ユグドラ旅情

方向性が見えない

【エクシズ・フォルス】UMDとDL【視点を変える】

2009-12-25 22:08:51 | エクシズ・フォルス
エクシズ・フォルスのDL販売が発表された値段は定価より1000円強安い3990円だ。ちなみに、アマゾンでの価格は現時点で4221円であり、PSPstoreを利用できる環境を考えるとUMD版とDL版は手間そのものは、そう差があるとは考えられぬ。だから利用者は好きな方を選べばよろしい。

DL版配信開始と聞いて疑問に思うのは何故UMD版と一緒に発売しなかったのか、と云う事だ。同じアトラスが販売するP3PはわざわざPSPgoに発売日を合わせ、DL版を同時に販売開始したのに、と思う人もいるだろう。しかし、それは「アトラス」と云う枠組みに二つを放り込んだことから生じる疑問だ。入れる枠組みが間違っているのである。

ならば、「アトラス」と「スティング」と云う枠組みに入れればよいのか、と思った人もせっかちだ。その二つに分けたら余計に訳がわからなくなる。ここでは「移植」と「新規」という箱に放り込むのが正しいと云える。

P3Pは17万本以上も売れている。無印P3、P3FESと移植を経ているから化け物級の売り上げだとも云える。リヴィエラもこれぐらい売れればよかったのにな、というどうでも良い感想はさておいておいて、閑話休題。兎に角P3Pは移植作品だ。移植に伴う様々な作業は勿論あるが、最初から作るに比べ手間やコストが抑えられるのは云わずもがなである。だから、最初からDL版を売っても十分に利益が見込める。

一方、エクシズ・フォルスは完全に新規(先ほどから、しんきが神機に変換されて困る)の作品であるから、1から作らなければならない。手間もコストもかかるし、開発費の回収をせねばならない。その点から云ってUMDは非常に都合がよいのだ。

ここでUMDとDLの違いを考える。UMDは問屋に卸した時点でスティング側には利益が出る。よく「お布施の為に~」とか云うが、それはあくまで将来に十分量を卸してもらう為に行うのであって、店に並んでいるソフトを買おうが買わまいが、ソフトメーカーに何にも直接的な利益を及ぼさない。だから、ワゴンソフトなるものが登場するのだ。話を戻すと、UMDは確実な利益を得られる。しかし、卸す段階で利益が決まってくる。

ゲームソフトは基本的には初動に凡てがかかる。一年もしたら売れない、それどころか店頭にすらならばぬのが実情だ。任天堂のマリオやポケモンと云った類は異常であると云ってよい。つまり、多くのソフトメーカーはソフトを再生産しない限りは発売日近辺に利益が集中する。十分な量が出回ってしまえば、中古市場にソフトが出回るようになるから、そこを見計らって廉価版を出す。

DL版は廉価版に性質が少し似ている。廉価版はあくまで、中古対策として出すべきであり、フルプライス版が売れなかったから出すべきものではない。廉価版はフルプライス版から時間を置いて出すものだ。ここに似ている。

DL版は売れた分、すなわちダウンロードされた(DLもダウンロードの意だが、DLはダウンロード版と思ってほしい)分だけソフトメーカーに利益が行く。1000人分のDL版データをSCEJが先に買うものではない。注目すべきはここだ。UMDと同時期に発売したらUMDを買う人が幾分かDL版に流れるだろう。ここがネックとなる。勿論、先ほど述べたようにUMDは店頭で買われようと買われまいとソフトメーカーに直接的な影響は及ぼさないが、次回のことも考えなければならない。だから卸したUMDが売れるに越したことはない。

UMD版とDL版の販売時期に差をつけると、UMD版での需要を殆ど回収したのちにDL版での需要をも回収できる。UMD版でもDL版でもどちらでも構わない人がいるとしたら、UMD版を買わせることが大事だ。1か月半と云う差をつけることにより、時間と金(+ロードレスによる利便性)をトレードオフの関係にさせる。今回でUMD版の後にDL版が出るのだ、と消費者に認識されても、時間は克服できない。数百円で1か月半という時間が買えるのなら安いものだ(Amazon価格での比較)、そう考えるぐらいの魅力をスティングが維持し続けられれば問題はない。

更に、再生産のコストを含めたUMD版での利益とDL版販売での利益を考えると、どっこいどっこいなのではないか。UMD版から1か月半程度の時間を置いてからDL版を販売する方がむしろ利益が見込めるのではないか。と、考えることもできる。UMDは物質だ。更にパケージに入っている。だからどうしても、店で空間を消費する。店は空間を簡単に広げられない。限度があるから、売れそうなソフトを置き売れなさそうなソフトは排除する。そうしなければならぬ。ソフトメーカーは排除されるリスクを考えるとDL版を選ぶだろう。具体的な販売本数グラフは持っていないが、1か月半もすれば販売曲線は下に水平になって張りつくはずである。

ここまで論を進めればP3Pが何故、UMD版とDL版を同時に販売開始したかわかるだろう。UMD版の購入者をDL版に取られても問題が無かった。販売時期に差をつけるよりは話題性を重視した。UMDは次回に影響がないくらい、十分に売れる見込みがあっただろうし万が一売れなくても、移植作品だからリスクは小さかった。P3Pと同時に発売したDDFFUTもマイナーチェンジ版でリスクの程度はP3Pに似たようなものだった。

とまあ、今回のDL版販売の情報を得て考えてみた。上での考えはそう間違っていないと思う。スティングとアトラスの提携が続く限りはエクシズ・フォルスと同じ販売形態をとるのではないか、と考えられる。

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2 Comments

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Unknown (Unknown)
2009-12-30 14:47:06
エクシズはメディアインストールもあるからUMD版でもそんなに違いがある訳でも無いですしね
元々テンポは良いゲームですし
goは持っているけれど「やられた!DL版を待てば良かった」というようなイメージはあんまり無い
Unknown (畦道@管理人)
2009-12-31 00:41:47
エクシズ・フォルスぐらいのロードの速さがあれば、DL版に強い魅力は感じられませんね。強いて云うのなら、ソフト換装の手間がなく持ち運びが楽だと云う点ぐらいでしょうが、これは別にこのソフトに限った事ではないですしね。

頻繁にソフトの入れ替えを行う人は、果たして熱中してプレイしているのか、という疑問もあります。並行してプレイできるのはせいぜい2~3タイトルでしょう。その程度ならばUMDを持ち歩くのもそう苦労しません。

ダウンロード販売はやがて浸透していくと思います。
ですが、現段階では「少し便利」ぐらいのアドバンテージにとどまっていると私は思います。値段をもっと抑えられれば良いのですが、なかなか難しいところなのでしょう。

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