報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“戦う社長の物語” 「敷島家の引っ越し」 1

2017-09-05 19:52:40 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月下旬01:32.天候:曇 埼玉県さいたま市大宮区 敷島のマンション]

 敷島:「う……。くそ……」

 敷島は夜中に目が覚めた。
 ダブルベッドにはアリスが寝ているのだが、彼女の寝相は頗る悪い為、いつもそれで敷島が起こされるのだ。

 敷島:(俺の顔にオッパイ乗せんなや、このやろ!)

 敷島は今度、ダブルベッドではなく、シングルベッド2つ購入して、ツインタイプにしようかと考えた。
 以前それを提案した時、アリスは物凄く不機嫌になったが。

 敷島:(ちょっとトイレ……)

 幸いベビーベッドで寝ている息子は夜泣きすることなく、よく寝ているようだったが。

 敷島:(そろそろベビーベッドも卒業かぁ、あいつ……)

 寝室を出てトイレに行こうとすると、何か踏んづけた。

 シンディ:「ふぁ……」
 敷島:「おっとと!……なに、お前廊下で寝てんの!?」
 シンディ:「社長がマンスリーマンションを引き払ったもので、サービスルーム(納戸)が狭くなっちゃったんです……」
 敷島:「あ……」

 その為、マンスリーマンションで使用していた荷物をこのマンションに持ち込むことになった。
 それだけでなく、それまで護衛(という名の浮気防止)として交替で泊まり込んでいたマルチタイプ姉妹も一緒にここに住むことになってしまった。

 敷島:「そうかぁ……」

[翌朝]

 敷島:「おはよう……」
 二海:「おはようございます。社長」

 敷島が起きると、メイドロイドの二海がキッチンに立っていた。
 本来はナースメイド(乳母)としての用途だが、キッチンメイドやハウスメイドとしての機能もある。
 敷島が洗面所に行くと……。

 エミリー:「トイレ清掃、終了しました」

 ガチャ、ゴンッ!

 敷島:「ぶっ!?」

 エミリーの開けたドアに敷島がぶつかった。

 エミリー:「も、申し訳ありません!」
 敷島:「いや、うん……大丈夫」

[そしてその夜]

 敷島:「ふー、さっぱりしたぁ……」

 風呂から出た敷島。
 風呂上がりのビールを手にする為、冷蔵庫に向かう。
 キッチンには夕食の準備をするシンディが立っていた。

 敷島:「ビールビール」

 敷島が冷蔵庫を開けて缶ビールを物色していると、シンディが巨乳を敷島の頭に乗せて来た。

 シンディ:「あ、ちょっとすいません。マヨネーズを……」
 エミリー:「お坊ちゃまの離乳食をお作りしますので、失礼します」
 敷島:「おいおいおい!」

 上から横からマルチタイプ姉妹の巨乳に挟まれる敷島だった。

 シンディ:「姉さん、邪魔だからどいて!」
 エミリー:「お前がどけ!」
 シンディ:「社長と博士の御夕食作りで忙しいの!」
 エミリー:「私はお坊ちゃまのお食事作りで忙しい!」
 敷島:「お前ら、ケンカすんな!俺がどくから!」

 そう言いつつ敷島は、ちゃんとしっかりビールを手にしていた。

 敷島:「マジでこの家も狭くなったなぁ……。うーん……」

[8月26日10:00.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区 某不動産屋]

 不動産屋:「3LDKのマンションですね?」
 敷島:「はい。なるべくこの近くでお願いします」

 不動産屋の紹介で、マンションをいくつか回った敷島とアリス。

 不動産屋:「いかがですか?」
 敷島:「うーん……」
 アリス:「正直、どれもあんまり大差は無いわねぇ……」
 敷島:「もっとこう、決め手になるようなものがあるといいんですが……」
 不動産屋:「次にご紹介するのは、収納もありますよ」
 敷島:「ほお……」

 で、次に行ったマンション。

 不動産屋:「こちらなんですけど」
 敷島:「おっ、結構新しい」
 不動産屋:「ええ。築浅ですし、特にダイニングが広いですよ」
 アリス:「対面キッチンだね」
 敷島:「収納は?」
 不動産屋:「こちらです。こちらがサービスルームです」
 敷島:「よく間取りで3LDKSとかあるけど、そのSか」
 不動産屋:「そうです」
 敷島:「今住んでるマンションは3畳間くらいの広さだけど……」
 アリス:「そこにあんたの荷物置いてるもんだから、ロイドが1体分しか寝れないのよ」
 敷島:「悪かったな。……おっ、こっちは広いな。どれくらい?」
 不動産屋:「およそ四畳半ほどです」

 採光や通風などの点で建築基準法の基準を満たしていない為、居住用の部屋としてではなく、納戸としての取扱いになる。
 が、もちろん不動産屋としては居室と称せないだけで、実際の住民がそこを居室して使うのは問題無い。

 敷島:「ロイド達を寝泊まりさせるにはちょうどいいな、うん」

 他には……。

 敷島:「うん。トイレも広くてきれい。これなら井辺君とかも呼べそうだ」
 アリス:「井辺プロデューサー、そんなに綺麗好きなの?」
 敷島:「いや、あいつ……酔っ払うと、トイレで寝る癖あるからさ……。『私ごとき下賤の者など、トイレで十分です。どうぞ、お気遣いなく』なんて……」
 アリス:「何それ?そんなの逆に気を使うよ」
 不動産屋:「いかがなものでしょうか?」
 アリス:「タカオ、どうする?私はどこでもいいよ」
 敷島:「はあ……。じゃ、ここでお願いします」

[9月2日10:00.天候:晴 さいたま市大宮区 敷島のマンション(引っ越し前)]

 敷島:「じゃ、いよいよ明日は引っ越しだ。今日は引っ越しの準備を始めるぞ。まずは掃除からだ」
 エミリー:「かしこまりました」
 シンディ:「お任せください」
 二海:「何でもお申し付けください」

 というわけで、室内の大掃除を始める。

 敷島:「皆してハウスメイドだな」
 エミリー:「何でもできるのがマルチタイプですから」
 シンディ:「そうですよ。社長達はどうぞ休んでてください」
 敷島:「いやいや、そういうわけにはいかんよ。せめて自分の荷物くらいは自分でまとめるさ」
 アリス:「タカオ、先に私達の寝室から掃除しましょ」
 敷島:「おっと、そうだった!」
 アリス:「私はトニーと一緒に散歩してくるから、あとよろしくねー」
 敷島:「おい!」

 敷島家の引っ越し、ちゃんと終わるのだろうか。
 尚、現時点ではまだ持ち家を持つ計画は無いもよう。
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“大魔道師の弟子” 「マリアの屋敷」 3

2017-09-05 10:33:58 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月20日10:00.天候:晴 長野県北部山中 マリアの屋敷]

 稲生:「よ、よし!装備は万全だ!」

 稲生は何故か作業服に着替え、ヘルメットを被っていた。
 で、こっちにカメラ目線。

 稲生:「今日はこの屋敷のギミックやトラップを点検する日なんですよ。僕がそれをやるハメになりまして……。では、行ってきます」

 稲生はエントランスホールを出発した。

 稲生:(イリーナ先生、『人形達も一緒に行くから心配無いよ』って言ってたけど……)

 稲生は後ろをチラッと見た。
 後ろには、人形形態のミク人形とハク人形が血染めの包丁を振り回してついてきている。

 稲生:(これ絶対、僕が逃げ出さないようにする為の監視だよなぁ……)

 稲生はまず屋敷の西側を見ることにした。
 エントランスホールの1階から西側の観音扉を開けると、そこは大食堂になっている。
 普段からここで稲生達も食事をするわけだが、実はここにも仕掛けが施されている。
 普通に立っている大きなノッポの古時計。
 今は普通に振り子も動いている。
 稲生はあえてその振り子を外した。
 ボーンボーンと鐘が10回鳴る。
 外した振り子の丸い分銅を持って、大食堂の反対側に抜ける。
 薄暗い廊下があって、そこでは1人のメイド人形が掃除をしていた。
 もちろん今はメイド人形として掃除をしているのだが、これが侵入者だと分かると……。

 メイド人形A:「!!!」

 メイドの白いエプロンのポケットから、小型のハンドガンが出て来た!

 稲生:「わあっ!僕です、僕!」
 メイド人形A:「……これは失礼しました」

 メイド人形はハンドガンをポケットにしまうと、再び掃除の続きを始めた。

 稲生:「ふー……びっくりした」

 厨房の前を通ってその隣の遊戯室に入る。
 遊戯室の中にも振り子時計があった。
 しかし、こちらは分銅が付いていない。
 稲生が大食堂から持って来た分銅をつけると、またボーンボーンと鳴って、振り子が文字盤の後ろに引っ込んだ。
 それと釣瓶方式で文字盤の後ろから出て来たのは、一本の鍵。

 稲生:「これが無いと裏口から外に出れないとは……。えーと、この仕掛けの作動は異常無しと……。それじゃ、次に行こうかな……」

 2階の渉外室。
 応接間ではなく、渉外室である。

 稲生:「えーと……隣の小部屋には、これ見よがしにショットガンが掛けられていて……。本当に魔道師の屋敷なのかな?」

 稲生はショットガンを壁から取った。
 そして、隣の渉外室に戻る。
 すると、外に出るドアが開かない。
 天井がズズズと落ち込んでくる。
 このままではペッシャンコだ!

 稲生:「ミクさん!止めてください!」

 稲生が部屋の外に向かって叫ぶと、落ち込んで来た天井が止まる。
 そして、ズズズと上がって行った。

 稲生:「怖い怖い」

 魔道師との交渉に決裂した相手を、ここで天井落としで圧死させるのが目的らしい。
 幸いなのは、ただの1度も使ったことが無いということだ。

 稲生:「えー、次は3階のトラップ……」

 段々と難易度の高い場所に行く度、稲生の絶叫が邸内にこだましたことは言うまでもない。

[同日12:00.天候:晴 マリアの屋敷1F大食堂]

 イリーナ:「ランチの時間だお♪」
 マリア:「ちょっと待ってください。まだ、ユウタが戻って来ていません」
 イリーナ:「おかしいな。午前中に終わらせるように言っといたのに……」
 マリア:「この屋敷の仕掛け全部を点検するのに、午前中だけでは時間が足りません」
 イリーナ:「だ・か・らぁ〜、できる所だけでいいって言ったのに」
 マリア:「ユウタは真面目なんですから、全部をやろうとするでしょう。とにかく、もう少し待ちましょう。幸い、ミカエラの報告では、どこかのトラップに引っ掛かったという話は来ていないので」
 イリーナ:「でも、せっかくのパスタが冷めちゃうねぇ……」
 マリア:「きっと、もうすぐ戻って来ますよ」

 稲生、マリアの足元の床の切り込みをズズズとスライドをさせて、地下から出て来た。

 稲生:「うわ、ここどこだ?……あ、あれ!?」

 稲生の目に飛び込んで来たのは、足を広げて椅子に座っているマリアの【お察しください】。

 マリア:「わあーっ!?どこから出て来たんだ!?」

 マリアがびっくりしてテーブルの下を覗き込む。

 稲生:「マリアさん!?」

 稲生が慌てて頭を上げた。
 ゴンッとテーブルに頭をぶつける。
 ヘルメットを被っていなかったら、頭をケガしていたかもしれない。

[同日12:15.天候:晴 同場所]

 イリーナ:「……なるほど。荷物エレベーターの点検をしていたら、地下室まで連れて行かれたのね」
 稲生:「地上に戻る為のギミックをついでに点検していたら、ミクさんが時間だって言うので……。急いで非常階段で戻ってみたら、ここに……」
 イリーナ:「フムフム。それで、マリアのパンツの色は何色だった?」
 稲生:「はい、それはピンクの花柄……どわっ!?」
 マリア:「What?!」

 サクッとヘルメットにマリアが投げたフォークが突き刺さった。

 イリーナ:「本当に怖いのは、屋敷内のトラップよりマリアかもね」
 稲生:「気をつけまーす……」

 稲生、やっとパスタに手を付けた。
 稲生のはミートソースである。

 稲生:「先生、時間切れで全部のギミックは点検できませんでした」
 イリーナ:「いいのよ。続きは別の日にやってちょうだい」
 稲生:「午後は何をすればいいんですか?」
 イリーナ:「地下のプールは点検した?」
 稲生:「はい。今、水を入れているところです」
 イリーナ:「そう。それは良かった。午後は皆でプールで泳ぐわよ!」
 稲生:「おおっ、そういうことでしたか!」
 マリア:「確かにここも暑いですからね。早速この前買った水着を着られるな」

 元々は魔法の実験場だった場所。
 今ではプールがあるる
コメント (1)
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