【「藜」 の木洩れ日】
「この辺りは本当の田舎だという事が はっきりお分かりでしょう。 全く人里離れていますよ。 隣人は少なく、大変離れているのです」 グエンダは感じの良い彼の声の底に潜む 物淋しさを突き止めたような気がした。 彼女は孤独な生活を垣間見た ―― 煙突の中で風がヒュウヒュウ鳴っている 暗い昼の短い日々 ―― カーテンは下ろされ ―― 閉じ込められ ―― 満たされぬ、不幸な目をしたあの女と共に 閉じ込められ ―― 隣人は少なく、大変離れている。 やがてその 幻想は消えて行った。 再び夏に戻った。 【「スリーピング・マーダー」 ~A・クリスティー】 |
今日は目まぐるしく変わる空になっています。
意外にも青空だった起床時。
でも、あのカ~ッと照り付ける夏の空ではありません。
どこか気の弱そうな・・。
それでいて気温だけは負けていません。
おまけに湿度の高さ。
爽やかな秋が待ち遠しいです。
【黒レースの付け襟(薔薇)を発見】
こんな日は、
お庭に出ましょう。
ちょっと庭まで逃避行。
それに来週からはお隣が
リフォーム工事に
入られるとか。
そうそうお庭にも
出られませんでしょうから。
場所は勿論、
藜(アカザ)の下。
蚊取り線香も携えて。
でも先日、この藜の花の蕾に
毛虫を見つけましたから。
今日はじっくり
確かめましたけれど。
今日は風こそありませんが、
いつにも増してアゲハ蝶や
シジミ蝶がヒラヒラ、
ひっきりなしに。
お茶を頂きながら、そんな様子を
ボ~ッと眺めるのもオツなものです。
~なんて。
やはり今日は相当の蒸し暑さです。
引用文と同じく、私の幻想もス~ッと消えて行きました。
それにしても隣近所をあまり気にしなくて良い、
広大な田舎の広い庭は憧れですが、それなりの悩みもあるのでしょうね。
ところで、ちょっと前の “アンティークな雑貨特集”
雑誌を眺めていましたら・・。
黒いレース編みの付け襟の写真が載っていました。
しかも薔薇模様。何でも1900年頃の物だとか。
さすが、ロンドン。前から黒が欲しいと思っていた私。
早速、黒のレース糸を買いに行きましょう。