預けたバスを探している途中、かめさんとすれ違う。
■バゲージを受け取った直後、同じバスからバゲージを受け取ったちゃきさんと出会う。
■脚のダメージがあったので、ちゃきさんと別れた後、しばらくの間、バゲージ・エリアの入り口付近で休む。
■突然、ものすごい爆発音が聞こえる。
■周囲にいたランナーは皆、「何があったのか!?」と顔を見合わせ、爆音のあったゴールの方向を振り返る。すぐさま2回目の爆発音。白い煙がもうもうと上がっているのが見えた。
■サイレンとともに救急車、消防車があちこちから駆けつける。
■騒然とした雰囲気の中、宿泊ホテル(シンフォニー・センター近くのMidtown Hotel)に戻る。すでにチェックアウトしていたので、預けていた荷物を受け取り、着替えを済ませ、Prudendial Centerのフードコートへ行こうとしたが、すでに警察が入り口に集まり、立ち入り禁止になる直前だったので、トイレだけ借りて、その場を離れる。
■会社の同僚から安否確認の電話が入る。どうやらTVなどで大騒ぎになっているらしい。
■ボストン・コモン公園の近く、Park Plaza Hotelに隣接したオーブンパンが営業していたので、簡単に昼食を済ませる。
■地下鉄(Boylston駅)は封鎖されていたため、徒歩でサウス・ステーションへ。
■5時頃、サウス・ステーション到着。バスの時間まで余裕があったので、インターネットで情報収集。家族からも安否確認メールが来ていたので返信しておく。
■7時30分発ニューヨーク行きのバスに乗車。無事ボストンを脱出する。

今回のマラソンで自分がゴールした時、ゴールゲイトの公式時計はWAVE2の3時間44分54秒を指していた。
最初の爆発が起きた瞬間の公式時計はWAVE3の4時間09分43秒
WAVE2とWAVE3のスタートは20分差なので、それを含めると、44分49秒の時間差が運命の分かれ道となった。

今は犠牲となった人たちのご冥福、負傷された方々の早期回復、そして事件の全容解明を祈るのみである。

■MEMO■
総合順位 11396位/?????人中
男女別順位 7947位/????人中
年代別順位 504位/???人中

前半ハーフ 1時間47分44秒
後半ハーフ 1時間52分42秒
(落差 +4分58秒)

 
★ボストンの町中に掲げられたフラッグ。街をあげての祝祭モードで盛り上がっていたが・・・


★前日に行なわれた5Kレースのフィニッシュライン。まさにこの場所で事件が起きた。


★EXPO会場の入り口。翌日の晴れ舞台を夢見て、世界中からランナーが集まる。


★NUMBER PICK-UPの会場。ナンバーごとに並び、ゼッケンを受け取る。


★2013年の通称「ボスジャケ」。今年は大会カラーの青と黄色を基調としたオーソドックスなデザイン。


★ホプキントン(Hopkinton)のスタート会場「アスリート・ヴィレッジ」の入り口。


★アスリート・ヴィレッジ内にある「Welcome to Hopkinton」の看板の前で記念撮影。

 
★WAVE2の第7コラルでスタートを待つ。女性ランナーが多く華やかな雰囲気。 

 
★15K付近。無料のダウンロード・サイトから拝借。 


★完走メダルとお土産のCLIMA COOLシャツ。2013年の大会は世界のマラソン史上、特別な意味を持つものとなるだろう。

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。
 


【大会レポート】New York Colon Cancer Challenge 4M

2013年04月17日 | 大会レポート 2013

4月7日(土曜日)、セントラルパークで行なわれた春恒例のレース「直腸ガン・チャレンジ」4マイルの部に参加。
NYRRの大会は実に久しぶりで、昨年6月の「NY巨人軍5K」以来10ヶ月ぶりとなる。

まずはマイルごとのラップ:

Mile 01: 7分31秒
Mile 02: 分16秒(14分47秒)
Mile 03: 分36秒(22分23秒)
Mile 04: 分58秒(29分21秒)

1マイル目は猫坂を含む区間で、フォームに重点を置き、8割程度の力で走る。
2マイル目で少しダッシュを入れ、前半を14分台で通過。想定通りのペース。
3マイル目は起伏の多い正念場。最後の追い込みに備えてエネルギーを温存する。
4マイル目は下り勾配を生かして渾身のスパート! 先行するランナーを次々と抜き去りながらぐんぐん加速し、久しく体験することのなかったマイル6分台に到達!
大歓声の渦巻く中、音速の壁を破る弾丸ライナーとなってゴールゲイトに飛び込んだ。

Finish Time 29分21秒(7:21/mile) AGPP 68.40%

昨年の同大会のタイムを3秒上回る、自己セカンド・ベスト!
入賞はならなかったものの、年代別7位にランク・インした。

2週間前に参加したハーフマラソンは久しぶりのレースだったこともあり、体の切れが今ひとつだったが、今回はだいぶ復調の兆しが見えてきた。やはり心肺機能の回復を意識し、走る頻度を増やす調整が成果を上げてきたのだろう。

ボストンの本番に向けて、あとは1週間の最終調整を残すのみとなる。

■MEMO■
総合順位 186位/2531人中
男女別順位 161位/1215人中
年代別順位 7位/72人中

ブログ・ランキングに参加しています。
クリックすると順位が上がっていきます。