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■現場からみた極めてミクロな問題
ここで述べることはひどく個人的な懸念です。「制度全体に影響を及ぼすほどでもないけど、こういう小さな事情もあるのではないかな」と思ったので、記しておきます。
非常勤職員の雇用期限が「3年」である現状にはコインの裏表のようにメリットとデメリットがあります。そのメリットの内の、極めてミクロなものの一つが「事務側常勤職員の異動パターンとの一致」です。各国立大学やそれぞれの職員によって差はあるかと思いますが、大体事務の常勤職員は2年から3年(長くて4年)くらいのスパンで異動を繰り返します。非常勤職員が「3年」で雇用上限を迎えるということは、係などにおける非常勤職員が「3年」を目途に入れ替わるということであり、事務側の常勤職員からしてみると新陳代謝の期間が一致するので違和感を覚えにくい訳です。これが教員側にとってみるとデメリットになります。教員側では常勤職員(つまり教授など)が10年以上同じ研究室にいることがざらにあります。そのため教員にしてみれば、非常勤職員がたったの「3年」で居なくなってしまうことには違和感を覚えやすい訳です。また、かつて公務員であった時代では事務側には非常勤職員はほとんどいなかった一方で、研究室などでは当時においてもその講座の事務を行う非常勤職員を長年雇っていたという習慣が存在します。事務側にしてみると非常勤職員とは最近新設された職種であって、その雇用期間が短くても「元々そういう風に設定されたものだから」という理由でこれを受け入れやすいのに対して、教員側では「元々はそのようなものでは無かった」ということになって、ここでも雇用期間の年数や、そもそも上限を設けること自体に対しても認識に差が生じるわけです。
別な問題として、異動が2年から3年くらいのスパンで行われる事務側常勤職員にとって、同じ場所で事務業務を何年も行っている事務の非常勤職員は例外的な存在になる、というものがあります。これは「異動を繰り返す事務職員側の事情」が「異動をしない事務の非常勤職員」には通用しないことになります。具体的には、例えば出張の事務処理なんかは部局によって僅かな差が生じたりします。それは旅費の精算方法の事務手続きの違いであったり、各部局においてどこまでを「業務」と認めて出張命令とするかという問題であったり様々です。このような業務の中核となる部分は、就業規則や、あるいは出張の場合は国家公務員に適用される「旅費法」などを参照して部局間においても意思統一をしています。あるいは事務処理を行う常勤職員が部局間を異動することが、自然にある程度の統一性を保持する結果を生みます。このような中で、その部局特有の出張の処理なども存在します。それは係が細分化していたりするために他の部局ではどこかの係が一手に引き受けている業務を、その部局では二つの係に分けて行っていたりとか、医療系研究者における研究活動が人文科学系研究者における研究活動と違うために、出張命令の幅が異なるとか、これも様々にあります。事務側の常勤職員は部局間を渡り歩くので、当然に「部局間で統一された部分」に強い一方、部局で長年事務を行っている非常勤職員は「その部局特有の事務」に強いことになります。これもどっちが「正しい」かを判断するのが非常に難しいことになります。常勤職員側が「この手の事務処理は就業規則や旅費法に則ってこう処理するのが適切である」と思っても、非常勤職員側は「この手の事務処理は長年このように処理してきた」という風に、意見が分かれる場合があります。時には「10年前の教授会でこう処理することに決定している」というような場合があり、事務側常勤職員としては「その教授会の決定はそもそも旅費法に違反していないのか?あるいは10年前のその決定はいまでも有効なのか?」と、いろいろと頭を悩ましたりします。このようなものは「問題」と解するのではなく、「性質の違う者同士が相互に足りない部分を補完しあう関係」と理解したほうが良いのかも知れませんが、気をつけていないと軋轢を生む原因にもなりかねないので常勤職員も非常勤職員も注意が必要かと思います。
最後に、非常勤職員の業務内容と賃金水準の問題です。非常勤職員の業務内容は、研究分野や事務分野などによって種類はいろいろあるものの、原則として常勤職員の補助業務という色合いが濃くなります。事務側においては、かつて新卒の正規職員が最初の数年で行っていた割と簡易な事務処理を、最近は非常勤職員が行うようになっています。研究者側ではそこそこの専門知識が必要とされる業務も行っているようですが、基本的にそれらはある特定の研究の下調べだとか実験の補助など、割とルーティン業務であるようです。しかし、事務と研究の違いに関わらず、簡易な仕事やルーティン業務を長年行うとより応用の利いた仕事やより責任がある仕事をしたくなる、あるいはそのような仕事を任されるようになるという場合が少なくありません。「ルーティン業務が好き」とか「責任ある仕事はちょっと…」という職員さんもいますが(「夫の収入を補うためにパートをやっています」という非常勤職員さんとかに多いです)、特に昨今は「本当は常勤職員としてどこかで働きたいのだけれども、勤め口がないから今は非常勤職員をしています」という非常勤職員さんも多いので、限られた期間で多くの業務を習得しようとする人は珍しくないのです。国立大学側としても、より高度な業務や違う種類の事務処理をしてくれるというのであれば大変に助かるわけですが、ここに国立大学側にひとつのジレンマが発生します。それは業務内容と賃金の関係です。全国一律というわけでもないと思いますが、非常勤職員の給与というものは(研究職の例外を除けば)大体が事務の新卒(4年制大学卒業者)の3年目から4年目くらいの給与水準を上限に停止してしまいます。そのため、例え本人が希望したとしても、非常勤職員に高度で責任ある業務を任せると、そのような業務を行わせているにもかかわらず給与水準が低いままであるという、完全な違法とは言えないかもしれませんが「好ましくない状況」が生じてしまいます。この問題は例え本人が「給与水準は低くても良い」と了承していても応じることができないという、なかなかやっかいなものです。応じることができない理由として、業務とは法律的には企業側から労働者への「命令」と理解されるので、仮に労働者側の承諾があったとしても、労基法とか労基署から見ると「国立大学が安い賃金で労働者に分不相応な業務をさせている」と理解されてしまうこと、などが挙げられると思います。要するに職務をより高度なものにするのであれば、賃金水準も上げるのが「全うな処置」な訳ですが、予算から見ても賃金水準を上げることができず職務も高度化させることができないという、何かおかしな因果関係が出来上がっているのです。このような国立大学の処置はある意味で非常勤職員の権利を重視しているから行われているわけです。そうでないなら低い賃金水準のまま常勤職員並みの業務に非常勤職員にバンバン従事させることも可能なわけですから。しかしその一方で、非常勤職員の権利を重視したゆえに非常勤職員の賃金水準が上がらないというのは、ある意味ストレートに権利侵害するより複雑な状況だと思います。また、非常勤職員の業務を簡易的なものとし続けることは上記の雇い止めの問題とも関連してきます。「業務内容」も雇い止めの際の判断基準となることを踏まえれば、雇い止めの問題を生じないように配慮する国立大学側は、「業務が簡素なものであることを、非常勤職員が有期雇用であることの根拠にしやす」くなるのです。もうこのあたりの話は「いたちごっこ」か「タマゴが先かニワトリが先か」の話だと思います。原因が結果を生み、その結果がまた原因を補強するという循環です。この循環が良いか悪いかは別として、こういう構造が存在しうる点について、機会があれば大学本部の職員さんや非常勤職員さんの意見も聞いてみたいなと思います。
■おわりに
えらく長くなってしまいましたが、末端の事務職員ですらこのくらいの疑問を感じていることを持って、この問題がなかなかにやっかいなものであることと理解していただきたいと思います。
文中において語尾に言い切りの形を多用しましたが、本当は全ての語尾に「~だと思います」を付け加えたいくらい、このエントリーは自分の独断と偏見で構成されています。勉強不足か考察不足で間違っていることも含まれているかと思いますが、そのような誤解を生じさせている環境であることも踏まえて、国立大学における非常勤職員の雇用期間の問題を捉えてください。
本当は「無期雇用より有期雇用であった方が採用を促進するのではないか」とかの問題を、過去のフランスの解雇自由化法案の内容と絡めて書きたかったんですが、下手すると卒業論文より時間がかかりそうなので諦めました。つくづく、「働く」ってことを考えるのは難しいことなんだなと、痛感した思いです。
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文中に出てきた某国家公務員の者なので、ついコメントをしてしまいました。
まだ駆け出しですが・・
非常勤職員の立場について、とてもよく理解できました。
非常勤の立場とそのジレンマについて、自分の周りの非常勤の方にも当てはまると思います。
雇い止めの為とはいえ、大学法人側もしっかり運用しているなと感心しました。
国立大学法人の中では、割と寄付金も多いおかげというのもありますが、実際問題、非常勤の方々に辞められると、仕事が立ち行かなくなりますので・・・。
うちの大学の非常勤の方々は、寿退職された、または出産退職された女性が多いので、とても仕事が出来る人が多く、むしろ、常勤のケツを蹴っ飛ばしている状態になることも多々あり・・・。
なのに、給料は仰るとおり上限があり・・・。
給与と業務の兼ね合いをどうするか、難しい問題ですね。
どうでもいいですが、先日新人が入ってきました。
29歳だけど、就業経験なし、フリーター上がりの方ですが、非常勤の方と話がとても合うようでした。
本人いわく、「昔の自分と立場が似てるんで、共感できる部分があるんです」ということですが、彼のような人にもっと活躍してもらい、非常勤と常勤の橋渡しをしてもらいたいものです。
私の大学では、昨年から3年が基本で部局からの申出により5年に延長できるようになりました。
我々でもそうですが、何年も同じ仕事をするとだんだん手抜きになって、態度が大きくなってきますよね。しかも嫌な仕事はあとから異動して来た人に押しつけちゃったり。
私のような新人から見ると、長くいらっしゃるパートの方がいると仕事がやりにくかったりするので、ほんと迷惑してます。一方で、私みたいな新人が10歳以上も上のアゴ肘付いてネットをしてらっしゃる非常勤の方に、仕事依頼できないです。怖すぎます。
不正防止や、上記のように横着になって仕事をしなくなったときに雇い止めできるように、などと考えるとやはり5年くらいが限度で妥当なのではないでしょうか。
仕事しない常勤もたくさんいるので、えらそうにいえませんが、仕事しない非常勤を雇い止めできないようなリスクは負わないほうがよさそうですね。
私も末端ではありますが非常勤職員の採用に関わったことがあります。
勤務校は非常勤職員の任期を「3年を超えない範囲とする」と定めており,延長は一切認めないことになっています。
(採用者にも「最大3年間の雇用であること」,「3年未満でも更新しない場合がある」ことを必ず説明するよう厳しく指導されています)
これは労働基準法14条の関係で3年としている訳ですが,個人的には「杓子定規に3年と区切ってしまうのはどうなのか?」と思います。
確かに,長々と勤務している方が事務室に主のように君臨し正規職員の指示に従わないというのは問題ですし,14条規定が正規雇用を促す目的で制定されていることも理解できます。
しかし一方で,組織改変期などは3年を超えて同じ方に勤務してもらった方が安定して業務が出来ますし,優秀な方には合意の上で長く居てもらいたいというのが率直な所です。
(最近は正規職員の一部署の任期も延びる傾向にあり同一部署に6~8年勤務する方も増えていますので)
ですので「絶対3年まで」というのではなく,もう少し柔軟な雇用期間の設定が出来るようにした方が良いのではないかというのが私の意見です。
また30年余り前の古い話ですが,かつては非常勤から正規職員へ昇格させる制度もあったそうです。
もともと国立大学事務職員の人件費割合はそれほどではありませんので,正規職員への門戸を再び開くというのも,「非常勤職員任期問題」および「優秀な事務職員の確保」の観点から有りではないでしょうか。
非常勤職員の問題は昔からある問題でなかなか難しいですね。
もともと非常勤職員の問題は、定員管理の中で生じてきた問
題です。国家公務員の場合は、人件費という概念はあまりな
いのですね、あるのは定員管理であり級別定数管理なのです。
歴史的にたどると非常勤職員の問題が生じたのは昭和42年
から実施された国家公務員の定員削減です。その後定員削減
は何次にもわたって実施されました。私の就職した当時は、
現在の2倍近くの常勤職員がいたんですよ。学生数は当時は
現在の2/3程度だったにもかかわらず。
定員削減はどう行われたかというと、これは数年間で○○%
というやり方で決定されるので、多くの大学は各部局に一律
の削減をしました。そして部局の不満をなだめるために、欠
員の後に非常勤職員でうめたんです。ですので、定員削減と
共に非常勤職員の雇用数が飛躍的に伸びていきます。
ホントはここで業務の見直しをして人員の再配置をしなけれ
ばならなかったんですね。ところが課長が異動官職であるの
で、極端な話、自分がいるときさえなんとかなれば良いので
す。(みんながそうとは言いませんが)
ところがまわりとしては、常勤職員の後にきているわけです
から、常勤職員と同じような仕事を期待するわけです。特に
この傾向は末端ほど、現場に近いところほどそうなります。
しかし、非常勤職員はご存じのとおり1年次更新ですので、
非常勤職員のスキルをあげるなんてことは全く考えず、異動
も原則としてなかったんです。
ですので管理人さんも経験されているようにベテランの非常
勤職員になれば、細かいことを非常によく知っていて、なか
なかやり方を変えられない、変えようとしないということは
よく経験します。でもこれは常勤だって同じ所にずっといれ
ば頭がかたくなっちゃうです。
ただ、今後のことでいえば非常勤職員の戦力化ということは
絶対に必要です。そのためには、現在人事院で検討されてい
るように「短時間勤務の正規職員」という制度をつくる必要
があると思います。
また、大変優秀な人もいますので、この人たちを通常の常勤
職員にする制度的な手立てが必要だと思います。
非常に興味深いブログで一気に読み込んでしまいました。
わたしは、非常勤職員の立場になる者です。
この不況で前職の民間企業が閉鎖し、派遣会社に登録したところ、
今の大学の事務を紹介していただきました。
わたしの所属する課には、
大学が直接雇用しているパートさんと、
わたしのような派遣の2種類の非常勤職員が存在します。
パートさんは3年の期限がありますが、派遣の方は5~6年経過している方も居ます。
因みに、各係に平均5人居てうち、1~2人がパートさんか派遣さんですね。
今日は2月末ということもあって、
課長から4月以降の更新のお話をいただきました。(ほっ)
でも、まだ1年経っていないのに4月以降の更新のお話が無かった方も居て少し複雑です(((^^;
先の方たちのコメントにもありますが、
勤務年数の長いパートさんや派遣さんの中には、
就業態度に問題アリの方が居ることも確かだと思います。
就業中にネットやったり横柄な態度や言葉遣いの悪い方も…。
自分はああいう風になってはダメだ!と心の中で言い聞かせてきましたが、
4月からも更新があって安心しつつ、気持を引き締めて行こうと思っています。
当ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
派遣職員さんとして大学で勤務されているとのこと。5~6年勤務されている派遣職員さんもいるとのことで、「そういえば派遣職員に関する雇用期間の制限ってあるんだろうか?」とついクビをひねってしまった管理人です。いつか資料が見つかったら調べてみようと思います。
勤務年数の長いパートさんや派遣職員さんについてお書きいただいたこと、同意するのも悪い気もするんですが、同意せざるを得ないところもあってしまいます。しかし一方で、そのような方々も、長年続けてきたやり方が異動のシーズンにあわせて担当する常勤職員が変わってしまい、その職員からやり方を変える様に命令されてフラストレーションがたまる、という一面もあるのだと思います。
自分はまだまだ若手の域を出ない身分ですが、「不真面目な職員」とか「横柄な職員」と呼ばれる人達はその人達の性格からそうなったのではなく、国立大学あるいは公務員という「制度」の中で、「そうならざるを得ない事情」があったのではないだろうかと考えています。真面目に働く、困っている人の親身になって働く、そういうことも重要ですが、「国立大学や公務員の世界でそういうことをし続けることはある程度危険なことでもある」という認識は多かれ少なかれ職員の中で共有されていると思います。「不真面目さ」や「横柄さ」はこういう危険に対する一種の自己防衛なのではないでしょうか?実際、精神を病む職員さんには真面目な人が多いとも聞いています。
まぁそんな私的な考えは置いといて、派遣職員さんから見た国立大学というものには結構興味があります。勤務する中でsatoさんが興味を感じるものがあり、それをご報告をいただけたら幸いです。
私が納得できないのは、満了で辞めた後、その後、満一年はこの大学組織のどこにも絶対に就職できないことです。時給はまた1年目からの安いものでもいいのに。私は仕事がしたいだけなのに。
>満了で辞めた後、その後、満一年はこの大学組織のどこにも絶対に就職できないことです。
「満一年は就職できない」ということは1年経過した後にはまた就職することができるということでしょうか?自分の大学の場合は一度雇用期限まで勤めてしまうと未来永劫に渡って再雇用できないので、このあたりで運用の違いがあることに驚きました。賛否両論はあるでしょうが、1年を置けばまた雇うことができるという方針は、大学側として打ち出した一つの折衷案だと思います。個人的には有期雇用の問題に関して結構理解のある大学だなと思うのですが…、問題はまだまだ山積みのようですね。
雇用期限を一度勤めあげると、未来未来永劫に渡って再雇用できない、というのは、私も驚きました。もしかして、大学雇いと、文科省雇いの違いってあるでしょうか。
ある非常勤の職員の人で、研究室での上司とのトラブルに巻き込まれ、就職後、数か月で辞めざるを得なくなった(半分クビってことです)人がいました。とても優秀な人だったのに、一年の空白期間を明けないと研究の場に戻れないことを非常に悔しがっていたのですが、それも、まだ恵まれているほうだったのでしょうか。時給1000円以下のただのアルバイトで、そんな理不尽な…と思うのですが…。
また、雇用期限を勤めあげた後、「どうしても」という時は、派遣会社に一旦、登録し、派遣職員として働けるという裏技も使っていると聞きました。(それでも同じ部署で働くのは無理なようです)
派遣の場合は時給も高く、教室が支払わなければならない料金も高くなるため、教室には嫌がられたり、同じ職場で同じ仕事をしているのに、あの人は派遣、あの人は大学雇いということで、給料が1.5倍くらい違うので、物議をかもしだすのです。非常に難しいですよね。
聞けば聞くほどスゲェ大学ですね。それともこれくらいが普通で、自分の大学が厳しいだけなのでしょうか。いずれにしろ、非常勤雇用に関してはこれくらいの柔軟性はあって良いのではないかと個人的に思います。
「大学雇い」と「文科省雇い」という言葉が出てきましたが、これは運営費交付金で雇用しているか、科学研究費補助金で雇用しているかということでしょうか。雇用期限や再雇用のルールについては雇用財源の種類に関わらず、全職員で一律に決まっているので、多分「大学や問い」や「文科省雇い」は関係なく、ただ単に大学全体のルールが厳しいか否かの問題だと思います。
遅まきながらコメントさせていただきます・・・
次のようなことも、真実なら問題だと思います。
大学側が雇い止め後も同じ人に来てもらいたい時に、
「『公募』を通して新たに採用しなければならない」という制度とのジレンマを解消するため、
同じ人を雇う前提で求人していることがあるようです。
研究室だけでなく事務部門でも。
その場合、必死に求職している学外の方の立場はどうなるのかと。
公募が事実上形骸化したものだと全く知らないままで履歴書を送り返事を待っている方の精神的な負担や貴重な時間や、郵送代などなど・・・
研究者の公募はその世界の人間関係や業績などが深く関係しているけれど、専門的な能力の要らない一般事務は採用される可能性など自力では予測できないものです。
確かに、どの世界にも「出○レース」なるものは存在するようですが、
もし、国立大学でも一律にそれが認められているのだとしたら、国民として悲しいことです。
勿論、全てがそのような求人ではないようですが。
管理人さんの大学では非常勤の事務職員の公募はどうなっていますか?
他にも、国立大学の問題として、
研究部門が国際化しても事務部門の常勤職員が全然ついていけなくて、研究者だけでなく非常勤職員もあきれかえってしまう・・・とか、現場ではいろいろと組織上の問題がありますね。
国立大学の事務部門が、”悪い公務員体質”から脱却して、さまざまな矛盾を乗り越え、研究・高等教育機関として新しい時代に積極的に応えられるような力になれるといいですね。
トップダウンでの手っ取り早い改革だけでなく、
管理人さんのような若手常勤職員の努力に期待してます。
仕事初めの今日、年度末(3月末)までの業務内容の確認があり、4月以降は特になし。と言われました。
このまま、更新なしの雇い止めの予感がしています。
前任者からの引き継ぎもほぼ無い状態で、業務内容も明確でない職場で、自分なりに頑張ってきたつもりです。
解雇の理由を考えるてみると、協調性、コミュニケーション不足でしょうか。とは言え、室内に一人で勤務する状態、たまにやってくる教授達の悪口を聞き、正直最初の数か月でうんざりしてしまい、精神的にも殻に閉じこる様になりました。決められた時間、目の前にあること(民間企業に比べたらさほど重要な業務や締切もありません。)を適当にこなして時間を潰し帰宅。
私の態度が悪かったのかも知れませんが、この環境で能力も何もありません。
愚痴ってすいません・・・
極端な話、年収1000万円近くもらうような特任教員や特別教員と呼ばれるような人たちだって、有期雇用で雇用財源が尽きれば更新停止になりますし、事務においてもどんなに優秀でもその大学が定める雇用上限期間になれば自動的に更新停止させます。これはその事務がどんなに優秀で、組織としてはできれば手放したくないと思っていても起こることです。
このようなことは大学が非常勤職員の質などに関心が無いとかそういう話ではなく、単に大学における法令順守と組織運用のリスク分散を考えた結果の措置です。またこういう問題をどうにかしようと、現在大学が頭を悩ましているところでもあります。
非常勤の雇用について、現在の大学はとにかくドライに運用している面があります。また今年4月1日からの労働基準法改正に伴い、非常勤職員の雇用については今後はより一層ドライにならざるを得ないと事情もあります。これまでは大学が非常勤職員の雇用上限を定めていても、なぁなぁでそれをちょっと上回ったりして雇用していることもあったかも知れませんが、今後はそういうことが全くできないような状態になりそうなのです。法律上は一応、労働者、特に有期雇用の非常勤職員の保護を強めるための改正なのですが、実情を見るに全く逆の効果を生んでる(非常勤職員の雇い控えやとにかく上限雇用年数をわずかでもオーバーしないように厳しく更新停止を行う)ような気がします。更新のタイミングから考えて、もしかするとこの法律改正で大学が神経質になっていることの影響なのかも知れません。とにかくこういうよく訳のわからん事情とかもあるので、あまり気に病まないでいいと思います。正直、「本人の勤務成績」なんて非常勤職員の雇止めの理由としてはもっとも考えにくい要因と言って差し支えないと思います(新しい人探すなんて面倒くさいことをするくらいなら、ちょっとくらい勤務成績悪くても上限まで雇う、なんてのがお役所の考え方ですから)。
財源については、外部資金だと聞いています。
それにしても、1年未満で首を切られるのやはり痛いです。
また、状況報告しますね。
唐突な考えに聞こえるかもしれませんが、4月以降の身の振り方の一つの選択肢として、勤務先の大学への編入学を考えています。
勤務先はサテライトキャンパスのため、編入学先とは立地は離れています。それでも、大学内で情報は筒抜けになるでしょうか。
転職などで、グループ会社に応募するのはリスクが高い行為だととは思いますが。
純粋に勉強したいという動機と、それが職場の大学であるということは、問題視される可能性はありますか。
学内で問題になるというよりは、学校の立場としてコネ入学などを疑われる立場の人間、ということで入試では扱い難い案件になるのでしょうか。
それとも、まったく気にする必要はないでしょうか。
合格するかもわかりませんが、不合格の場合学内で情報が筒抜けだと、勤務を続けるのにバツが悪いです。
そもそも、雇止めかも知れませんし。
微妙な時期で、いろいろと進路を考えている最中です。いずれにしても、選択肢が多ければ、可能性も広がるので準備したり挑戦することには前向きなだけなのですが。
立場が弱いと、いろいろ気を遣いますね。
長文失礼しました。
またご意見を頂けると嬉しいです。
>大学内で情報は筒抜けになるでしょうか。
大学の規模にもよりますが、少なくとも全職員が同じ大部屋一つで働いている、というくらい小規模な大学でもない限り、非常勤職員の情報が学務関係に行くなんてことは考えにくいと思います。今回は立地が離れていて、しかもサテライトキャンパスということですので、仮にあり得るとしても最も可能性が薄いパターンと想定して良いはずです。というか、もし他キャンパス間で、しかも事務分掌が違う担当間でそんなことができたら、それは事務組織内ですごいレベルの情報共有ができている証拠です。そこまで優秀な事務組織はまだ国立大学には無いんじゃないかなぁーと思います。
また、仮に学務関係の事務担当者と現在勤務中の部署の事務担当者が顔見知りで情報のやり取りがあったとしても、編入学への影響は限りなくゼロであると考えて良いです。通常、編入学などに係る学務関係の審査は全て教員が行います。具体的には各学部で「○○委員会」のように担当の教員をきめて、そこで選考を行うはずです。この選考には事務が関与できる隙は原則ありません。事務を行う職員ですら、お膳立てだけはしますが、コアとなる選考部分には全く関われないのが通常です。選考に関わった教員がたまたまNOさんが非常勤職員をしていたことを知っていた、というなら話は別ですが、キャンパスも違うということで、これも可能性は非常に小さいでしょう。
>学校の立場としてコネ入学などを疑われる立場の人間、ということで入試では扱い難い案件になるのでしょうか。
これもほぼあり得ません。国立大学ではそもそも学生が非常勤職員の一部として雇われていますし(ただしTAやRAなど、学生の身分に基づく雇用ですが)、アカデミック関係に興味があるので非常勤職員になったという方もたくさんいます。非常勤職員をやってる最中で大学に興味を持ったというのも、どのくらい事例があるかは別として、話として聞く限りはよくあることのような印象しか与えないと思います。仮に選考時に選考する教員がNOさんの勤務事実を見たところで、良くも悪くも特に注目はしません。「あぁ、勤めてたんだ」と思って別の項目の検討に入る、くらいじゃないでしょうか。「社会人からの入学である」とかそういう点には注目されるかも知れませんが、そういう点に比べたら編入学先の大学に勤めていたなんてことはほぼ無視できることだと思います。また上にも書きましたが、非常勤時代に顔を知っていた教員とかでもない限り、例え学内でも他部局の職員の事情なんてほとんど知らないので、勤務していた事実はプラスにもマイナスにもならないと思います。
全体的な話として、編入学を考えているなら入試的な心配に集中した方が良いと思います。入試では良くも悪くも純粋に学力的な能力が審査されます。人物考査的要素がゼロとは言いませんが(特に編入学試験なので面接などもあるでしょうし)、過去の勤務場所が合否に与える影響なんてものは心配するだけ時間の無駄です。仮に非常勤職員であることをネガティブに感じるなら、テストの点数を1点分上げる努力を余計にすれば良いと思います。これだけでも膨大なおつりがくるはずです。また面接があるということは、むしろ自分の過去の経歴などを説明する機会が与えられているといっても過言ではありません。どんな人間にだってパッと見ネガティブに思えてしまうことの一つや二つはあって仕方のないものですから、それを面接で払拭できないのはある程度受験者の責任です。
編入学にあたっては不安もいろいろあると思います。ついつい入試前に落ちた時の言い訳を考えてしまうのも仕方のないことです。しかし、入試を控えている高校生が先生に「この前うっかりスチール缶とアルミ缶の分別を間違えたのですが、入試に影響するでしょうか?」と聞いたところで、先生は「そんなこと考えている暇があったら勉強しろ!」としか言えないと思います。NOさんに置かれましても、あれこれ変えられない事情を悩んでいる暇があったら入学試験対策に集中した方がよいはずです。国立大学は同じ大学の非常勤職員であっても受け入れますが、入学のために努力をしない人間は受け入れません。「過酷ではあるが公平であるもの」と思っていただければ幸いです。
同じ係で仕事をしている職員が、心の病(統合失調症)を抱えています。常に気持ちに波があり、前日は穏やかに会話ができたのに、翌日になり話をしても「あ~」という返答しか返ってきません。
仕事においても、郵便の集計ができないから非常勤にやらせて、自分は郵便局へ持って行くだけ。
その人が仕事しない、できない代わりに非常勤の仕事がどんどん増えていきます。
職員という立場もあり、係長もそんな彼女を排除できずかばう一方。そのくせ一人前に給料をもらっているのですから税金泥棒と囁きたくなります。
国立大学の非常勤と違い、仕事内容・待遇も違うかと思いますが、どうにもできない非常勤の状況をご理解いただければと思います。
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