1984年、誘われた新会社 は渋谷にあるマンションの一室にあった。
JR渋谷駅とオフィスのあるマンションを結ぶ坂道には飲み屋さんが並ぶ。
この坂道には餌が出るので カラスも集まってくる。
夕方の帰宅時、坂を下り、小さな角を曲がるといつもカラスが電柱の上から見下ろしている。
あまりにも忌々しく思っていたある日、(周りに人影がないのを確かめ)
坂道を下りながら「カアー!カアー!」と大声で脅かしてやった。
するとカラスは一瞬たじろいだので、
私は「勝利宣言」のごとく威張り仕草で道の真ん中を歩いて通り過ぎた。
その時である。
カラスから放たれたフンが私の頭を直撃し、さらに一張羅の新調背広にも飛び散った。
私が上を見上げ、腕を振りかざしながら「コノヤロー!!」と叫んでも、まさにマンガのごとくに「アホゥ。アホゥ」とカラスは飛び去った。
完敗である。
しかしこのときの敗北は無駄にはならなかった。
現在では私の自宅近辺にはカラスは近づいてこない。
時々「お伺い」を立てには来るが、応えてやるとすぐに飛び去る。
どうやら私の「ナワバリ」であるとカラスたちは認識しているようだ。
(続く)
JR渋谷駅とオフィスのあるマンションを結ぶ坂道には飲み屋さんが並ぶ。
この坂道には餌が出るので カラスも集まってくる。
夕方の帰宅時、坂を下り、小さな角を曲がるといつもカラスが電柱の上から見下ろしている。
あまりにも忌々しく思っていたある日、(周りに人影がないのを確かめ)
坂道を下りながら「カアー!カアー!」と大声で脅かしてやった。
するとカラスは一瞬たじろいだので、
私は「勝利宣言」のごとく威張り仕草で道の真ん中を歩いて通り過ぎた。
その時である。
カラスから放たれたフンが私の頭を直撃し、さらに一張羅の新調背広にも飛び散った。
私が上を見上げ、腕を振りかざしながら「コノヤロー!!」と叫んでも、まさにマンガのごとくに「アホゥ。アホゥ」とカラスは飛び去った。
完敗である。
しかしこのときの敗北は無駄にはならなかった。
現在では私の自宅近辺にはカラスは近づいてこない。
時々「お伺い」を立てには来るが、応えてやるとすぐに飛び去る。
どうやら私の「ナワバリ」であるとカラスたちは認識しているようだ。
(続く)