福原吉和のソーシャルデザイン教育研究所

子供たちからシニアまでの社会、教育問題を中心に議論します。その2

おばちゃん力?(R3.1.30)

2021年01月30日 | 日記
一般的に男性は他者と何かを「するdo」ことで、女性は他者と共に「いるbe」ことで、他者関係を構築する傾向が強い。男性はコミュニケーションで「解決」を目的にするが、女性は「共感」がゴールだ。おしゃべり好きに女性が多いのもそれが互いの距離感を縮める最良の手段だからと言うのは健康社会学者の河合薫女史だ。彼女は以前気象予報士として朝日テレビに出ていたことがあり、その後東大医学系大学院へ進み現在の健康社会学を専門に活躍している。健康社会学?聞きなれない学問だが、河合氏によると一歩踏み出してみようと思える環境=自分を取り巻く「半径3m世界」をゴールにするのが健康社会学という。自分を取り巻く環境を真正面からでなく横からみたり上から下から見下ろしたりすることが重要という。こんなに面白いことがあった!と気づくことである。
 まず、河合氏が取り組んだのは定年後のおじさんである。超高齢化社会に待ち受けるのは
「大量定年ボッチ」社会だ。その最大の原因は塩づけがぬけないおじさんだ。
1. 他人から指摘されるのが嫌い 2,自慢話をする 3,年下に自分から挨拶しない
4,部下に任せることができない 5,成功している同僚に嫉妬する 6,コンビニ店員にイラつく 7,妻や子供に命令口調  8,近所づきあいがない 9,妻に弱音をはけない
10,他人の意見に否定的 11,人に頭をさげない 12,ルールに厳格 13,噂話はすべきでない 14,知ったかぶりには腹が立つ 15,結論のない話は嫌い
 以上10個以上の当てはまる人は塩ぬきに絶え間ない努力が必要という。2-4個程度だと容易に塩抜けできる。塩漬けの問題はその濃さよりも自己認識のなさだと河合氏は言う。
 そんな時に相手の懐に入り込むおばちゃんの最大の強みはコミュニケーション力である。
女性が年齢をかさねるにつけ人間関係が重厚になっていき楽しみが増えていく理由だから!このおばちゃん力こそ最良の戦略だと言うが果たしてそうか?



ドリームハラスメント?(R3.1.27)

2021年01月27日 | 日記
「あなたの夢を教えてください」「10年後どうなっていますか」と就職活動の面接で夢を問われます。夢を持つことを強要されている!と若者は言う。そして実はそれはハラスメントだ!と多摩大学職員の高部氏は強く言及する。「夢」で若者を追い詰める大人たちを問題にしているのだ。タチの悪い悪意なき共犯者たちによる「夢をもて」の大合唱。ととらえる世の中がある。夢を持てずに苦しむ直接的被害者と意外な間接的被害者の存在。誰も夢から逃れられないのに、誰も夢の持ち方は教えてくれない。夢に支配されない生き方も提示されないという。只々「夢は善」と妄信させるだけ。夢をもてないとヒトは死ぬのか?とまで現代の若者は考えている!つまり、現代の若者に対しては夢や希望を持つこともできなのか?否、夢や希望をもたないほど現在の生き方に満足しているのか?と思わざるを得ない!
 高校生の保護者が家庭の日常のコミュニケーションで「夢や目標を大切にしなさい」と言っているのは9割以上だが、進路について「将来どんな生き方をしたいか」を話す家庭は24.3%にとどまり「経済や社会の動き」については僅か7%、保護者の43%が社会がどうなっていくのか予測がつかなく子供にアドバイスできないとの答えだという。これでは社会が予測困難で、自分の生き方に自信がないからそれを話題にせずに,只々「夢を大事にしなさい」とだけ助言していると子供側が思うのは至極当然!と高部氏は言う。
「ドリームハラスメント 2020.6 イースト新書 高部大問」
 とうとう!夢に対してハラスメントの言葉が進出してきたか!これでは親子ともども何もコミュニケーションできないのではないか?おかしな世の中になった!


中国コロナの真相!(R3.1.22)

2021年01月22日 | 日記
 2019年後半には中国の武漢では奇妙な肺炎の存在が明らかになっていたが、中国の医師たちの警笛に対して初動対応がお粗末であった習近平指導部を非難するジャーナリストらを黙らせる現在の共産党指導部の現実を元日本テレビの記者が記述した新書を手にした。「中国コロナの真相 2020.9 新潮新書 宮崎紀秀」
 全体が8章から構成されている。各章のタイトルを見てもその内容が把握できる。
第1章 初動の遅れを生んだ「習近平独裁」
第2章 体制の犠牲となった医師たち
第3章 本当のことを言うと叩かれる
第4章 武漢の日本人を救出せよ
第5章 人権無視国家ゆえの「効果的対策」
第6章 コロナ渦の首都
第7章 こんな時でも米中対立
第8章 アリの一穴
著者宮崎氏のあとがきに書かれている下記の文章が今の中国を表していると思う。
 中国が守っているのは、国民の生活や国際社会との調和ではなく、中国共産党の統治体制である。コロナ渦で明らかになったのは、政治体制が国民ではなく、体制そのもののために存在する国の実態。体制そのものが生存本能を追求する生き物のように振る舞う異形な国の姿である。



日本は地球上で最も激しい気候の国?(R3.1.17)

2021年01月17日 | 日記
 「日本は地理的には中程度にあり、そのほとんどは温帯気候に属し南は亜熱帯、北は亜寒帯である。温帯は熱帯や寒帯に比べて暮らしやすく、文明が発達しやすい気候帯である。
 気温だけでなく昼夜もほぼ半分ずつで暮らしやすい。つまり、日本は気候学的には人間の活動によい地域である。しかし、一方で気象学的にみると中緯度は南の暖気と北の寒気がせめぎあい、大気が渦巻いている激しい変動帯なのだ。日本列島はほとんどが山地でその中心を脊梁山脈が北端から南端まで貫き、これらの地理的位置、海陸分布および地形が日本の激しい気象の原因となっている。」と気象学者で名古屋大教授の坪木氏が言及している。
 更に坪木氏は日本人の国民性についても気象との関係で以下のように話す!
「日本人は自然に対する畏敬・畏怖の念をもち、農耕民族として常に天候に注意を払いつつ
それに従う。それでもいかんともし難い激しい気象については、過ぎたるのをただ待つという諦観とその災害後の復興をあきらめないという我慢強さを有している。また、復興を他者と協働して行うことで人と人の強い絆を築いてきた。日本の自然にはやおよろずの神々がいて、それに対する畏敬の念が、他者への優しさや秩序を尊ぶ精神につながっているかもしれない。」「激甚気象はなぜ起きる 2020.5 新潮選書 坪木和久」
 マスコミの多くは最近の日本における激甚災害は地球温暖化の影響だとコメントしているが坪木氏の上記内容を知ると単に温暖化ありきの理由はどうか?とも思わざるを得ない。つまり、日本の気象学的に激しい変動域であるので近年の激甚災害の現出は当然のことであり過去でも同様な現象があったということになる!従って、過去の災害例を十分参考にして対策をとることが重要ということになるのだ!




失業率が1%上昇で2万人の自殺者?(R3.1.13)

2021年01月13日 | 日記
正月から東京ではコロナ患者が1日に2千人以上出てとうとう首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に非常事態宣言がだされた。関西圏(大阪、京都、兵庫)や近畿圏でも近々同様な非常事態宣言を出す予定で日本全体がコロナ汚染で大騒ぎである。ところが、前回の非常事態時に比べて国民は冷めているのか繁華街への人出はあまり減らないどころかむしろ増えているという現象である。医療崩壊が深刻と言われているものの身近の問題がまだ表れていないせいか他人ごとのようにも思える。コロナでの死者は4千人を超える日本の状況は1億3千万人の国民の0.01%にも満たない数字だが!
さて、交通事故で3000-5000人、インフルエンザで1万人、自殺で2-3万人の日本人が毎年死んでいると言うのは医師の森田氏「日本の医療の不都合な真実 2020.9 幻冬舎新書 森田洋之」  何?インフルエンザで毎年1万人も死んでいるのか!コロナでの日本における死者1年間で約4千人だから通常のインフルエンザの強いやつと思えば!ただし、自殺者は2-3万人とは!そこで自殺者と失業率との関係を調べてみた。
 2019年の日本の完全失業率は2.4%でアメリカ3.7%、ドイツ3.1%、イタリア10%と比較して低い。2020年には2.7%で自殺者は2.5万人、2021年にはコロナの影響で4.7%に増加して4.7万人に自殺者が増加するとの予想がある。つまりこの1年で失業率は1.1%増加し自殺者も2.2万人増加するという。実にコロナでの死者の5倍に相当するのだ!政府がGO-TO事業を活性化させて失業者をできるだけ食い止める必要性がある具体的な根拠なのだ!そして、コロナで死ぬのは年金受給者の年寄りだから社会保険料低減対策としてはコロナ危機をほっとく手も一理あるのかもしれない!と考えるのは老人世代に突入したわが身のひねくれ根性なのかもしれない!